43.カステロッシ城だ!
僕たちはトウモロコシを食べたあともいろいろと食べてお腹いっぱいになってから、ゆっくりとお城へ向かった。
カステロッシ城は、真っ白なカベの大きな建物だ。
近くで見ると、本当に大きくってビックリする。
王様も何時に来てくださいって言ったわけじゃないけど、僕たちがカステロッシに来ていることを知ってるのかな?
知っているとしたら、早く来ないかなって待っているかもしれない。
「フィロの方がそわそわしてるわよね。王様なんて待たせておけばいいって言ってるのに」
「用事があるというのは落ち着かないものだからな。ほら、着いたぞ。とりあえず来てみたが、兵士が通してくれるのかも分からないな」
ラグお姉さんが指さした先には大きな門がある。
その前に二人、よろいを着た人が立ってるんだけどあの人たちが兵士さんなんだと思う。
お城に悪い人が入ったら大変だから、見張ってるんだよね。
ヤリを持って立ってるし、近づくのは少しこわいな。
「フィロ、何事もないと思うが、俺の後ろへ」
「うん。分かった」
僕がオルお兄さんの後ろへ隠れると、ルナちゃんが僕の横に来てくれる。
ラグお姉さんが話をするからって、兵士さんたちに近づいていくのを見守る。
「すまないが、この城の王に呼ばれたのだが。案内を頼みたい」
「見たところ、旅の者のようだが」
兵士さんは怖い顔をして、僕たちをじろじろと見てくる。
ラグお姉さんを見守っていたいけど、兵士さんと目が合うと怒られそうだ。
僕が困っていると、ルナちゃんがぎゅっと僕の手をにぎってくれた。
「ノイオゾのギルド長から、私たち冒険者に会いたがっていると聞いた」
「ノイオゾのギルドから……中で確認してくるのでしばし待たれよ」
兵士さんの一人が、門の中へ入っていくみたいだ。
僕もそーっと顔を出してのぞくと、ラグお姉さんが振り返ってくれて大丈夫だと言ってくれた。
少しの間、門の前で待っているとさっき中へ入っていった兵士さんが戻ってきた。
「待たせたな。中で宰相様がお待ちだ」
「どうぞ、お通りください」
兵士さんたちが門を開けてくれた。
僕たちは、その横をゆっくりと通って城の中へ入る。
僕たち全員が通ったところで、門はまたゆっくりと閉まっていった。
「こんなに早く来ていただけるとは。陛下もお喜びになるでしょう」
この人がさいしょうさんなのかな?
焦げ茶色の長い髪の毛を後ろで結んでる。
黒い長そでのお洋服は、上品でカッコイイ。
おしりも隠れちゃうくらいの長さだ。
この人も貴族なんだろうなあ。
僕たちに少しだけ笑いかけてくれた。
さいしょうさんが王様のところまで連れていってくれることになったみたいだ。
「申し遅れました。私はこの国の宰相ウェルスタンです。スタンと及び頂いて構いません」
「スタン殿だな。私たちの自己紹介はあとでのお楽しみにしてもらうとして、まずは王の元まで案内してもらおうか」
スタンさんの後に続いて、僕たちは大きなお城の中を進む。
どこも見たことないものばかりだから、ついついキョロキョロしちゃう。




