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勇者抹殺計画 4

登場人物はまぁ省きます

特に変わらないので

目の前で吹き荒れる風、膨大な魔力と強靭な力のぶつかり合いにフィリアは思わず息を呑む


鎧の勇者たる天華が繰り出した全力の拳は目にも止まらぬ速度で魔人の身体を穿てば、打撃の衝撃で空気が震え風が巻き起こる


魔人が作り出した結晶の剣は鎧の前に阻まれ、ならばと打ち込まれた全力の拳もまた天華の拳と同じく人の域を超えた威力を発揮していた


「これが、勇者と魔人の戦い」


強力な魔法をぶつけ合えば、正しく戦略兵器と呼ぶに相応しい被害を周囲に与え、建物の残骸は火魔法の爆炎で塵となり、風魔法のぶつかり合いで瓦礫が舞う


巻き込まれないようにと離れたフィリア達ではあったが、それでも何度か巻き込まれそうになる


怪人との戦いとは比べ物にならない、戦いが目の前にはあった


だが、そんな2人の驚きに対し、天華もまた驚いていた


ーーこんなに強いんだ


天華達勇者は訓練期間中に何度か模擬戦形式で勇者同士で戦ったのだが、その時以上の力を魔人から感じていた


魔力量は自分よりも劣り、魔結晶で作られた武器は刃を通す事なく弾かれる

言ってしまえば天華よりも生まれ持った能力値が低いのだ


しかし、彼女と違い魔人は魔力の使い方が上手い

全身を包み込む結界魔法の上に分厚い魔力の層を纏う事で、天華の一撃を受け止めるとクッション材の様な役割を担い、結界へのダメージを和らげている


逆に攻撃の際は纏う魔力を巧みに操作して、魔力を拳の前で突起の様に固定し、さらにその上に結界魔法を発動させる事で超硬質で尖った拳を作り出していた


生まれ持って得ていた魔力だからこそのアドバンテージ、経験や種としての積み重ねにより習得して来た技を用いて、天華を徐々にではあるが押しているのだ


勇者と魔人が戦う際は、本来であれば味方部隊からの援護ありきで戦うのだが、その理由の一端として大陸同盟軍では教える事ができないこういった技が原因にあった


天華の左拳と魔人の右拳が、何度目かのぶつけ合いが行われる

その最中で彼女と魔人との均衡が崩れた


魔人の拳が爆発し、拳の前に展開していた魔力とそれを覆う結界魔法が一気に前に跳ね上がり鎧の手を穿ったのだ


ーーアームパンチ・・・いやパイルバンカー?


いつの日にか見た油と硝煙に塗れたアニメ作品の登場するゲームで見覚えのある技、それと似た攻撃をされた事に天華は衝撃を覚える


ーーそっか、それも有りなんだ


掌が吹き飛んだ衝撃でのけ反り、魔人が拳を突き出そうとしてくる光景を見ながらも、天華は魔人の技に納得する様な思考を浮かべた


「ごめんなさい、トウヤさん」


次いで浮かんだ言葉を目を閉じながら呟くと、その時を覚悟する


『フィニッシュアロー!!』


「ガァァッ!?」


機械音声が鳴り響くと半身を翻し拳を突き出そうとしていた魔人の腹に、魔力の矢が突き刺さり吹き飛ぶ


見ていたフィリア達も、天華も聞き覚えのある機械音声に気がつくと、すぐさま鳴り響いた場所へと顔を向けた


「トウヤ!」


「帰って来たのか!」


「ごめん! お待たせ!」


以前見た時よりも自身と同じ全身鎧に変わった見た目、弓の様な武器

いくつもの違いはあるが、確かにそこに彼がいた


「トウヤさん!」


「よう、天華、なんか・・・立派になったな?」


あの時と変わらぬ鎧の姿に、今し方到着したばかりのトウヤは変わったと言って良いのか分からず思わず、つい疑問符を浮かべながら言うが、そんな真っ直ぐな姿も懐かしく思い嬉しさから目を細める


「はい、トウヤさんも新しいフォームになったんですね」


「おう! パワードフォーム、新しい力だよ」


そう言うとトウヤは屋根の上から飛び降り、天華の隣に立つと前を見据える。彼らの視線の先にはプライドをまたしても強く刺激されたのだろう、ヨロヨロと鼻息を荒立てながら立ち上がる魔人の姿があった


感情が昂り荒れ狂う魔力の流れにトウヤは不安げに乾いた笑みを出しながらも呟く


「さて、これ何とかしないとな・・・」


「私達勝てるんでしょうか」


「勝てるよ、到着したのは俺だけじゃないみたいだし」


「え?」と天華が小さく呟くと同時に、彼らの頭上を巨大な影が街を覆いながらゆっくりと彼らへと迫ってくる


何かに気が付きハッとなりながら上を見上げると、空に鋼鉄の城砦が浮かんでいた


強襲揚陸艦マパナ

全長凡そ200mのこの艦は長方形を横にして立てた様な巨体であり、それがそのまま自分たちに向けて高度を下げ迫って来るのを目にして、トウヤは口を開け呆然としてしまう


「こんなデカいのかよ・・・」


「ふふ、トウヤさん驚き過ぎですよ」


したり顔で言っていたトウヤが1番驚いているのに天華は戦闘中にも関わらず笑ってしまう


一方で魔人は強襲揚陸艦の到着に焦っていた


「強襲揚陸艦だと・・・! マズイ、時間をかけ過ぎたか」


魔人の計画では早々に勇者を抹殺し撤退すると言う流れではあったが、自分1人という事と若さ故の過ちからか、欲をかき功を立てようと焦った結果あまりにも杜撰な計画の報いを自分で味わう結果となった


けたたましいサイレンがマパナから鳴り響くと、出撃ハッチが開き有翼人種飛行隊が飛び出し、降下ハッチからはMRA達が飛び降りていく


「各飛行隊出撃開始! 空挺部隊も順次降下開始!」


出撃した3つの有翼人種飛行隊は編隊を組むと都市全体の魔獣を処理する為に各方面へと散らばり、空挺部隊が魔人討伐のために彼ら目掛けて降りてくるのがわかる


この戦いの趨勢が決まろうとしていた

強襲揚陸艦マパナ

全長凡そ200mの長方形の物体を横にして立てた様な見た目の艦艇、強襲揚陸艦として敵地へと急降下しての部隊展開を行う為、下からの被弾面積を少なくする為にこの様な形状となっている

武装は対地支援用105mm速射砲と75mm機関砲を下部に設置

対空用として75mm機関砲は上部にも搭載

各部ハッチから飛行隊、空挺部隊、降下艇を降ろすことが可能


魔王軍識別コードとかも考えれたらなと思ってましたけど、なんかなんの捻りもなく筆箱になりそう


ほんとは連続投稿で続き上げたかったけど、次の話めちゃくちゃ描写に難産してるので先上げます

多分明日の早い時間に上げられると思います

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