執筆を始めました(※グラフあり)
設定とプロットがある程度固まったので、執筆を開始しました。
【執筆ペースを記録しました】
24万文字は短期間では書けません。そこで毎日執筆した文字数を表計算ソフトに記録して、ペースを把握しながら着実に書き続けるようにしました。以下に執筆累積文字数の折れ線グラフを示します。
途中から記録を付け始めたので0から始まっていません。5月中旬から書き始め、1日平均3000文字弱のペースで進めて、8月上旬には一通り書き終えました。
1日の執筆文字数はこの通りなのですが、1時間の文字数となるとよく分かりません。打ち込みにかかる時間は、事前にどこまでプロットを練ってあったかによって大きく左右されます。そしてこのプロットは往復2時間の通勤を中心に、食事中や入浴しているとき、動画を見ているときや寝付くまでの間も考えているので、所要時間が見当付かないのです。
最高は1日7500文字です。丸一日を執筆にあてるときは、チャイムアプリを利用して定期的に休憩を取るようにしました。調子にのって一気に書き進めると脳が疲れ、そのあとしばらく筆が止まるからです。トータルでたくさん書けるよう、ペース配分には気を配りました。なのでこれは限界に近いです。
8月に入って横ばいになっていますが、この1ヶ月はずっと推敲をしていました。数百文字を書いては、削っています。この期間も含めて平均を取ると、1日2000文字強のペースになります。
【書きたいところから書き進めました】
前作は大まかなプロットを決めた後、第1話から決定稿のつもりで書いては推敲を繰り返し、じりじりと順に書き進めました。今作は書きたくなった場面を飛び飛びに後から修正することを前提に書き散らし、落ち着いたところで第1話から空いた話を埋めながら書いて行きました。
どちらが良いか語れるほどの経験を積めてはいませんが、後者の方が物語の完成度は上がる感触があります。ただ後者はいくつか注意が必要。修正前提で書く文章は、単調で同じような表現を使ったものになりがちです。修正時はどうしても元の文章に引っ張られるので、これは悪い方向に影響を与えます。また未修正でもぱっと見には気づかないので、メモ書きのような文章が残ったままになりかねません。投稿直前に気づいて慌てたこともありました。
なお走り書きした場面、つまりすぐに思い描いた場面は、「ゲーム開始場面(後に全面削除)」、「最終実技試験と校長の戦闘」、「最初の再誕前後」、「妹との再会」、「クィーイウのタクシー暴漢」、「2回目の再誕前後」、「ラストバトル」、「結末」あたりになります。
視点については題材がVRRPGなので、順当に1人称視点にしました。
また前作では1話ごとにファイルを分けていたのですが、今作は1つのファイルにしました。そして推敲の段階で、各話の区切り場所を決めています。このため多くの話で、次話への引きを演出できていません。基本的に各話は読みやすさを優先に区切ったのですが、読者の興味を引いて次に繋げることにももう少し取り組むべきだったかなと思っています。
【執筆ソフトウェアを変更しました】
前作はテキストエディタを使いました。今作はエディタで書き始め、海外産ワープロに変更して、最後は国産ワープロに行き着きました。先の折れ線グラフで6月中旬に執筆ペースが停滞しているのですが、これはワープロを切り替えて機能を試していたからです。
このように執筆ソフトウェアを変更したのは、長編なので文書ファイルを1つにしたくなったのと、日本語入力の変換精度の低さに我慢できなくなったのが理由です。前者はエディタでも可能ですが、ワープロの目次機能を使ったほうが編集場所の行き来がずっと楽になります。
副次効果として、国産ワープロにはルビや傍点を容易に付けられる機能があり、嬉しくなって作品に多用しました。このルビと傍点、読者の皆さまの目にはどう映ったのでしょうね? 第1話を投稿してからこれらが有る行と無い行とで行幅が異なることに気づき、「何だこれは? みっともない」と思いましたが、もうどうにもならない状況でした。
なおこの後書きでは一転してルビを使用していませんが、それはその方が賢い文章に見えるからだったりします。複文を避けていないのも同様の理由。中身で勝負すべきなのでしょうが……
あと校正機能も活用しまくりました。限界はありますが、行頭の字下げ漏れとか、脱字とか、同音異義語の誤用の可能性とかを、検出してくれます。
そして中でも頻出語のチェックについては、ムキになって対応しました。これは同じ言い回しの連続を指摘してくれる機能です。私は意識せずに文を書くと「この」「する」「なる」を多用してしまうのですが、そうした指摘を片っ端から解消していきました。8月はずっと推敲をしていたわけですが、その半分はこの頻出語の解消に充てていたと思います。
ただこれをやると、文のリズムがかなり崩れます。文を編み出す際、誰もが無意識に語の長さや韻も考慮しているものですが、それらを維持したまま語句を入れ替えるのは容易なことではありません。シソーラス辞書を引いても、たいていの場合、難しい言い回しが出てくるだけです。この頻出語チェック、全てを解消する必要は無いでしょう。したからといって読書体験の向上に繋がるものでも無いのですが、語彙を増やす訓練になるかなと思い、取り組んでみました。
なお後書きでは頻出語は放置しており、チェックにかけると山のように検出されます。この第96話『執筆を始めました』で約60カ所。本編はそうした頻度でなされる指摘を、大半の回でゼロにしています。
【文体を検討しました】
これは書きづらいのですが……、私は読み手としては、描写系のくだりはかなり飛ばして読みます。書籍化されている作品なら、真っ先に人物紹介イラストを検索。だってそのほうが早く物語に入り込めます。「ライトノベルってもっとライトにならないのか」、「漫画のようにとはいかなくても、アドベンチャーゲームには近づけられるだろうに」と思っていたりします。
そうしたスタンスなので、本作では大げさに言えば新世代の書き方が出来ないものかと私なりに試しました。それが各話のタイトルの♥♠■□といった記号や、場面切り替え冒頭の時代や場所のラベル風表記です。
記号については4つの世界を行き来することもあり、以前の話を探して振り返る場合にも便利かなと、世界毎に記号を付け分けてみました。♥が表示環境によって赤くなるのは想定外でしたが……
ラベル風表記というのは、以下のような記載です。
♠♠平聖8年(YE2758年)8月
♠♠甲斐県甲府市
1人称視点の作品ですし、主人公のその場面での状況認識がすぐ伝わるようにと付けました。小説ではよく、映像化させていれば一発で分かるような事象を文章に表さないでおき、読者に意外性を演出したりします(叙述トリック)。本作でも例えば――トリックではないですが――、第73話『暗闇に』の西洋竜発見シーンで行っています。そうしたことを意図していない場面で、少ない文字数を通して主人公と読者の認識が一致するよう試みた次第です。
……もっともこうした試みを文字だけで行うと脚本形式に近づくだけで、作品から味気が無くなっていきます。今回挿絵は地図しか用意できませんでしたが、できるものなら人物画や風景画も入れたかったです。
昨今はVTuberブームもあってか人物のモデリングソフトも増えているようです。風景画もAIの補助によって簡易に描く技術が試行されています。私は絵心が無くて歯がゆいのですが、今後もラノベの更なるライト化を図りたいと思っています。




