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捜索!3大怪人! 2

登場人物紹介はあとがきに乗せてます


各章の最初にあらすじ的なの乗せた方が良いですかね?

とある屋敷の中、一組の男女が向かい合いながらも喋る事なくただ黙々と食事をしていた


ピンと張り詰めた空気の中、ピンクのネイルに肩まで伸びた茶色の髪をピンクのハイライトで染めた年若い見た目の女は切り分けた肉を口に入れ、グラスの赤い果実酒を口に含むと徐に口を開く


「それで? ビヨロコとクーラが撃破されるといった失態を犯したわけだけど、君はどんな事をして組織に貢献してくれるのかな?」


グラスを机の上に置きながらも冷たい笑みを浮かべる女ーークヨキシーーは瞳の奥に仄かな怒りの色を見せているが、男ーースーラーーはそんな事など気にする事なく、ただ黙々と食事を続けながら言う


「貢献ですかな? 私は今の今まで組織に貢献してきたつもりでしたが、これ以上何をお望みで?」


「惚けるな、フレアレッドについてに決まってるでしょう?」


惚ける様なスーラの口振りにクヨキシは僅かに眉間に皺を寄せ口調を荒げる


「大怪人を撃破した以上、我々は既に目的を技術の奪取から奴の排除に変えた。そこでだ・・・あなたはどんな貢献をしてくれるのかしら? スーラ」


「この老耄(おいぼれ)にこれ以上の貢献とは、組織も人使いが荒い様ですなクヨキシ様」


彼の言葉から明らかに苛立ちの感情を見せ始めているクヨキシではあったが、臆する事なくスーラは飄々とした態度を崩さない


その事がさらに彼女の気に障ったのだろう、年若く華奢な身体からは考えられないほどの膨大な魔力が漏れ出ると流石のスーラも揶揄いすぎたかと反省した


「もう既にこちらでも計画を練っておりますので、ご心配は無用です・・・。ところで、そちらの計画は順調ですかな?」


食事を止め軽く報告をして話を変えようすれば、クヨキシは苛立ちを隠す事なく素っ気ない態度を見せる


「こちらの計画など貴様が心配する事など何も無い」


「ほほう順調ですか、それは良かった良かった」


尚も笑みを崩さず言葉を返すスーラの姿に、苛立ちを抑えきれなくなったクヨキシは立ち上がる


「いいかしら? ビヨロコとクーラが倒された以上、次に動くのは貴様だ、吉報を待っているぞスーラ」


そう言うと傍に控えさせていた配下を伴い部屋を後にしていく


閉められた扉を見ながらも、後に残されたスーラは1人黙々と食事を続けるが、彼の側に控えていたダライチは不安そうな表情を浮かべている


「よろしいのですか? あの様な対応をしてしまって」


「良い、どうせ私は先が長く無い、ならば好きにさせてもらうさ」


「やはり・・・フレアレッドらと・・・」


彼の言葉に、何をするのかを悟り呟く

しかし、スーラは彼へと声を掛ける


「気にするなダライチ、どの様な形であれ組織からは奴の討伐依頼を出されていただろう」


悲しげな表情を浮かべるダライチではあるが、そんな彼を気遣うとほんの僅かに声を弾ませる


「それにな、私は嬉しいのだ」


「嬉しい・・・ですか?」


スーラの言葉の意図が読めず、困惑してしまうダライチに彼は嬉しそうに「あぁ」と返事をする


「私と妻が守って来たこの街で、ビヨロコとクーラを倒すほどの力を持つ者が現れた。その事が嬉しくて堪らないのだ」


全ては組織から街を守る為に、その思いから行動してきたスーラであったが、3大怪人を倒せる程の者まで現れた事を考え心底嬉しそうに告げる


「奴なら私を相手にしてもそれを糧に成長できる」


「・・・」


それは彼なりの決意の表れであり、そうであるが故にダライチは何も言えない

敬愛する漢の覚悟を決めた言葉だからこそ何も言えないず、奥歯を噛み締める


「それにな、私がいなくなってもダライチ、お前が居てくれる。だから安心して決意出来たのだ」


「スーラ様・・・違います。私はあなたが居てくれたからこそ、私は・・・俺は・・・!」


熱なっていく目頭と共に心の奥底からいつかの日に捨てた自分の言葉が溢れ出る


そんな彼の様子にスーラは微笑みを浮かべると、立ち上がり言った


「さて、私もそろそろ奴のところへ行くとするか、着いてきてくれるか? ダライチ」


「はっ! 我が身は常にあなた様と共に」


忠誠心を新たにダライチがそう返事をすれば、スーラは満足げに頷くのであった






「よろしいのですか?」


「何が?」


揺れる車内でクヨキシは街を眺めながら、車を運転している部下の女からの言葉に返事をすると、言いにくそうにしながらも口を開く


「いえ、その・・・幾ら大怪人様とは言え、本日のあの態度は、8大罪であるクヨキシ様に対してあまりにも失礼かと思いまして・・・」


「許せない?」


緊張のためか、口篭りながらも出た言葉にクヨキシは優しい笑みを浮かべ彼女の言いたいであろう事を言ってみせると遠慮がちに「・・・はい」と答える


「そうよね、スーラは組織に対しての忠誠心は今は無いに等しいし、私に対しても失礼な口利くし、正直あいつじゃなかったら縊り殺してたかも」


「何故・・・そうしなかったのですか?」


そう彼女が問い掛ければ、クヨキシは笑みを浮かべる

バックミラーから見た女が血の気が引くほどの冷たく獰猛な笑みを、そして、楽しげに言うのだ


「あいつが使えるから、それ以外ある?」


「あ・・・いえ、その失礼・・・しました」


怯えながら女がそう言うと、その姿に気をよくしたのか「良いのよ〜」と軽く言い、頬杖をつきながら外へと視線を向ける


「そう・・・奴は強い、仮に倒せたとしても我々には次の計画がある。お前はどう動く? フレアレッド・・・アサマトウヤ・・・」


光があるところに影があり、影の中にはより濃い闇が潜んでいる


今闇が動き出す

登場人物

スーラ:主に不正を働いた貴族や役人、犯罪者を相手に活動を行う3大怪人の一角、義賊と呼ばれ一部市民からは人気がある


ダライチ:スーラに忠義を誓う上級怪人、その力は高位の親衛怪人にも匹敵する。トウヤ達と初めて出会ったのは第4話の怪人戦で連れ戻す為に出て来た際

それからも激励の言葉を送る為に出て来たりしている


クヨキシ:組織の最高幹部8大罪の1人であり、ビヨロコ、クーラを操っていた存在

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