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ゆるい短編

天使様

作者: 閑古鳥

ぼくらは羽でとぶからね。

羽で空気をいっぱいにすいこんで、すこうし上にとびはねるんだ。

そうしたらね、羽が空をつかむんだ。

そのままぐうっと上にのびあがって、羽をおおきくうごかすの。

ひとおつふたあつ羽ばたいたら、もうそこは空の中にいるんだよ。

空はね、青くみえるけどほんとうはとうめいなんだよ。

水みたいに光がきらきら青くみえてるだけなんだ。

だからずうっと上の方までいってもね、ずうっと空の上が青いんだよ。

とんでるまわりはぜんぜん青くないのに下からみてるとすっごく青いんだ。

ふしぎでしょ?

あのね夜の時もね、とんでいいんだよ。

まっくらじゃなくってちゃんと空はとうめいなんだよ。

お月さまが光ってるからとべるんだよ。

星はお月さまよりももっととおくにいてね、とんでもぜんぜんつかめないの。

たかくとぶのはつかれちゃうから、だれも星をもってかえれないんだ。

だからずっと星はおんなじままなんだよ。

お月さまはね、だいてんしさまになったらいけるんだ。

でもねすっごくおおきくてたべきれないくらいあるんだって。

ねえ、しってた?

雲はわたがしじゃないんだよ。

ぜんぜんふわふわしてなくって、おいしくないからたべないよ。

雨のときはね、とんだらぬれちゃうからとばないの。

ぬれておもくなっちゃうと、おっこちちゃうんだよ。

ずうっとおっこちちゃったらじめんの下までおちちゃうよ。

そっちはいっちゃだめなんだよ。

だから雨のときにはとんじゃだめなの。

晴れのときはどこまでもとべる気がするんだ。

でもぼくはだいてんしさまじゃないから、とちゅうでつかれておりちゃうんだ。

もっともっととびたいのにとべないの。

空は水みたいにとうめいなのに、水みたいにうかべないんだよ。

でも水じゃないからいきができるんだよ。

いきができるからどんどんすきにとべるんだね。

でもうかべないからとぶしかできないの。

とぶのはつかれるんだよ。

はしるのよりもっとつかれるの。

だからいっぱいとぶのはできないんだ。

ぼくは月も星もさわれないの。

お日さまはあつすぎるからちかづけないよ。

火よりもいっぱいあついんだって。

ずっとむかしにみんなもえちゃったから、ちかづいちゃいけないんだ。

もえてぜんぶなくなっちゃうからだめなんだよ。

ぜんぶぜんぶきえちゃうからね。


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