最後の娘
アナスタシアは泣いていた。
もうビーナスはない。
サタンもない。
あるのは人間とプルートだけ。
アナスタシアは語った。
もうアースもありません。
我々は半惑星で
生き残るしかないのです。
好きなことなど
喜びなど
言っている場合ではありません。
願いはプルートを覚醒させる
その一点にのみ集約しました。
一昨年、ジュピターとマーズが、
昨年、マーキュリーと
ムーンとその星々が消えて、
プルートが覚醒しなければ、
今世界は終わります。
泣きなさい世界。
私はアナスタシア。
アダムではない。
イブの残した最後の娘。
アナスタシアは逝った。
翌朝から記憶のあるものはいない。
もう準社会だ。
プルートは笑って応える。
覚醒ではない
アナスタシアに喝采を。