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止めろ!ベオテ村拠点化計画! 2

マイクラやっぱ楽しいなぁ

ワイルドの羽休めにピッタリやわぁ


敵MOBがスポーンする城MOD入れてやり直したから景色も一新されたし、ほんまに飽きることないなぁ

ベオテ行きのバスに揺られながら、トウヤは憂鬱な感情から目を逸らす様に外を見つめている


バスの車内にはチラホラと他の乗客に混じり、険悪な雰囲気を纏った篝野と、それを気にせずに本を読むマインの姿があった


「・・・本当に大丈夫かよ」


小さく呟きながらも、こうなった経緯を再度トウヤは振り返った



ラスとの話の後、トウヤはギルドの応接室にてフィリアとセドにベオテ村の状況を共有した

今はまだ余計な情報を省きラスからの情報提供という事で話した為か、多少の混乱を見せながらもセドは事態を受け止めたが、家族が住んでいるフィリアは焦りから村に向かおうとしていた


「フィリアさん待って!」


部屋の扉を開けたところでトウヤに腕を掴まれ引き止められたフィリアは、顔を顰めながら「離して」と言い睨み付けるが、それでもトウヤは手を離すことはない


「・・・離しません」


「なんで・・・?」


「今の状況で行っても・・・事態が悪化する可能性があるからです」


敵の目的はわからないが、少なくとも近親者ですら欺くほどの暗示が村には掛かっている

そんな中に何の対策もしないで向かえば間違いなく自分達も取り込まれてしまうだろう


「だから・・・ダメです。行かせません」


改めて強い意志を込めて言うと、フィリアも理解してるのだらう、冷静になり少し俯いた後、渋々といった様子でトウヤの言葉に従い手を引かれながら部屋の中へと戻ってくる


「だが厄介だな・・・」


「何か解決策って無いんですか?」


「あるにはあるが・・・それは通常の暗示であればだ」


通常この世界の暗示、所謂催眠魔法というのは刺激に弱い

少しの痛みや鷹の爪やレモンの様な刺激でも催眠状態を解除することが出来るほど弱い物である


しかし、今回村に掛けられた催眠魔法はそれよりも明らかに強力な物だった


「日常生活を問題なく行える程の暗示となると・・・今の所原因となった存在を排除するしか解決方法は無い・・・」


「そんな・・・」


村の人々が入れ替わり、術者の風貌も分からないとなれば術者特定どころの話では無い


八方塞がり、正しくそうとしか言えない状況に皆顔を顰める


そんな重苦しい部屋の中で、コンコンと扉を叩く軽快な音が響く


「すまない、扉が開けっぱなしだったので話が聞こえてしまったんだ」


「マインさん・・・」


顔を向けてみれば、部屋の入り口に教会の神父マインが立っていた


「ベオテ村の暗示の件、良ければ詳しく話してもらっても良いかな? 力になれるかもしれない」


薄く微笑みを湛えながら、そう言う彼にトウヤ達は懐疑的な視線を浴びせる


突然現れて解決策があると言われればそれは無理もないだろう

しかし、策が無いのも事実であり、彼らは事情を話した後にマインの提案に耳を傾ける事にしたが、彼の明かした策というのは至極単純な物であった






「神父・・・本当に大丈夫なのか・・・?」


「今は・・・頼るしか無い」


これまでの事を思い出したトウヤが、心配そうに呟くとそれを聞いていたであろう隣に座るフィリアがそう口を挟む


「でも・・・何というか・・・」


そう身体毎顔を向けて言い返そうとしたトウヤではあったが、彼の案に乗ると腹を括った以上は今更言っても仕方が無いと思うと、再び背もたれに身体を預ける


「坊主・・・!」


「うわっ! ビックリした・・・」


先程から彼らの背後で不機嫌そうな空気を出している篝野が、突然トウヤに声を掛けると彼は肩を揺らし驚き、それに釣られてフィリアの肩も跳ねた


「何だよそんな鳩が鉄砲喰らったみたいな顔して」


「そりゃ・・・急に声掛けられたらビックリするだろ」


「そんなんでどうする・・・、あぁまぁいいや」


いつもより強い語気でそう言うと、通路を挟んだ隣の席に座るマインを指差す


「なんで、あの男がいるんだ?」


「何でって・・・そりゃこっちも色々あってさ、協力してもらってるんだよ・・・」


「だからってあんな生臭坊主の手なんか借りなくて良いだろう」


「な、生臭坊主って・・・」


貧民街で再開した頃からトウヤも薄々感じていた事ではあったが、どうやらこの篝野という男は神父、というよりもマインの事を毛嫌いしている様だった


「カガリノ、そんな態度、ダメ」


その様子を見かねてか、フィリアが注意すれば彼は「ウグッ・・・」とバツが悪そうにすると、ドカリ座席に座り直す


「・・・なぁおっちゃんはどこ行くつもりなんだよ?」


気まずげな空気になってしまったので、なんとかしようと思いトウヤが問いかけるが、不貞腐れたかの様に顔をそっぽに向ける篝野が答えることはなかった

登場人物

浅間灯夜:本作の主人公、最近和国で買って来た米を炊いたら、水の分量をミスって泣いた


フィリア・リース:トウヤの先輩ヒーロー、天華との一件以来何故かトウヤとの物理的な距離が近くなった


セド・ヴァラド:トウヤの先輩ヒーローその2、トローネという弟子が出来たが、魔人で覚えの早い年若い少女のポテンシャルの高さに驚きと共にブランクを無くそうと必死になっている


マイン:エルフ種の神父、結構長生きしているらしく古い魔法も多く使える


篝野:米の炊き方をミスった事を聞き、トウヤの家で鍋での米の炊き方をレクチャーした

何故か漬物も作っているらしく、たくあんもどきをその時持って来た

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