プロローグ
ずっと思っていた。
自分のしでかした事は命をもってしか償えないと。
だけど、おまえが言ったんだ。
「この命は、簡単に投げ出していいものじゃないから」
俺とは別の罪を背負ったおまえの目は、俺を真っ直ぐに見つめていて、まるで心の奥まで突き刺すようだった。
そして今、おまえはその命を投げうつ場面だと、あの時と同じ目でそう言った。
笑った泣き顔を見せて、俺に「生きてください」とぬかしやがる。
――――ふざけんな。
あの日、義父さんの命令でおまえと一緒に組む事になった時は、こんな気持ちになるとは思っていなかった。
それが今じゃどうだ。こいつの力になりたい、俺も一緒に生き続けたいなんて思う始末だ。
なぁ、背負えるものは背負わせろ。おまえ一人で抱えんな。
泣きそうになるぐらいの重圧とか、やりきれない悲しみとか、そういったもんをこれ以上そのちいせぇ身体に乗せんなよ。少しぐらい軽くしたっていいんだよ。
だからこれ以上、自分を追い詰めるな。
俺はおまえのパートナーなんだぜ。おまえの本当の気持ちを聞かせろよ。それから、一緒に並んで歩いて、生きていこう。
おまえを守らせろ。
いいか、よく聞けよ。
俺はおまえの事――――