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怪獣惨歌 la・la・la  作者: ここあ
第一章《大狂獣・ラララ》
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第5話 量産型怪獣 パロッツ

 「ここが武器庫。我々TOB(対怪獣部隊)の他にAU(砲撃部隊)AF(航空部隊)そして、非常時に後方支援部隊の隊員らが使う兵器が保管されている。ハンドガン、ライフル、レイザーガン、火炎放射器、ミサイルまあ色々だな。メサイアで開発したものもあれば、撃退した異星人や異次元人から鹵獲したものもある。まだ君たちは訓練もろくに受けていないし、今日は案内だけだから触らない様に」


 「ここは兵器車両整備場、戦車や武装車両、戦闘機やエアバイク諸々の保管と整備を兼ねた倉庫だ。まあ向き不向きはあるだろうが、訓練で免許取らされるから肝に銘じておくように。ちなみにセリカワさんは、このエアバイク『ジェットスラッシャー』のエースライダーだ」


 ちょっとした豆知識が適宜挟まれがら、僕達新人隊員は、ロメオの案内を聞いていた。カンペを見る事もなくテキパキと丁寧に説明を済ませ、列から離れるものが出ないか隊員達を纏める様は、流石先輩だと思う。それにしても、セリカワさんがジェットバイクに乗ってる姿がいまいち想像できない。あの大雑把な性格とこの繊細そうな乗り物の運転というのが中々脳内で結びつかなかった。むしろ怪獣を乗りこなし、大暴れしている姿の方が容易に浮かびそうだ…… 怪獣にまたがり、両手にマシンガンを構え、ガハハと笑っている姿を想像し、首を振る。

 

 「さて、そろそろお昼の時間になる。さっき視聴覚室で話した総合研究室に向かう前に、休憩広場に寄って、そこでご飯を取ろう。さあしっかり、ついてきて」


 休憩広場は、言ってしまえば中庭だった。ロビーの階段を下りた先にある、食堂に併設された広い庭園だ。


 「此処って、地下ですし室内ですよね?」


 天井をみると青空が広がり、眩しく陽が差し込んでいるようにしか見えない。地面には、木々や草花が青々と生い茂っている。映写機による青空投影と人工太陽だろうか? メサイアの更に地下にある、中央街に以前訪れたことがあるが、そこでも似た様な技術が使われていた記憶がある。でも、ここまで命というか暖かみは感じられなかった。

 食堂で受け取ったランチを各々広げながら地面に腰掛け、手を当てる。やはりこの感触は生の土と芝だ、間違いない。


 「此処は、研究室の緑化実験場も兼ねているんだ。外は、今や怪獣達との争いによって荒れ果ててしまった土地も少なくないだろう? だからこの場所でどんな死んだ土地にも緑化できる実験を行って、外にその成果を持っていくのさMrバッツ。その為にも、天候までリアルな環境を用意したのさ。晴天・曇り・雨・雪エトセトラ…… そんなことが可能かって? 問題ないさ、そう我々の技術ならね」

 

 相変わらず、此方の心を見透かしたかのようにアルファが説明をしてくれた。有り難いが、少しだけドキッとしてしまう。雰囲気といい、どこかこの人には慣れ辛い。それにしても、天候の再現まで出来るのは想像以上だ。


 「自然が有るのと無いのとじゃ、隊員達へのメンタルへの影響も大違い。私は、研究者じゃないから詳しくは分からないけど、人を落ち着かせる効果があるんだってね。怪獣をはじめとした侵略者と戦うだけが、我々防衛軍の仕事じゃあない。地球人類の豊かな暮らしを復活させることも、目的の一つというわけです。特に、この休憩広場は週末には一般開放もしてるから、此処よりも更に地下の中央街の人もピクニック感覚で寛ぎにやってくるよ」


 シャオさんが他の人にも聞こえる様に後に続けた。隣のロメオが先に言われたと悔しそうな顔をしている。

 僕のいたイースト5地区の地下街は、鉄とコンクリート壁に覆われた殺風景なところだった。恐らく、他の地区も大なり小なり似た様な物だったのだろう。他の新人達も滅多に見ないような緑地にソワソワしているのが見て取れた。ちらと、アカネの方を見ると、さっきまでの死にそうな顔が嘘の様に興味深そうに花を見つめ、ロメオに何やら聞いている様だ。これが緑の力か…… 同室メンバーの方は、と見ると、普段は寡黙なゲンゾウがウキウキしているようにみえる。植木が趣味だと言っていたし、本当に植物が好きなのだろう。微笑ましい。

 

 「こんなのどかな時間がずっと続けばいいんですが……」


 隣のマークスの言葉も尤もだ。だけど、この世界の現実を考えると、それは難しいのが分かる。


 「その為にも、私達が頑張らないといけないんだオーウェルくん。さて、そろそろ十分に休憩はとれたかな。では、総合研究室に向かうからついてきなさい」


 ロメオの手拍子に合わせ、パッと立ち上がる。遅れると優しい口調ではあるが叱咤が飛ぶことを理解している為、遅れる者はいない。


 「セリカワさんって方とは大違いッスねぇ……」

 

 此処までの丁寧な案内に、優しい質疑応答、テキパキとした指示出し。確かに、あの大胆や豪快としか言いようがない彼女とは大違いだった。だからこそ補佐が務まるのだろうか。ただ一つだがいえる事がある。

 

 「それ、本人の前では絶対言わない方がいいね」


     *     *     *

 

 新人案内の仕事をセリカワさんから割り振られた時には焦りもしたけれど、シャオを初めとする他の補佐隊員達の助けや、何故か付いてきたアルファさんの解説もあり、何事もなくスムーズに進めることが出来た。後で感謝の気持ちでご飯でも奢ってみようか。そうだ、シャオには正隊員になるお祝いもしないといけないな。今や二人だけの同期だ、こういう縁は大事にするべきだ。

ふと、そんなことを考えていると、総合研究室の冷たく無機質な扉が目の前に飛び込んできた。少し考え過ぎてしまった様だ。


 「失礼します、新人の顔通しで参りました。TOB隊員補佐、ロメオ・ライオットとシャオリー・チェン他3名です」


 声紋認証と虹彩認証に指紋認証の三重パスを抜け、ゴゴゴと重い扉が開かれる。うわー、薬物臭い。どうやら実験の真っ最中だった様だなぁ。


 「あっ、しまった。すいません、今すぐ逃げて! いや扉を閉めて! ああ無理だ…… 銃を、その実験体に!」


 ……どうやら取り込み中の一番まずいタイミングで来てしまった様だ。始末書案件に巻き込まれるのは心底御免だと言いたい。この後セリカワさんの所に連れていく用事も残っているんだ。いくら正当な事情があれど、約束の時間に遅れるような事態は絶対に避けたい、いや本気で。

 正面を睨むも、溢れだす煙に視界が覆われて何も見えない、悪態をつきたい気分だ。背後にいる新人達がパニックを起こす前に、速やかに現状を推測する。研究者たちの慌て具合から考えるに怪獣を使った実験中に実験体が暴走し、脱柵したに違いない。何してくれるんだと怒鳴りたい気分である。今行っているのは、量産型鳥型怪獣(パロッツ)に並ぶ爬虫類型怪獣の試作実験だった筈だ。暴れて、制御から外れたタイミングで、私たちが扉を開いたわけだ。で、逃げ場のないところで暴れてる最中に、扉が開いた怪獣達のすることと言えば――

 

 「新人共! 今すぐ慌てず叫ばず落ち着いて、ゆっくりしゃがんで後ろに下がれ! シャオ! 銃を今すぐ構えろ! 麻酔でも電磁でもいい、とにかく奴らの動きを――」

 「GUGARURURURUUUUUU! GYAAAAAASU!」


 一息で指示を言い切る前に、煙をかき分けて、二足歩行の大きな蜥蜴、その大顎が視界に迫ってくる。数は、1・2・3、いや後ろにもう一体いるから4! 恐らく造られたばかりというのに、既に群れとして連携が取れているのか。流石人間とは大違いだ、化物め……


 バシュシュッバシュッ!


 「――止めるぞ」


 指示を言い終えると同時に手前の三体に電磁銃を撃ちこみ終える。痙攣し、動かなくなる三匹のデカイ蜥蜴、それを踏み越えてぱっくりと開かれた口と牙が眼前に迫り、吹っ飛んだ。


 「流石、シャオ。ナイスサポート」

 

 ぱちぱちと手を叩く。


 「ロメオ、精密高速射撃の達人な貴方に褒められても、それ皮肉に聞こえるよ」


 一方のシャオはどこか不満げな声色だ。いや、研究室に入るやいなや怪獣が飛び掛かってきたんだ、当たり前のことである。


 「あー、えーと。今回の責任者は誰ですか…… 今日は忙しいから、今のトラブルは全力で隠ぺいしたいのですが」


 ノータイムで足が隣のシャオに踏みつけられた。心底痛いが、それどころじゃないのである。


 「ロメオ! 軍内のトラブル、それも怪獣にまつわる案件を無かったことになんて出来るわけがない。常識的に考えてみなさい。そもそも新人達の前でそれじゃ、示しがつかないでしょう! 全く、いつも真面目な貴方らしくもない」


 おかんむりであった。そう言われても、セリカワさんの事もあるし、なんか疲れそうで面倒毎は嫌な気分なのだ。なんだか、まるでマルティンさんが感染ってしまったみたいだなと思う。今日は仕事が終わったら早めに寝るべきだろう。


 「……すみませんのう。今回の責任者は儂でした」


 「コーディさんでしたか。室長が留守だから、今のうちに成果を出そうと焦るのも分かりますが気をつけてくださいね。今回は取りあえず、目を瞑りますが、次同じことが起きない様に記録はとっておきます。本当に気をつけてくださいね?」


 非難する鋭いシャオの目に一瞬気圧されたが、なんとか受け流す。一応、上への報告は揉み消すにしても記録は残しておいた方がいいだろう。室長代理のコーディから実験の話を聞く様に他の隊員補佐に頼んでおく。此処に来た目的が大分後回しになってしまった。取りあえず、一時退避させた新人達を呼び戻すした。


 「こちらは研究員の皆さん方だ。挨拶をするように」


 あまり、人との会話に慣れてなさそうな白衣の集団に、よろしくおねがいしますと一斉に挨拶が投げかけられる。毎年の恒例な光景の筈なのになんというか、双方初々しい。


 「室長は今、TOB(うち)の正隊員の一人と中央局との合同任務に赴いているから、今日ここにはいないけれど、それでもアルファさんをはじめとして精鋭揃いと思ってくれていい。こちらは、室長代理のコーディさん。月末は孫のいる東地区のイースト5まで足しげく通っている家族思いの優しい先生だ。怪獣の体調管理や生態研究についてをメインに携わっているから、君達も訓練でお世話になる事だろう」


 「さっきはお騒がせしてすまなかったね。よろしく頼むよ、若い諸君」


 「こちらは左から、グレゴリー、エディン、ライカ、ユメ…… 中には、見てのとおり異星から来た者や異次元からやってきた者もいるが、皆気の良い方々だ。気軽に質問するといいだろう」


 「そして、私が、この研究室の外部顧問という形で手伝っている高次元領域エクセンペルトのアルファさ。怪獣に関する研究の中核を担っている。改めてよろしく頼むよ」


 一通り研究員を紹介したところで、アルファさんが再び中心に立ってアピールを始めた。この人がしゃべると黄色い歓声が上がって暫く収拾付かなくなるんだよなぁ。ああ、頭が痛くなる。

 新人達はどうやら研究室の設備に興味津々なようだ。ヒカルくんも早速コーディさんと何やら話し込んでいる。本当意欲に満ち溢れた子だなぁ。ああいう子がきっと正隊員になって上に行くのだろう。ぼんやりと悩む。私は、このままでいいんだろうか……


     *     *     *


 そこは、まるで未知に溢れた夢のような場所だった。水槽に収められた奇妙な生物達、部屋中に広がる機械と巨大なスクリーン。何やら怪しいグラフが宙に浮かび、それを見た白衣に身を包んだ様々な姿の人々がああでもないこうでもないと意見を交わし合っている。異星人や異次元人なんて、今までの人生の中ではめったに見ることのないとても珍しい存在だった。顔が魚だったり、身体からいくつもの腕をはやしていたり、そんなことも気にせず、一丸となって仕事をしている。それは、僕からしてみれば一種のカルチャーショックだったのだ。


 ふと、ロメオの方を見ると頭を押さえて壁にもたれかかっていた。少し気分が悪そうだ、大丈夫だろうか。先ほどのロメオの手際はまさに素晴らしいものだった。研究室のドアが開くと同時にトラブルが発生し、パニックが起こるかと思いきや、それを他の新人達が察する暇もなく襲い掛かる怪獣を一瞬の早撃ち、それも狙いを寸分も違わない精密射撃で息も切らさずに撃退。まさに芸術的だった。今朝がた、重火器の訓練もあると言っていたけども、成程確かに馬鹿にできない。

 

 「ヒカル。さっき室長代理の人と何を話していたんですか? 随分、夢中に話し込んでいる様でしたが」

 

 考え事に夢中になっていると後ろからマークスに声をかけられた。


 「何って言われても、ちょいとこの施設の怪獣について質問したくらいだよ。さっき運ばれていった子達は試作品なんだってね」

 「あれで試作品…… という事は成功作が初日に見た鳥のような怪獣達ということでしょうか……」

 「あれもプロトモデルだとか、実際今この東局に所属する成功作は三匹なんだってね。大狂獣ラララ、鉄騎鉄獣ゲルダラドン、白触悪魔――」


 ガチャン!


 何かガラスの様なものが砕ける音がした。音の方向を見ると、あの幸が薄そうな女の子アカネが研究者ともつれこんで倒れている。どうやら研究者が持っていた容器が割れた音の様だ。幸い中身は空だった為、別条はなさそうだ。ロメオが、すぐさま駆け寄っていくのが見える。

 

 「あーもう、大丈夫かい?」

 「すすす、すみません…… 少しびっくりしてしまって」


 謝りながらアカネは、モニターの一つを指さした。


 「イテテテ、アレか。人間と怪獣の融合実験のデータだな。今はもう凍結された研究さ、はっきり言ってリスクが高すぎる。まあ、嬢ちゃんみたいな新人が驚くのも無理はないよ」


 人間と怪獣の融合!?  聞こえてきた思いもよらない会話に驚いていると、


 「さて、そろそろ時間だな。セリカワさんが待っている、量産型怪獣実験放牧(ファーム)施設に急ぐぞ」


 ロメオが切り出す。


 「まだまだ質問したりない者、見物したりない者もいるかもしれないが、後日自分で自由時間にでも聞きに来てくれ。今日はもう時間が無い。いよいよお待ちかね、我が部隊の怪獣との御対面だ」


 その言葉で歓声が上がる、やっぱり皆、怪獣を見るのを何よりの楽しみにしていた様だ。勿論、僕も同じである。



     *     *     *


 「どうしたもんかな一体……」


 マルティンの野郎が持ってきた情報、それをどう受け止めるべきか、オレは悩んでいた。怪獣になる子供、東局の新人隊員に気をつけろという忠告。これは新人の中に敵が混じっているという事なのか、それとも狙われているという事なのか、そもそも敵か味方かもわからない怪しいやつの言葉を信じていいのか……


 「そもそも俺は頭を使うのが苦手なんだよ、嗚呼こんな時にアイツがいてくれれば……」


 「セリカワさん、ただいま到着しました。ロメオです、新人隊員連れてきました!」


 ふと思い出に浸ろうとしたところで、声が飛び込んできた。何ともタイミングの悪いやつだ。若干緊張した面持ちでこちらを見ている。一方のシャオは相変わらず、すまし顔だ。その後ろに控える新人の数を数える。成程、わずかに減ったようだ。


 「ロメオ~、シャオからさっき報告があったぞ~? 研究室でトラブルが起きて握りつぶしたんだってなぁ、どうしたんだ一体? あれほど嫌ってたサボり魔(マルティン)みたいじゃないか」


 「す、すみません! セリカワさん、少しでも遅れないようにとつい…… 一応、トラブルの内容については書類に残して改善するようにと言いくるめてあるので――」


 「時間厳守しようって心がけはいいが、あんまりマルティンみたいにはなるなよ。そうなったら、流石に暫く口をきいてやらないからな。ま、上に報告しないのは別として問題は、だ。その暴れ出した怪獣、電磁銃一発で動けなくなるレベルだったって事だよな」


 その言葉でハッとするロメオ。どうやらこちらの言いたいことを察してくれたようだ。賢い子は、話が速いから好きだ。


 「お前の銃の腕前で暴れる量産型怪獣(パロッツ)の4匹一瞬で屠れる自信あるか?」

 「一時間以上あったとしても無理です」


 即答だった、だよなぁ。


 「安全管理は別としてだ、それなりの腕前の隊員の電磁銃が、クリーンヒットして動かなくなるような怪獣は試作だとしても、とても使い物にならねえな。後で、研究員の連中に伝えておけ」


 さて、と気分を切り替えてジャーキーをかみ砕き、パチンと指を鳴らす。地響きと共に、パロッツ達がやってくる。おっと、ビックリした顔が多いな。


 「既に昨日、目撃している隊員もいると思うが、こいつらが量産型怪獣、通称パロッツだ。体長は20メートルを超える鳥獣型ってやつだな。今ここにいるのは30体程で、TOB(対怪獣部隊)の隊員補佐の相棒にあたる良い子達だ」 


 わしゃわしゃと、垂らした頭の羽毛を掻いてやると気持ちよさそうにクァーと鳴いた。その姿が、緊張をときほぐしたのだろうか、新人達のホッとしたため息が聞こえてきた。と、新人の一人が手を上げていることに気が付く。あれは、たしかマークスといったか。


 「すみません、そのパロッツという怪獣達がもし暴れ出したら一体だれがどう止めるのでしょうか…… サイズ10メートルは軽く超えていますよね?」


 「ああ、そんな事か。そりゃ簡単だ、オレが止める」


 何がおかしいのか、笑いが起きた。はて、変な事を言ったのだろうか。ロメオの方をちらりと見ると、慌てて首をブンブン振っている。


 「一体何がおかしいのか分からないんだが、こいつらは造られたばかりの時からしっかりオレが躾を叩きこんである。少なくともオレに逆らうような真似はとらないし、それに取ったとしても負ける気はしない。何匹相手でもだ」


 パロッツ達に向けて手を伸ばすと、膝を折り頭を垂れ服従のポーズを次々に取った。


 「此処の怪獣達のボスはオレってのが、地球防衛軍東局(メサイア)での暗黙のルールでね。だから、まあ訓練でこいつら(パロッツ達)が殺す気で襲ってくるというのは無いから安心してくれ」


 何やら小声で、姐御だのボス猿だの聞こえてきたが、取りあえず今は頭のメモに発言者の名前を仕舞っておく。


 「じゃ、早速初日の訓練行ってみようか」


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