表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/14

結成

村を出て半日、エルドランドの街の門で三人で並んでいる。

「成人の儀式の時にも来たけど、結構並んでるね。」

「そうね、私達の近くでは一番大きな街だしね。街の中に入ったら冒険者ギルドに行って登録しましょう。」「ん、賛成。」

「ギルドに行って宿も紹介してもらおう」


三人で喋りながら待っていると、直ぐに俺たちの番が来た。

街の守衛さんが二人いてなんの為に来たのか、聞かれたので、冒険者になりにきたと言ったら、心配そうにしながらも街の中にいれてくる。その際に。


「若いからって無茶はするなよ、ようこそエルドランドの街へ」

「冒険者ギルドは街に入って真っ直ぐ行ったところにあるからな。」


親切にギルドの場所を教えてもらい、街の中にに入る。

周りを見ると沢山の人たちが歩いている。


「村に比べるとやっぱり人が多いね。」

「そりゃそうでしょ、街と村を比べてどうすんのよ。」

「ん、比べることが間違い。」


何て事を喋りながら歩いて行くと、目的の場所が見えてきた。

外観をみると3階立ての建物他の建物よりも大きい作りになっている。

ギルドの中に入ると、酒場兼食堂みたいなところがあり、まだ昼だというのに酒を飲んでる人たちがいる。俺達が入ると皆此方を見ている、テンプレ通りだとここで絡まれるんだろうな。

と考えていたら案の定絡まれる。


「どうした、にいちゃんここは子供の遊び場じゃないぞ。」

「そうだぞ、お家に帰ってママのおっぱいでも吸ってな。」


マジか!?本当にそんなセリフを言われるとは、顔に出ないように、内心で笑ってしまった。


「冒険者になりたいので、登録しにきたんです。」

「冒険者になりたいだって?冗談が上手いなにいちゃん。」


男が言うと周りからは笑いが起きる。

あんまり騒がないでほしいな、エルメを見るとなんかイライラして、リンは興味無さそうにしてる。


「後ろのお嬢ちゃん達も冒険者になるのか?そんなにいちゃんといないで俺達と楽しいことしようぜ!」


と言いエルメとリンの肩に触ろうとすると、二人してその男の腹を殴る。

男はその場で蹲る、そこにリンが追撃で男の顎を蹴りあげる。

その場でひっくり返って白目を剥く、辺りは静まり返った。


「あんた達にとやかく言われる筋合いはない、鬱陶しいから声をかけるな。」

「ん、ウザイ」


やっちゃった!ここで揉め事は起こしたくなかったけど、しょうがないか。

周りを見ても若干っていうかかなり引いてる。ここは直ぐにでも受付に行って登録してさっさとギルドを出よう。

聞こえてないと思うけど倒れた人に謝って空いてる受付があったので直ぐ様そこへ行き声をかける。


「すみません、冒険者になりたいのですが、ここで登録できますか?」

「はい、此方で登録可能ですよ。」

「良かった。騒ぎを起こしてすみませんでした。此処にいる三人登録お願いします。」

「気にしないでいいですよ。大した事ないので、それではこちらの紙に名前と年齢、スキルを書いてください。」

年齢、スキルを書いてください。」

「あっ、スキルは無理に書かなくてもいいですけどね。冒険者にとってスキルは生命線ですので」


登録用紙を受け取り三人で書いて受付の人に渡す。


「これでいいですか?」

「はい。大丈夫ですよ。ここでしばらくお待ちください。」


受付の人が奥に行き漸くすると戻ってきた、


「では、此方がギルド証になります。このカードに血を一滴垂らしてもらいます。それで本人確認が出来る様になります。」


自分たちの名前が書いてあるカードを受け取り血を垂らすとカードに吸い込まれて、淡く光る。


「これで登録完了ですね。では冒険者について説明をさせてもらいますね。」


説明を聞くと内容はやはりギルドにはランクがありSランクが一番上で下がFランクになるみたいだ。冒険者の仕事は討伐、採取、護衛その他に諸々ありランクにあった仕事しかできない。そして自分のランクの一個上までは受ける事が出来る。当然登録仕立ての俺達はFランク見習いだな。大体Dランク位で一人前な感じでいいみたいだ。最後にPTの説明を受けて終了。


「と、こんな感じになりますが解らないことはありますか?」

「大丈夫です。」「ええ、分かったわ。」「ん、理解した。」


「では、最後に説明したPT登録はしますか?」

「そうね、この三人で登録してちょうだい。」

「PT名はどうしますか?」

「ジルが決めてくれる?」

「えっ、俺が決めるのか?皆で決めないか?」

「何言ってんの?ジルはリーダーでしょ!」

「ん、リーダーに従う。」


いつの間に俺がリーダーになってんだよ。こいつら名前を決めるの面倒だからって丸投げしやがった。普段言うこと聞いてくれないのに。


どんな名前がいいかな?うーん思いつかん!

俺がどんな名前がいいか考えて二人を見て、はっと思い付く。

元でいいかわからないが、天使だった時の姿を考えたら、

二人の翼がとても白く綺麗だった事を思い出した。



「PT名は白き翼でお願いします。」

と言うと二人は俺を見て驚いた顔をしている。

「分かりました。では、PT名は白き翼で登録しますね。」



「PT名登録完了です。直ぐに依頼を受けますか?」

「いや、この後宿を探したいので今日はやめておきます。どこがおすすめはありますか?」

「そうですね。オススメは青空亭ですかね?食事も美味しいですしお値段もリーズナブルですよ。」

「ありがとうございます。青空亭に行ってみようと思います。」

「これから頑張って下さいね。」


受付の人に頭を下げてギルドを出るとエルメがPT名の事を聞いてきた。


「何で白き翼にしたの?」「ん、なんで?」

「あれ?嫌だった?」

「そうじゃないけど、なんでかなって思って。」


名前を決める時に考えていたことを伝えるとエルメは顔を横に逸らして。

「まぁ、いいんじゃないかしら」リンは「ん、最高」と言ってくれた。

横を向いたエルメの顔を見ようとしたらボディブローを食らった。


「ぐはっ」


照れ隠しでボディブローは無いと思う。


「ほら、早く教えて貰った青空亭に行くわよ。」



俺が蹲っているのにすたすたと歩いていってしまう。

リンも一緒に行ってしまう、中々いいとこに食らった俺はそこで一人悶えていた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ