休息
「4p」
欲しいモノを手に入れる。
ただそれだけだった。
僕にとっては彼女はとても大切な存在で、その為にならばどんな手段でも犯そうと思える。文字通り命をかけたとしても手に入れたい、そう思える存在だった。事の始まりはほんの些細な事、彼女の見せた一瞬の表情。あの表情さえなければこんな事にはならなかったのかもしれない。
彼女は父親に抱かれ続け、偽りの平和に守られ続け、僕も彼女を一種の憧れとしてまた、何処か違う世界の存在として捉え、触れる事も交わる事も無く終える。そんな可能性もあっただろう。
けれど、僕は見てしまった。彼女を。
知ってしまった、彼女の事を。
そして求めてしまっていた。彼女の、ソレを。
自分でどうしようもないほどに。
「どうして?」
問われたって、答えなんて分かりきってるじゃないか。単純明快でとても分かりやすい。けれど理解は出来ない。そう言うもんだろ?君が誰かを好きになるのに理由があるのか?理由は後からついてくるもんだろ?だからさ、僕のこれにも理由は無いんだ。この気持ちに理由は無い、けれど分かるよ。
僕は恋い焦がれてるんだ、彼女に。
途方も無く。
自分で自分を抑え込められないほどに。
求めているんだ、彼女の事を。
彼女のソレを。
知ってしまったから、彼女の事を。
見てしまったから、彼女を。
だから。
欲しいモノを手に入れよう。
ただ、それだけだ。
ソレだけなんだ。