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異世界に行ったらヒーローになったSO!  作者: 門鍵モンキー
第一章 異世界に行ったらヒーローになったSO
11/204

やったぜ着いたぜベガドの街! 5 終

これにて分割版第二話終了となります

ダーカー工房、それは10年ほど前に当時10代であったアイン・ダーカーにより創設された工房である

技術の公開は行っていないが、開発された技術は今では街で唯一の2人のヒーローの強化装甲服に使われ、そのヒーローが所属する工房として町役場からは新技術の公開を期待の眼差しと共に待ち望まれている工房である


そんなダーカー工房の作業室の一室で独りごちていた


「術式、材質、始動魔力、どこからどう見ても私の作った物だね、でもどうして・・・」


それは彼女の目の前の机に置かれている青年が持っていたブレスレットについてだった

チラリと目を横に向ければそこには乱雑に物が置かれている棚の一つに全く同じブレスレットが置かれていた


紛失物として届け出していたブレスレットだが、数日前にこの棚の中から見つかっていたのだが、取り下げを忘れてしまいそのままになっていたのだ


しかし、今日になって術式、刻印、材質、果ては込められた始動魔力まで全く同一の物が出てきた

始動魔力とは魔法を用いて作られた魔具を作成後やメンテナンス後に起動する際に用いられる魔力を指す、この始動魔力の残滓がダーカー博士の魔力と一致すること

さらには魔力残滓からしてこの魔具を点検してから約数1年ほど経過している事もわかった


「私がこれを完成させたのは先週、仮にその後フルで使ってもこんなに磨耗するわけがない」


謎、何故こんなにもところどころ摩耗しているのか、何故魔力残滓が何年も使い古された様に薄くなっているのか

更に言えばもっと気になっている部分が2つある

胸の奥が締め付けられる様な高鳴りを覚え、感情に抗うことなく身体を動かしその内の一つを見るために、ブレスレットを手に取り裏側へと顔を近付ける


「この裏の文章、魔力ペンで何回も何回も何回も丹念に、丹念に塗り重ねられてる」


息がしだいに荒くなる

胸の締め付けは強さを増し、背中に力が入る


「学習型術式にはなんども何かを教育した形跡があるし、嗚呼あんたは一体何者なんだい?」


恍惚とした表情で身悶えする

この短期間で如何様にして術式の改変を行なったのか?

何故森の中にそれもベオテの森にいた?

本人は記憶喪失と言っていたが何処からどこまでが本当なのか?

謎が謎を呼び更なる探究心を呼び起こす


「楽しくなってきたねぇ」


楽しげに発せられた声が部屋の中で余韻と共にじんわりと薄くなり消えていく


その姿を見ていた男と共に





ーーーーーーーー



「なんか、凄いとこにありますね」


大通りから外れた薄暗い路地裏にひっそりと建物の間に挟まれた3階建ての建物の1階にその店はあった

barエオーネと名前が一文字ずつ貼り付けられた焦げ茶色をしたクラシックな扉には

【現在ホームパーティ中】と書かれたやたらファンシーな可愛らしい掛け看板が掛かっており、時折楽しげな笑い声が扉越しに聞こえてくる

そんな店の前でトウヤはそう呟いた


「まぁ結構寂れたとこにあるよね」


「あら、寂れてる場所にお店を立てていてごめんなさいね、元貴族様のあなたには少し物足りないかしら?」


シータの言葉に反応する様に後ろから声を掛けられる

後ろを振り向けば見えたのは広い胸板だった


「エオーネ、出掛けてたの?」


「ちょっと買い出しにね・・・あら?この子もしかして新米さん?」


上から声がするのでトウヤはゆっくりと上を見上げるとそこには褐色の濃い化粧をした美しいバズカット頭の男?エオーネがいた


「まぁ正確にはヒーロー見習いだけどな、教育担当が今不在だから俺らで面倒見ることになったんだよ」


「まぁ!なら新米教育の担当に選ばれたのね!嬉しいわぁ、おしっこ漏らしてた子達がこんなに大きくなって・・・」


「いやエオーネ、あんたと出会ったの3年くらい前じゃねぇか」


「あら?そうだっけ、まぁとりあえず入りましょう、みんな集まってるわよ」


ラーザの言葉をすっとぼけながら男はにこりと微笑むと形の良いヒップを左右に揺らしながら扉へと歩いていく

いつもの事なのか先ほどのすっとぼけを特に気にする事なく、ラーザは行こうぜと声を掛けて一同はエオーネの後に続く


「ただいまー、みんな聞いてよ、ラーザとシスに教え子が出来たのよ!」


扉を潜るとエオーネは店の中全体に聞こえる様に大きな声をかけた

店の中は薄暗く入って右手には伸びる様にバーカウンターがあり、左手には3人掛けのテーブル席が3つほど続いていた

中にいた人数は3人で、女性の2人組が隣同士でバーカウンターに座り、刀を隣に立て掛けた長髪の男性1人がテーブル席に腰を下ろしていた

それぞれが思い思いに時を過ごしていたのだろうが、エオーネの声を聞きこちらへと顔を向ける


「え!?ラーザ達とうとう先輩になるの!?おかえりー!」


「茜、順番逆だよ・・・ラーザ、おめでとう」


活発そうなポニーテールの少女と眠たげな目をしたセミロングの少女がまず声を上げた

それぞれが思い思いの言葉で祝福を送る


その様子を見てテーブル席の男がクスリと笑う


「やっぱり2人とも見ていて飽きないなぁ」


そう言うと、エオーネ達へと顔を向ける


「おかえりエオーネ、おめでとうラーザ、シス、一時とはいえ教育担当に選ばれたんだ、気を抜いちゃいけないよ」


ありがとうございます!がんばります!とラーザとシスが嬉しそうに声を上げる

長髪の男は笑顔のままうんうんと頷くと、トウヤへと顔を向け立ち上がる。


「さて、自己紹介がまだだったね、私はオータム、普段は冒険者として生計を立てさせてもらっている」


爽やかな雰囲気の長髪の男、オータムがそう名乗った


「私は里晴茜!よろしくね!こっちは雨宮雫!」


「よろしくね」


ポニーテールの少女が里晴茜、セミロングの少女が雨宮雫と名乗った

茜は名乗りをあげるとニシシと笑いその活発さを表情で表している

一方の雫は微笑を浮かべ名乗りをあげ、落ち着いた女性であった

もしや先ほど店の外まで聞こえた声は茜のものなのだろうか、1人で騒いでいたのだろうか

そうトウヤは思案しながらも緊張した面持ちで自己紹介をする


「俺は浅間灯夜って言います!ラーザさんとシスさんの元で研修する事になりました。よろしくお願い致します!」


「お、しっかりしてるね!よろしく頼むよ後輩くん!」


「なんでそんな偉そうなんだよ」


「良いじゃん別に、ラーザ達の後輩くんって事は私達の後輩でもあるんだから!」


ラーザが苦笑いをしながら言うと、茜は頬を膨らませて返し一同は笑いに包まれる

そんな彼らの仲睦まじい様子にトウヤの緊張の最も解れていく


そんなトウヤの様子を気に掛けていたのだろう、エオーネはトウヤの様子を横目に見ていたのだが、肩の力が抜けた様子になったのを見て安心した様に口角を僅かにあげながら前出てパンパンと手を叩く


「さて、自己紹介タイムは終わり、みんな今日はお祝いだからアタシの奢りよ、じゃんじゃん飲んで食べて!」


その一声と共に一部が湧き上がる

茜は雫を引っ張り席へと座りメニュー表へと目を向け今からどれを食べようか選び出す

酒類を飲んでみようと冷蔵庫を触っていたエオーネへと声を掛けるが未成年ということもありやんわりと断られ頬を膨らましている

そんな茜の様子を雫は楽しげに見つめており、側から見れば姉妹の様な仲睦まじい様子を見せている


オータムは先ほどまで座っていた席に座り直すと飲んでいた酒を、またチビチビと飲み直し始めた


「さて、せっかくだし私たちも何か食べましょ」


「そうだな、トウヤお前も来いよ」


「それじゃお言葉に甘えて」


トウヤはラーザとシスの誘いに乗り同じテーブルを囲う事になった


そして、これから様々な話に花を咲かせていく事になる


マジで書きすぎたな

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