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少年A  作者: 葵依幸
5/7

休息

「4p」


 欲しいモノを手に入れる。

 ただそれだけだった。

 僕にとっては彼女はとても大切な存在で、その為にならばどんな手段でも犯そうと思える。文字通り命をかけたとしても手に入れたい、そう思える存在だった。事の始まりはほんの些細な事、彼女の見せた一瞬の表情。あの表情さえなければこんな事にはならなかったのかもしれない。

 彼女は父親に抱かれ続け、偽りの平和に守られ続け、僕も彼女を一種の憧れとしてまた、何処か違う世界の存在として捉え、触れる事も交わる事も無く終える。そんな可能性もあっただろう。

 けれど、僕は見てしまった。彼女を。

 知ってしまった、彼女の事を。

 そして求めてしまっていた。彼女の、ソレを。

 自分でどうしようもないほどに。

「どうして?」

 問われたって、答えなんて分かりきってるじゃないか。単純明快でとても分かりやすい。けれど理解は出来ない。そう言うもんだろ?君が誰かを好きになるのに理由があるのか?理由は後からついてくるもんだろ?だからさ、僕のこれにも理由は無いんだ。この気持ちに理由は無い、けれど分かるよ。

 僕は恋い焦がれてるんだ、彼女に。

 途方も無く。

 自分で自分を抑え込められないほどに。

 求めているんだ、彼女の事を。

 彼女のソレを。

 知ってしまったから、彼女の事を。

 見てしまったから、彼女を。

 だから。

 欲しいモノを手に入れよう。


 ただ、それだけだ。


 ソレだけなんだ。


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