表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
村から追い出された変わり者の僕は、なぜかみんなの人気者になりました  作者: あざらし かえで


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/75

23.頑張ったら来てくれた!

 ロープを緩めるために身体をグリグリ動かしてみるけど、全然緩くなってくれない。

 床の上を転がって、ロープが切れそうな何かを探してみる。


 よく見ると、ビンが割れて破片(はへん)が転がっているのが見えた。

 ずりずりしながら縛られている手で破片を握る。


「……ぅ」


 手が痛い気がする。

 でも、今はロープを切らなくっちゃ。

 がまんして手首のところに当ててこすり続ける。


 ぷちぷちと切れる感じがして、手首が自由になったのが分かった。

 破片を置いて、手をグーパーしてみる。

 これでロープも解けそう。

 

 身体を捻ってロープの結び目に触る。

 手が痛い。

 力が入りづらくて、なかなかうまく解けない。

 

「む、むぅ……」


 息苦しいのもすっかり忘れてた。

 口をふさいでいる布を取ろうとしたときに、バァン! という大きな音がして扉が吹き飛ばされた。


 ホコリが舞って、周りが良く見えない。


「フィロ!」

「生きてる?」


 バタバタという足音と一緒に、嬉しい声が聞こえてくる。

 ラグお姉さんとルナちゃんが僕の側に駆け寄ってきてくれた。

 

 ラグお姉さんが布とロープをあっという間に外して、僕を抱き起してくれる。


「……たりとも、どうして?」


 二人は、角と耳と尻尾を隠してない。

 驚いたんだけど、僕が質問する前にラグお姉さんが僕の手を見てすまない、と言いながら僕を抱きしめてくれた。


「今、治してあげるから」

「あ……」


 ルナちゃんは左手で僕の手を優しく持ち上げながら、右手をかざして何かを唱えはじめた。

 温かい光が僕の手に当たると血が出て痛かったはずなのに、傷がみるみるふさがっていく。


「目を離した隙を狙ってくるとは。油断していたな。怖かっただろう?」

「大きな袋を抱えたやつらが、街の外れにこそこそ行ったって言うのを聞いたのよ。ギルドにいた冒険者が見かけてて、騒ぎを起こしたヤツに間違いないってね」

「二人ともありがとう。僕は大丈夫だけど、ポイが! ポイも捕まっちゃって!」


 慌てて起き上がろうとすると、ラグお姉さんが難しい顔をしながら僕を優しく立たせてくれた。

 

「あいつらが酒場で大騒ぎしていたところを見つけてな。連れ出してフィロの居場所を吐かせたんだが。ヤツらポイをどこかに売り飛ばした金で酒を飲んでいたんだろう」

「どうしよう! ポイが……」

「大丈夫よ。捕まえたヤツらは私の分身に見張らせておいたから。今、ポイの居場所も吐かせるわね」


 ルナちゃんが目を瞑って、何か集中している。

 分身って言うのは、ルナちゃんの魔法でもう一人のルナちゃんを作れるんだって。

 魔法が得意だって言ってたのは聞いていたんだけど、ルナちゃんはすごいんだなぁ。

 

 その間にラグお姉さんが僕の身体についたホコリを落としたり、他にも痛いところがないかと優しく身体を撫でてくれた。

 ラグお姉さんは扉を壊しちゃうくらい力が強いから、悪い人たちもすぐに倒しちゃったみたい。


「……珍しい物好きの人間が集まるオークションに出したみたいね。悪い貴族がどんな品物でも買い取ってオークションで一儲けしてるらしいわ」

「裏ルートで稼ぐとは。まともではないと思っていたが、冒険者ではなく本当にゴロツキだな」

「早く助けに行かなくっちゃ!」


 三人で頷き合ってから、ルナちゃんとラグお姉さんもマントのフードを被る。

 力を使う時は変身が解けちゃうって言ってたから、悪い人たちを警備に引き渡すまではうまく隠さなくっちゃ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ