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魔獣大侵攻 8終

そういえばマブラヴってあるじゃないですか?

あれの軌道爆撃とか、大気圏突入カプセルと分離したそれを用いた質量弾攻撃


ロマン〜〜〜!

あとタケミーとかラプターの顔イケメン過ぎーー!!


あ、あと俺認識間違いでハイファンの筈がローファン設定で作品設定してました・・・はい

馬鹿ですみません・・・

フィリアの放った水流カッターで切断されたジャイアントアントの残骸が結界の上を転がり落ちて行き、まるで波の様に空いた隙間を他のアリ達が塞いでいくのを見てフィリアは内心顔を顰める


「凄い! フィリアさんいつの間にこんな技を覚えたんですか!」


「・・・ちょっと前」


手から撃ち出された水流カッターに、天華が目を輝かせながら、重厚感溢れる鎧姿のまま近付くとフィリアは無表情ながらも、照れたのだろうか僅かに口篭りながら答える


「来たぞ、構えろ!」


一気に数百もの仲間を殺してみせたフィリアに対して敵意を剥き出しにし、落下して行く剣と槍の勇者に目を向ける事なく、こちらに向けて一直線に飛び掛かるアリ達


まるで黒い波の様に押し寄せるアリ達に3人はすぐさま後ろに飛び退き距離を取ると魔法を放って行く


風の刃が、高質量の水が、高密度の魔力による焔がアリ達を襲うが、それでも怯む事なく仲間の死体を押し退け襲い掛かる


「これは・・・思っていた以上に!」


「うん・・・」


「キツイです!!」


数匹では問題ない数でも、一気に数十匹が波の様な塊となって襲って来るとなれば対処のキャパシティを超え威圧感すら覚える

正面からがダメなら、横から、横もいっぱいになれば上からも、彼女達の反撃の隙を伺うのではなく、仲間達の隙間を突破して前に飛び出して来る

そんな休む暇もなく迫るアリ達の対処に追われ、下がる隙すら失われていく




だが、そんな彼らの前でアリ達の群れが突如吹き飛んでいくのだ


「第二MRA小隊、討伐隊を支援するぞ、気合い入れろ!」


それは壁上のMRA隊による支援攻撃だった

撃ち放たれる70mm速射砲に次々とフィリア達に迫るアリ達は吹き飛んでいく


後ろからの攻撃にアリ達の動き怯む

その僅かな隙をセドとフィリアは見逃さなかった


セドはすぐさま魔力を練り上げると一気に荒れ狂う風の刃を飛ばし切り裂き、フィリアは身体強化魔法を全力で発動し、そんな風の刃と砲撃の隙間を高速で縫う様に動き回ると、攻撃を逃れたアリ達をトンファーの様なダガーで切り裂いていく


しかし、幾らフィリア達が目の前のアリを処理をしようとも、次々と結界から剥がれたアリ達が襲いかかって来る


「このままじゃジリ貧だぞ!」


体感で幾ら倒しても減る様子のないジャイアントアントの姿に、焦りの表情を浮かべながら槍の勇者アルベルトが叫ぶ


街の門の方もエオーネを筆頭に対処はしているが、それでも門へと向かう数が次第に増え門前で処理するのにも限界が見えてきた


一方で自分達討伐隊は目の前のジャイアントアントを倒すのに必死でキングを探すのも儘ない


だが、ある意味でそれで良いのだ

三分の一が決死隊に誘き寄せられ、討伐隊と街からの攻撃によって多くのジャイアントアントが倒されキングの元からも離れた。そして、その結果は自ずと現れた


『司令部から各員へ、キングの場所の特定に成功! 偵察精霊からの情報を共有します!』


オペレーターからの通信の後、戦っていた皆の脳裏にとある光景が映る

それはエルフ偵察隊の魔法、精霊魔法により使役された精霊から送られた映像をそのまま作戦に参加している者の脳裏へと共有されたのだ

分厚い盾の様な頭を持つ護衛種に四方を守られ、その中心に身を潜める頭の外殻がまるで王冠の様にギザギザとした硬質の触覚へと変貌したキングの姿を


送られた映像を元に彼らは目に身体強化魔法を集中させて探すと、確かにそこには盾の様な分厚い顔を持つアリの姿が見える


そこからの動きは早かった。すぐさまセド、フィリア、長銃の勇者オリヴィラはその地点目掛けて、自身の持てる全力を撃ち放った


ほぼ二方向から飛翔する全力で放たれた風の刃と水流カッター、魔力の奔流に気が付いたキングはダニの様に飛び跳ねると、死に絶えていく護衛種の姿など目にも暮れず、一心不乱に逃げ出す


だが、幾ら逃げ出そうとも偵察隊の送り出した精霊が喰らい付くように追いかけ逃さない


「ちょこまかと!」


「俺に任せろ!」


そう言うとアルベルトは高く跳躍すると、結界にへばり付き大アゴを突き立てるアリの背を踏み台に、韋駄天の如く疾く駆け抜ける


やがて目の前に脳裏に浮かぶ光景が重なり、キングの姿をはっきりと捉えた


「逃げ回るんじゃねぇ!!」


結界を壊さぬように、小さく飛び跳ねると手に持つ槍ゲイボルグをキングへと投擲する


勇者の高密度の魔力とそれにより発動される身体強化魔法は人体の膂力を遥かに上回り、槍の一撃は音の速度を超えた


槍から放たれる衝撃波は道中のアリ達を吹き飛ばしキングに抵抗も、逃げる時間も与えずその身体を容易く貫通し身体を粉砕する


キングの身体が粉砕される光景は、この場で戦う全員の脳裏に映し出されていた


同時に群れの頂点を失ったアリ達は何かに気が付いたように頭を上げると、混乱を始めうぞうぞと動き回り、やがて四方へと散らばる様に走り出し結界から、街の周囲からも離れ出す


結界から徐々に剥がれ落ちていくように降りていく様は街の中からも確認できた


「やった・・・」


誰かがポツリと呟いた言葉は、同時に街を守るために戦った者たちの心に染み渡り、波の様に伝播していき歓声へと変わる


「やったな・・・」


「うん」


「あわわわ・・・」


地上へと降りたジャイアントアント達が自分達に目も暮れることなく一目散に逃げ出す中で、フィリアとセドは勝利の余韻に浸り、天華はあまりの気持ち悪さに見に纏う鎧ごと震える


上がりきった太陽は街を明るく照らし影を動かしていく


しかし、そうした中でこそ闇はより存在感を増していくのだ




人々が歓声を上げる地下に、それはいた


「あの程度を撃退したくらいでこんなに騒いで、能天気な奴らだ」


喜びが溢れる街の様子を、男は嘲笑するが何処となく気分は良かった


先のベガド攻防戦で不確定情報を頼りに侵攻した仲間が消息を断ち、変わりに自分が来てみれば早速自分達の探し求めていたものを見つけ出せたからだ


そのおかげか、不快な匂いと湿り気を帯びた下水道の空気の中をまるで宝石でも見つけたかの様な楽しげな表情を浮かべ歩くことが出来た


「おっとダメだダメだ、今回は違う目的で来たのに」


だが、男の本来の目的は人探しではない

ここに男が来たのは偶々だったのだ、偶々住民に襲われ、偶々フィリアに助けられたのだ


そうして本来の自分の職務を思い出した男は、展開を終えた配下達に命令を下す


「行け、行って街を騒がして来い、勇者を殺すために!」


魔人の牙が街へと突き立てられようとしていた

魔人の設定は・・・まぁ後々で良いか

軍隊の設定は・・・まぁ今度しますね、航空艦隊とかあるし


ジャイアントアント:

クイーンと呼ばれる種を中心に地下に巣を作りひとつの社会を形成する基本小型に分類される魔獣で、クイーン、キング、護衛、兵隊、労働の5つの種が確認されている

しかし、危険度で言えばそこらの中型を遥かに超える

その主な理由が数の多さにあった

ひとつの群れに対して数十万という数が生息するジャイアントアントは、生態を維持するために群れを幾つかに分割し、クイーンのいる巣を中心に周囲に衛星巣とも呼べる拠点を作る

そこでは繁殖を行わず食料調達と保管を主に行うが、この習性により生活圏を徐々に広げていく

もちろんこの魔獣を目当てにやって来る魔獣も多く存在する為、生活圏が無作為に広がり続ける事はない

しかし、もし生活圏を広げた先に人の住処があった場合は話が変わる

数百から数千の労働種のジャイアントアントが、街や集落を覆い尽くし、もし侵入されたが最後、住民は彼らの食糧へと成り果てるのだ


最も、不可解な事に今回のベガド侵攻には近隣に衛星巣が無いにも関わらず、キングを含めた衛星巣にいる全てのジャイアントアントがやってきていた様だが

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