21.お洋服を選ぼう
真っすぐ歩いていくと、すぐに洋服の絵が描いてある看板が見えてきた。
装備を整えるためのお店は固まってあるみたいで、冒険者の人たちも買い物がしやすくなってるんだって。
今度はルナちゃんが扉を開けて一番にお店へ入っていく。
僕とラグお姉さんも後から一緒にお店へ入ると、ルナちゃんが嬉しそうに色々なお洋服を見て回ってるのが見えた。
「可愛いのもあるわね。どうせなら可愛くて身を守ってくれる服がいいんだけど」
「でしたら、魔法効果があるものをおすすめしますよ」
ルナちゃんはお店のお兄さんに積極的に話しかけながら、じっくり選んでいるみたい。
「いっぱいあるね。どれがいいのか分かんないや」
「フィロならどれでも似合うだろうな。空色のマントなんてどうだ?」
ラグお姉さんが指さしてくれたマントは明るくて綺麗な色だ。
じっと見ていると、ラグお姉さんにクスクスと笑われてしまった。
「フィロの髪の色と一緒だ。フィロは綺麗な色をしたふわふわの髪の毛だからな」
「確かに、お坊ちゃんは可愛らしくて賢そうな見た目ですね」
お店のお兄さんに笑顔で褒められると、恥ずかしいな。
なんて言ったらいいか分からなくて困ってると、ラグお姉さんが僕の頭を撫でてくれた。
「ありがとうと言えばいい。フィロは遠慮しすぎるからな」
「褒められるのも慣れてないのね。全く、これだから鈍感な子は」
「そうなのかな? ええと、お兄さんありがとうございます」
頭を下げてお礼を言うと、ラグお姉さんの笑い声が聞こえてきた。
「坊ちゃんはいい子なんですね。丁寧なお礼をいただいてしまいました」
「うちのフィロは駆け出しの冒険者だから、良い装備をぜひ紹介していただきたいものだな」
「そうね。ついでに安くしてもらえたらいいわね」
ルナちゃんが悪戯っぽく笑いかけると、お店のお兄さんも困りましたねと笑ってくれる。
安くしてほしいだなんて、ルナちゃんはお買い物上手なのかもしれない。
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みんなでマントを買って、お洋服も冒険者におすすめのお洋服を買った。
折角だからと着替えてみると、ベルトに武器をぶら下げたりしているからちょっと強そうな感じがする。
「いいじゃない。冒険者っぽくなったわ」
「見た目も大事だからな。折角だしもう少しぶらぶらしようか」
「そうだね。ポイがいても大丈夫なところを探しにいきたいな」
洋服屋さんで着替えるときにポイもこっそり出てきたけど、新しいお洋服も胸にポケットがあるから大人しくポケットにいてくれてる。
ポイも楽しめるような安全な場所を探してあげたいな。




