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The lee of the föhn wind 3

登場人物

セド・ヴァラド:トウヤの先輩ヒーローで本作の風属性担当、彼は今でも思い出す、あの時の母の顔を


トローネ:セドが貧民街で保護した元気一杯な魔人の少女、日焼けしてる事からもその活発さが伺える

髪の長さは親の方針

カーテンの隙間からは日の光が差し、部屋を照らし外から聞こえる喧騒は徐々に騒がしさを増していく

ソファで寝ていたセドはゆっくりと瞼を開くと、首を動かして伸びをする


膝に掛けていたブランケットをソファの隅に固めると、ゆっくりと立ち上がり歯を磨き顔を洗い朝食の準備を始める


結局あの日はその後に解散になり、皆店を後にしたのだが、ひとつの問題があった


その日の晩トローネにどう過ごさせるか

夏真っ只中のこの季節、ホテルは旅行客が詰め掛けているし、何より齢14とはいえ魔人の子供を1人で泊まらせるのは何があるかわからない


扉が閉じられる音が聞こえ、暫くしてから階段が軋み誰かが降りてくる音が聞こえる


セドはフライパンを動かして器用に目玉焼きと薄切り肉を皿に乗せながら、降りて来たロングヘアの少女へと声をかけた


「おはようトローネ、よく眠れたか?」


「はい、あ、ありがとうございます!」




食卓に並べられて行く料理をトローネは目を輝かせながら見つめる


スタンダードなパンにスープ、目玉焼きと薄切り肉、いつもパンと黒い液体ばかりを取っている彼からすれば朝食にしては豪勢な気がしたが、食べ盛りだろうから構わないだろうと考え席に着く


「さて、食べようか」


「良いんですか? こんなに豪華なお食事をいただいて」


「構わない、君は食べ盛りなんだから遠慮する事なく食べなさい」


「・・・! そ、それじゃ、神よ貴方のご慈悲に感謝しいただきます!」


そう微笑みながら言うとトローネは嬉しそうに頬を緩めると、手を組み祈りを捧げ食事へと手を付ける


ーー祈りは旧大陸の物だな


新大陸では見ない食事前の祈りの言葉にそう考えながら、セドは新聞紙を折り片手で持つと、黒い液体の入ったコップを啜り食パンへと齧り付く


朝食をとり終えると、日用雑貨を買いに行くために雑貨店へと赴く


「ありがとうございます。服を貸してもらって」


「いや、それは良いのだが男物だが本当に良かったのか? サイズも大きいだろう」


セドのシャツとズボンを借りて、若干ブカブカな半袖のシャツと、上げて裾を折ったズボンを履く彼女にそう問い掛ければ遠慮がちに苦笑しながら呟く


「流石に服を買って頂くのは申し訳ないので、自分で買おうかなって、お金も幾らかなら持ってますし!」


そう言いポケットから小さめの財布を取り出す

中には幾らかの銀貨と銅貨が入っているが、それを見て思わずトローネは言葉を失う


「しまった・・・両替してなかった・・・」


「両替していても、それだけでは足りないぞ」


「えぇ、そうなんですか!?」


「そんな・・・」と肩を落とし呟くトローネにセドは思わず笑ってしまう


「まぁ兎に角今回は俺が出す、君は気にするな」


「すみません・・・ありがとうございます」


そう雑貨屋に入ろうとした瞬間だった

背後から視線を感じセドは後ろへと振り返る


だが、後ろには道を行き交う人々が溢れ自分達へと視線を向ける者の姿はいなかった


「あの・・・どうかしましたか?」


えも言われぬ不信感を覚えるながらも、彼のしかめ面を見てトローネが不安そうに声を出す


「あぁすまない、行こうか」


表情を直し子供に向ける用の表情に戻すとトローネにそう呟き店の中へと入って行く


ーーさっきの視線はなんだ


店の中で服を選ぶトローネの姿を視界に入れながらも、セドは先ほどの視線の正体へと思いを巡らせていた


「先の視線・・・俺ではなくあの子を見ていたな」


考えを纏めるためにボソリと呟く

視界に入ってみたのではなく、まるで狙い澄ます様な視線、何故トローネにその様な視線を向けていたのか


たが、そんな事は分かりきっている


ーー魔人だからか


今は自分が側にいるとは言え喋らせすぎたか、と先程までの自分の行動を悔い認識を改める


「魔人への差別を甘く見過ぎていたのか」


「いいや、違うね」


声が聞こえ急いで振り向くが、その瞬間には拳が迫りセドの身体は宙を舞いガラスを突き破り店の外へ飛ばされ地面を転がると、店の中へと顔を向け自分を殴り飛ばした相手を睨み付ける


そこには人型の全身が長細い怪人が立っていた


「グゥッ、貴様・・・」


「お初にお目掛かる。セド・ヴァラド、私は親衛怪人のジュクフウと申します」


「親衛怪人だと・・・!」


親衛怪人、トウヤとフィリアから聞いた上級怪人よりも上の力を持つ怪人が現れた事に目を見開き驚く


「何が目的だ・・・まさか!?」


「おや、察しが良くて助かります」


ねちっこい喋り方をするジュクフウは、まるで紐の様に垂れる異様に長い指をウネウネと動かしながら、平安貴族の烏帽子の様な首の無い顔に浮かぶ人の唇をニヤリと歪める


「まぁそう言う事なのでゆっくりと死んでくださいな」


腕を振り上げると、指を鞭の様にしならせながらもセド目掛けて振り下ろす


「やめて!!」


トローネの叫びと共に、怪人の身体が宙に浮き向かいの建物の家屋保護結界へとぶつかる


「大丈夫ですか!」


「トローネ・・・あぁすまない、情けない姿を見せたな」


駆け寄るトローネの心配そうな表情を見て、子供用の優しげな表情を浮かべることすら忘れ、子供を不安にさせる様な姿を見せるべきで無かったと猛省し立ち上がる


「グッ・・・このガキ!」


地面へと滑り落ちた怪人が、苛立ちからかワナワナと震え立ち上がった


その姿を見て、セドは指輪へと魔力を送りながら自身の顔の横へと手を挙げると中指と親指を合わせ弾く


「変身」


『音声認識完了、エクスチェンジ!』


機械音声と共にセドの身体が光に包まれると、それを振り払う様に腕を払う

ガラスが砕ける様な音共に貴族調の豪華で洗練されたスーツを見に纏ったセドが姿を現す


「わぁ・・・すごい」


「トローネ店の中に避難していろ」


「あ、はい!」


そう言い店の中へと入っていくトローネの姿を確認すると、セドは怪人へと目を向ける


「待っていてくれるとは、随分と余裕だな」


「それはもちろん、幾らクソガキとは言え今回の目的の物なので傷を付けるわけにはいきませんよ」


怪人の言葉に思わず顔を顰める

目的の物、それはつまり魔力量の多い魔人の子供を素体にして強力な怪人を作る事を示唆しており、セドは吐き気を催す程の邪悪さを感じた


「そんな事を俺が許すと思うか?」


魔力を練り上げながらそう言うセドにジュクフウは嗤う


「拳も使えない貴様なぞに許しをこう気なぞない!」

旧大陸においてはデアテラ信仰が昔と変わらず古いままなので、起きた後と寝る前、食事前に祈りを捧げます

加護の濃い新大陸ではデアテラからの信託で、恥ずかしいからやめてくれと言われて辞めてます


旧大陸と新大陸間の為替レートは旧大陸側の技術進歩が遅いために結構差があります

まぁ新大陸が勇者の知識を使って技術チートしまくってるので早すぎるんですけどね


あともちろん魔人は=戦闘員ではなく、白人黒人黄色人種の様な人種の総称なので、非戦闘員の子供もいます

ただし他の一般ピーポーよりも魔力量は多い傾向にあるので強いです

ただしハーフであったり、海外移住者もいたりするのでその場合は魔力コントロールが稚拙で魔力ゴリ押し系だったりします


あ、あと各種族、所謂亜人種のハーフ系の話ってしましたっけ?

旧大陸が亜人種(旧大陸価値観)との戦争の時に量産しまくってたとか

え?量産方法?それ言ったらR18なので言わないですけどまぁよくある話ですよねぇ

魔力量が少ないが身体能力の高い獣人種、魔力量が多い耳長種エルフ、土魔法専門の山人ドワーフ

それらと戦争している全てが平均の白人

さらに南の方にいる全てが平均だが白人よりも身体能力の高い黒い肌をした黒人みたいな分け方を当作品ではしてます

まぁ考えたは良いけど作者が活かせてないのと活かす気ないので全く話に出てこないですけどね!

ガハハ!




つらたん・・・

あ、ちなみに新大陸の原住人種として緑巨人オーク緑小人ゴブリン黒森人ダークエルフがいます

彼らは他人種と異なりまるで闇や森の中に隠れるための肌色をしています

黒人の様に肌を守る為にメラニン色素が濃いのではありません

外敵から身を隠すために肌の色を適応させたのです

逆に言えばそれ以外の人種はいなくなっちゃいました

何ででしょうね

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