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アコガれて魔法学校に入学したらそこは地獄だった(仮)  作者: 感想とかオホメノコトバとかいただけたら執筆スピード上がるタイプの奴。
入学
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校内中央通り 情報共有

 


 トーカさんは着替えるために一度自分の部屋に戻り、あたしも着替えると、弟が待つ女子寮の入り口で集合した。


「立ち話もなんだから、敷地の中を散歩しよっか」


無為が提案した。


「いいね!! そーしよーっ!」


 ということで校内マップの看板が立っている、正門前まで移動する。

 あたしがいつもの通り弟の右側に並ぶ。トーカさんは弟の左側にいき、横一列に並ぶ形になった。


 トーカさんが無為に話しかける。


「それにしてもお姉ちゃんは怒らせたら魔力上がるタイプ? さっきの魔力、入学式の男子のよりもすごかったんだけれど」


 青く輝く無為の瞳がチラリとあたしを見た。困ったような顔をしている。


「多かれ少なかれみんなそうでしょう。っていうか、何であんなに怒ってたの?」


 無為があたしに尋ねる。


「だってトーカさん、ひどいんだよっ。いくら自分が巨乳だからって……」

「なるほどね」


 弟は納得したようだった。


「それはトーカさんが悪いですよ」

「だからジョーダンだったんだよ。愛のある毒ってゆーかさ」

「夢似はとても優しくて弟思いで、世界一可愛い最高の姉なのですが」

「いや、ほめすぎだろ」


 突っ込んだトーカさん。でも、あたしもそう思う。


「でも世の中に3つだけ、嫌いなものがあるんです。1つは魔物、2つ目は車、そして3つ目が巨乳です」

「巨乳が車乗って魔物から逃げてたらもろとも滅ぼされそうだな」

「……ソンナコトアリマセン」


「ところでどうだった? 間近で話した羅野井景子は?」

「あ、そうそうそうだよ。景子様と何話したの。ちなみに景子様はもう帰ったの?」

「学校にはもういないんじゃないかな。別れ際『今からクラブで踊り狂ってくるから♪』って言ってたから」

「なんてパワフルな……」

「あと、羅野井さんを攻撃した生徒なんだけど転校するってさ。彼の父親も魔法使いだったんだけれど、羅野井さんとパーティを組んだ時に戦死してしまったらしい」

「恨みからの反抗だったわけね」

「羅野井さんは『あなたの液体をもっと飲みたいわ』って……要はトマギガに残るように提案したんだけれど、でも本人は意思が固くて……」

「そうなんだ」

「彼、本当は死ぬ気だったんじゃない? だって相手はあの化け物よ? いくら自惚れていたとしても、あんな単純な水魔法で本気で殺せるなんて考えないでしょ」

「というよりも、ずっと憎んでいた相手が突然目の前に現れたので我を忘れて攻撃してしまった、というのが本当ですね。実際、羅野井さんが来ることは誰にも知らされていませんでしたし。その証拠に、羅野井さんが現れるまでは、僕と普通に会話をしていましたから」

「なるほどね……」

「そういえば、無為はその人と何を話していたの?」

「いや、そこはどうでもいいでしょ」


 トーカさんが突っ込む。


「よくないよ。だって険しそうな顔してたもん」


 弟は顔を背けるように空を見上げた。


「……わざわざ話すほどのことじゃないよ」

「本当?」


 すると無為はあたしと目を合わせた。


「……彼の家族の話をしていたんだよ。お父さんがいないから、苦労も多かったみたいで。それでちょっと深刻な顔をしていたのかもね」

「……なーんだ、そっか」


 その説明で納得はいくけれど、そう言った無為の笑顔に何となく不自然な感じがあった。慌ててるのを隠してるみたいな……


「ってゆーか、二人さー」


 トーカさんがあたしたちの前で振り返った。眉間に皺が寄っている。


「ちょっとブラコン過ぎじゃない?」

 

 

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