饒舌GM
「ログイン!?」
「おぉ、目ぇ覚めたか。」
ガバッと起きるとそこは見たことのない、これぞ街って感じのレンガ造りの建物が立ち並ぶー通りの真ん中だった。
パカラパカラ ゴゴゴゴゴゴ
「・・・危っ!!」
そこへ馬車が後ろから猛スピードで突進してきているところだった。
結構距離があるけど今のうちにどいとこっと。
「右ジャンプしてみ?」
「えっ?!」
なんか声が聞こえてきたので
聞こえてきた指示通りに華麗な右ジャンプを・・・できなかった。
「えっ・・・」
正確にいうと、体が動かなかった。
焦っているとパカラパカラという音よりゴゴゴゴゴゴという地鳴りみたいな音の方が大きくなってきた。
後ろを恐る恐る振り向くと、丁度十メートルぐらい先に身長の二倍はある馬が後ろからきてぶつかって・・・
「痛っ!!」
「いやいや、全く当たってへんから、後ろ見てみ?」
あれ?痛ないな。
っていうかさっきから右隣でこちらに喋りかけていんのは・・・
「あぁ、松波か。」
僕の横には松波が全く同じ態勢の松波がいた。
「なんやねんいまさら。それより後ろ見てみ」
「へっ?」
なんか笑いの含んだ声やったから素直に向くのはちょっと抵抗があったけど、とりあえず素直に従ってみた。いや見た。
後ろで馬車が前足あげて動きながら止まってる〜!!!
「どわっ!!」
また動き出した馬車にビビって立とうとしたけど、無理だった。
体が思い通りに動かない。
・・・でもよく考えたら首は動くんやな
「ククク・・・立てないなんて愚の骨頂!」
と言っている人の方を見ると全く同じ態勢で転がっている竹中を発見した。
「いや、お前も全く同じ態」
と言いかけた時、
ドッカーンと後ろの馬車の車が上空高く舞い上がって行った。
「「「・・・・・・・・」」」
唖然とする我らが三人の上で、車が再び大きい音を立てて爆発し、中からでっかい鏡が顔が映る方をしたにして出てきた。
・・・冷静に分析してるけどあの鏡、街のすべてを覆っているっぽい。
そして急に鏡の光る部分に人の顔が映った。
っつても逆さまな上にフード+マスク+サングラスという暑くないんかと言いたくなるような格好で映っている。
「皆さん、ようこそRFWへ。」
なんかアヒルみたいなデジャヴュを感じる声だった。
「ただいまからこのゲームはログアウト不可能になりました。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へ?
頭が処理落ち状態になっている間にも説明は続く。
「安心してください、決してデスゲーム的なものではありません。
この世界から脱出するための方法は三つ。
この世界のボスモンスターを倒すか
この世界の通貨単位、KILLを十億貯める、
この僕、GMを探し当てたら」
そこで一旦区切るGM(?)。そのあと急に面白そうな顔になって(それでも雰囲気だけしか変わらなかったが)一言。
「元の世界に返してやろう。
んじゃスタートっと。」