表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アコガれて魔法学校に入学したらそこは地獄だった(仮)  作者: 感想とかオホメノコトバとかいただけたら執筆スピード上がるタイプの奴。
入学
2/48

入学式 いきなりみんな


 トマギガの入学式は始まり方から強烈だった。


「今から配布するプリントを一枚とって、隣の人に回してください」


 校長先生が壇上から目で合図すると、先生たちが各列の端の生徒に用紙の束を渡していく。

 いったい何の紙だろう?

 隣からその用紙を受け取ると、そこには「推薦書」と書いてあった。


 その下の文章を読むより早く、校長先生がいきなりこう言い放った。


「あらかじめ皆さんに言っておきますが、本校はいわゆるブラックスクールです」


 ブラックスクール? ブラック企業とかブラックアルバイトとか、その学校版か。


「現在、本校の二年生は18名、三年生は10名しかいません。これは何も特別なことではない。毎年120名の新入生を受け入れますが、ほとんどのものが途中で去っていきます」


 エーッ、そんなに少ないの‼?

 三年生10名って、じゃあ12人に11人が辞めてるってこと?

 すげーっ!! 


「あなたたちは優秀です。日本最難関である本校を受験し、見事合格した“選ばれた120人”です。しかし、もしあなた方が充実した学校生活と明るい未来を求めるのならば本校はお止めなさい。それなら他の学校の方が絶対にいい」


 すごいことを言っているなーと呆気に取られたような気持ちで、あたしは校長の話をまるで他人事のように聞いていた。

 曲がりなりにも校長が自分の学校の生徒に転校を薦めるなんて。

 どんな学校なんだ、ここは……と思っていると、周囲の人たちがガサゴソと動きはじめていた。

 様子を見ていると、ケッコーな数の人が筆記用具を取り出し、貰った用紙に記入している。


(え、え?) 


 周りの流れに乗れていないことに戸惑う。


「その推薦書に希望する学校を書いて本校の窓口に出せば、希望する学校にほぼ100%転入できます。」


 ってことはもしかして、現時点で動いている人たちはそのことを最初から知ってたの?

 トマギガを辞めるつもりで今ここにいるってこと?

 そう気付いた時、一緒に頑張ったのに落ちてしまったクラスメイトのM達の顔が脳裏に浮かんだ。

 どうしてそんなことするの? 最初から違う学校に行くつもりなら、最初からそっちを受ければいいじゃん。

 と思ったけれど、そうしなかったのにはきっとそうした方が「何かいいこと」があるからなんだろう。

ほんの少しムカついて、何だか悲しいと思った。


「現時点での退学希望者はもう帰って構いません」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ