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お祝いは酒場で。

大して苦戦しなかった俺達はギルドにもどってゴブリンの討伐証明を受付のお姉さんに渡した。そして今俺は何故かギルマスの部屋に居る。


「なぁ、エルメ?なんで俺達はギルマスの部屋にいるんだ?」

「さぁ~?Fランクがジェネラルを倒してきたから誉めてくれるんじゃない?」

「えっ、そうかな?なんか怒られそうな気がするよ。」

「何言ってんの?ジェネラル倒して怒られるならギルマスだろうが、殴ってやるわよ。」

「頼むから止めてくれ‼️問題しか残らないから。」


何故エルメは力で解決しようとするのだろうか?このままでは俺は胃に穴が開きそうだ。リンはいつもの如く我関せずでぼっーとしてるし、何よりギルマスの部屋なのにギルマスいないし、いつまでこのままなんだろ?エルメが暴れださない内に来てほしい。


ガチャ。


「待たせてすまんの~。ちょっと上の者と話が長引いてしまってな。」

「い、いえ大丈夫です。」

「遅いわよ。待ってる身にもなってみなさいよ。」


エルメ~。や~め~て~。頼むから。俺の胃が~!


「ほっほほ、こいつは手厳しいの。」

「だ、大丈夫です。気にしないでください。生意気言ってすみません。」


エルメのフォローをしてるのに、エルメは知らんぷり。俺泣いちゃうよ?


「いや、待たせた此方が悪いんじゃからお主が謝ることではないよ。」


ギルマスなんていい人なんだ。荒れた心が癒される。おじいちゃんだけど。


「待たせた理由はFランクであるお主達がCランクモンスターのジェネラルを倒せるわけが無いと上の者がいいおっての?少し揉めたがなんとか納得させて来たところなんじゃ。」

「え~と何を納得させてきたんですか?」

「気になるかの~?」


焦らさないで教えておじいちゃん。


「お主達を飛び級でCランクにする事を納得させたのじゃ。」

「ほら見なさい♪ジェネラルを倒したんだから怒られる訳ないじゃない。」

「ん、当然。」


おっと、リンが会話に入ってきた。当然ってCランクに成る事?それとも怒られないって事どっち?


「しかしじゃ。お主達はまだ若い。余り無理はしないでほしいの。為るべく次からは引き上げてギルドに教えておくれ。」

「そうね。次は気を付けるわ。ありがとうギルマス。」

「お礼を言うのは此方の方じゃて。受付にギルド証を出して更新して報酬をもらっておくれ。これで話は終わりじゃ。長く引き留めて悪かったの。」


ギルマスに言われて受付にギルド証を出すとCランクの証になって戻ってきた。

報酬も金貨で20枚も貰えた。これが多いのか少ないのかわからないが俺達にとってかなりの大金だ。一人金貨5枚を配り残りはギルドに預けておく。


「今日はかなり稼いだから外に食べに行こうぜ!」

「そうね。リン何処行こうかしら?」

「ん、ベル一択。」

「あ~ベルが居るあの酒場ね。私はそれでいいわよ。」


エルメ~俺が行きたくないの知ってるでしょ?なんで、なんでそんな事言うの?

俺をいじめて楽しいのか?このままではベルが居る酒場になってしまう。考えろ、考えるんだ俺。


「え~と、確かにベルがいる酒場に行きたいけど、もう日も暮れて酔っ払いが増える時間じゃないか?絡まれるのも嫌だから、別の店にしないか?」


完璧、完璧だ。日が暮れた事に気が付き酔っ払いを理由に違う店を進める。

フッ。自分の頭のよさが怖いな♪


「あら、絡まれたら絡まれたで〆ればいいじゃない?問題ないわよ。」

「ん、無問題」


ですよね~。解ってました、分かっていましたとも。でも諦めたらそこで終わりなんだ。人間挑戦することが大事なんだ!


二人に引き摺られてベルの酒場に向かう。

辺りを見渡すとみんな顔を逸らす。誰も助けてくれない、なんて世知辛い世の中なんだ。


なんて考えていると到着、そのまま席まで引き摺られて座らさせる。

俺が入ってきたのに気付いたベルが接客していた客を放置し此方に来る。


「いらっしゃい、ジルさん。」

「やっぱりジルしか目に入らないようね。ベル私達もいるからね。」

「ん、約束通り。」


待てリン。約束とはなんだ?そんなものいつの間に。己計ったなリン。

リンを見ると俺を見てニヤリと。くっそー。


「あーベルお勧めってリンはどうする?何人前いくんだ?」

「ん、取り敢えず三人前。」

「マジか!?確かにリンなら行けそうだな。じゃあベル五人前で頼む。」

「またこの前と同じ量が来るんじゃない?」


やめて、ホントヤメテ。ベルが此方をちらちら見てるから変な事言わないで。


そして運ばれてきた料理を見るとエルメはちゃんと一人前リンは三人前より少し多い位か?俺の前はそのリンより多い料理が置かれている。おかしいだろ?俺ちゃんと一人前で頼んだじゃん。エルメは普通なのになんで、なんで俺だけ(涙)


「あの~ベルさん明らかに俺のだけ多いんですが?」

「当店からのサービスです♪」

「エルメはちゃんと一人前なんだけど……」

「だってエルメさん女性ですしそんなに食べれないと思ってリンさんはこの前で沢山食べるのが分かってるからサービスしてありますよ?」

「ん、ベルありがとう。」

「いえいえ。約束を守って貰ったお礼ですから。」


ベルが席を離れ、違う客の接客をしに行く。


「なぁ、こんだけ客が居るんだから、リンに回しても大丈夫だろ?」

「ん、断る。」

「何故だリン?大食い女王のお前が断るなんて!?」

「ん、約束。」

「なぁ~リン。その約束とは俺をベルに売ることか?」

「ん、黙秘権を主張する。」

「おまえ汚いぞ!」


バシッ!


「イッテー。何すんだよエルメ?」

「残すなら残すでいいから早く食べなさい。ベルが接客の合間にこっちを見てるんだから。どのみち無駄よ。」



神よ、女神リューノよ。俺何か悪いことをしましたか?たのまれた世直しを頑張ってると思うのですが?




頭の中で女神リューノの声でドンマイ!と聞こえた気がした。



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