出会い
三歳になった。一人で歩ける様になり、家の中を歩き回っていると、
母さんが俺を呼ぶので、近寄ると。
「ジル、明日は隣の家のリンちゃんエルメちゃんを家で預かるからね」
うわ~到頭初対面か、どんな風に思われてるんだろう。
「どんな子なの?」
「すごく可愛い子よ。一人はのんびり屋さんで、もう一人が静かな感じかな。」
「ふーん、明日のどれくらいで来るの?」
「そうね、明日の昼頃には来ると思うわ。仲良くしてあげてね。」
「うん、わかった。」
明日か、まぁ楽しみにしておうこう。
翌日。
いつも通りに朝ごはんを食べて父さんが仕事に出掛け母さんは洗濯している。
俺はいつも座る自分の椅子の上で、窓の外を見て考えていた。
どんなかんじかな?あの時とは違って二人とも子供の姿だし、向こうは俺のことはわかってるのかな?前世と名前全然違うしな。
ダラダラと考えていたら、母さんから呼ばれた。
「ジル、そろそろ二人が来るわよ。」
もうそんな時間か?そんなに考え事してたのかな?
回りを見渡しても、まだ昼になっていなかった。
「お母さんまだ昼じゃないけど。」
「うん、そうなんだけどね、隣のエマさんと会ってしゃべっていて、
今からでも預かるって言っちゃった。」
そんな可愛い笑顔されても、まだ心の準備が出来てないよ!?
あたふたしていると、ドアからてを繋いだ女の子が入ってきた。
「おじゃまします〜。」
「ん、じゃまする。」
「は~い、どうぞ自分の家と思っていいからね。」
「い、いらっしゃーい」
新○さんの司会者みたいだ。緊張しすぎだろ俺。
「ん、だれ?」
「紹介するね。私の息子でジルって言うの。ジル自己紹介してね」
「え~と、はじめまして、ジルです。」
と言って軽く頭を下げてみた。母さんは俺の方を見て良くできましたって
顔でこちらを見ている。二人を見てみると、口元が僅かにニヤリとしていた。
えっ、なにその笑顔なんか恐いんたげど。母さんが二人の方を見ると、普通にニコニコしてる。ヤバい‼️確実に俺が転生者だとバレている。
「よろしくです〜。」
「ん、よろ」
「じゃあ、同い年だから三人で仲良くして、遊んでてね。
私はちょっと洗濯してくるからね。」
待って、母さん行かないで。一人にしないで、手を伸ばそうとしたら
二人に手を捕まれた。
「は~い、ジル君とお話してますね〜。」
「ん、話する」
母さんはよろしくねと伝えて家を出ていってしまった。
二人に挟まれて肩を捕まれ連行される。
「さて、彰太さんですよね〜。」
「ち、違うよ。彰太ってダレ?僕の名前はジルだよ」
惚けてみると、二人から睨まれる。
三歳でその目付きはよろしくないと思います。
「うん、そうだよ、前世は彰太だよ。ごめんね。」
「はい、素直に認めてくださいね〜。」
「ふたりが怒ってると思ったから、怖くてね。」
「ん、彰太のせいじゃないから、大丈夫。」
「そうですね、彰太さんのせいではありませんよ。」
「そう言ってもらえてよかったよ。」
取り敢えず三人で輪になって座る。
「あの〜ここではジルって呼んでね。」
「わかりました〜。」「ん、了解」
さて、聞きたいこと聞いとこうかな。
「スキル創造ってどうやったら使えるのかな?」
「それはですね〜、もう使えるはずですよ、ジル君が考えたスキルを口に出して「創造」といえばできますよ。ただ直ぐには出来ませんね、リューノ様の承認待ちになりますね〜。」
この子普通に喋れるんじゃないのか?語尾だけ伸ばしてるけど、キャラ作ってないか?もう一人のリンって子はウンウンうなずいてるけど。
「ジル君ってジルでいいよ。エルメはその普通に喋れるよね?
わざと語尾を伸ばしてる気がしたんだけど。」
言うとエルメはビックリしていた。
リンはそうなのって顔でエルメの顔を見ている。
「バレちゃったか。いやー普通に喋れるんだけどね、天界であのしゃべり方すると、トロいと思われてあまり仕事しなくて良かったんだよね。」
「それに下界に来たことで、普通に仕事しなくていいしね。」
「ん、確かに。ジルに感謝」
おいおい、めっちゃキャラ作ってんじゃん、しかも仕事したくなくて、わざとトロい振りをしてるって、世直し大丈夫?
「でも、世直し頼まれてたけど、それは手伝ってくれるんだよね?」
「安心してそれはちゃんとするから、でもまだ私たちって子どもだから、まだはたらかなくても大丈夫でしょ。まだ三歳これは下界を遊ぶしかないでしょ。」「ん、賛成」
確かにまたまた子どもだからなにもできない、スキル創造のことも聞けたし
色々と考えて作ってみようかな。
「でね、ジルはスキルが作れるんだから、隠蔽のスキルは必ず作ってね、これがないと成人の儀式の時にジルのスキルがバレて大変なことになるから」
「成人の儀式ってなに?」
「ん、ガノアでは、15歳になると成人の儀式を受ける。」
「そう、成人の儀式で皆がどんなスキルを持ってるかどんな職業が向いてるか、調べてくれるんだよ。」
それで隠蔽のスキルを作れってことね。
確かにスキル創造はレアスキル越えて神スキルだよな、女神に貰ったし。
「わかったよ、後で作ってみるね、でもエルメとリンは成人の儀式で見られたら困らないの?」
「ん、大丈夫、困らない。」
「私達は既に持ってるからね。下界に降りるときにリューノ様に付けてもらったから。」
そうなんだ、でもスキルって人に付けれたり、するんだ。もしかして女神だからできたのかな?詳しくはこれからだな。
「あら、皆仲良くなったのね、良かった。」
後ろを見たら母さんが洗濯が終わって戻ってきたみたいだ。俺たちが三人で輪になって喋っていたから、仲良しに見えたんだな。声を潜めてエルメに聞いてみる。
「なぁ、今の会話母さんに聞かれてなかったかな?」
「ん、遮音結界張ってある」
いつの間に?聞こえてないならいいんたけどね。三歳の息子がスキルやら
成人の儀式の事喋っていらビビるからな。母さんは台所に行ってお昼ご飯を用意しに行ったみたいだな。
「今、母さんがご飯作ってるから、それを食べたら色々と教えてね。」
「ん、無理」
「えっ、なんで?」
「ん、ご飯食べたらお昼寝。寝る子は育つ」
それってどうなの?でも家が隣だからいつでも遊びに行ったりして聞けばいいか。時間はまだあるしね。
「わかったよ。ご飯の後は皆で昼寝だ」




