18.美味しいご飯
うとうとしちゃったけど、僕も起きて顔を洗いに行く。
ポイも起きたみたいで、ラグお姉さんとルナちゃんに挨拶してる。
「おはよう、ポイ。今日も頑張ろうね」
「ピィ―!」
「ポイもやる気だな。しかしなぁ……街で飛び回るのは危険だと思うんだが」
「ピィ……」
ノイオゾの街に来てからポイは一度も外に出られてないから、本当はポイにも街を見せてあげたい。
ラグお姉さんをじっと見上げる。
「ノイオゾのような大きな街には、悪い人間も集まるものだからな。ポイを見てよからぬことを考える者もいるかもしれない」
「田舎暮らしの何も知らない子どもだし、フィロは鈍感だから。あたしたちがポイも一緒に面倒みないと」
ポイはルナちゃんともすぐ仲良くなったし、二人とも僕のこともポイのことも心配してくれてるんだ。
「二人とも、ありがとう。ポイ、ごめんね。でもまだ来たばかりだから、安心だってところが分かるようになったら街を見せてあげるね」
「ピィ……ピ、ピ!」
「ポイ、いいこいいこ」
指にとまったポイをなでなでする。
ポイは僕たちが出かけることが分かると、いつもの僕の胸ポケットにもぐりこんできた。
「今日も依頼を何個かこなせば、装備も新調できそうだな。かごの中の食べ物も消化してしまったし、この街で少し稼いで旅を続けるのがよさそうだ」
「そうね。ま、ノイオゾの街を拠点にするのも悪くなさそうだけど。ずっと同じところにいても飽きそうよね」
「僕は何をしていてもすごく楽しいよ?」
おしゃべりしながら、二階から階段で一階に降りる。
まだ早い時間だから、一階には誰もいないみたい。
「じゃあ、ご飯をいただくか」
「そうね。まずは食べないとやる気もでないし」
「だね」
僕たちは笑いながら、はじっこの丸いテーブルのところに集まって座る。
朝ごはんを何かお願いしようと思っていると、僕たちに気づいたおばさんが奥の方に入ってからお皿を持って戻ってきた。
「よく眠れたみたいだね。ほら、これでもお食べ」
宿屋のおばさんが美味しそうな料理を持ってきてテーブルの上に置いてくれる。
でも、僕たちまだご飯を頼んでない気がするんだけど……。
「これは?」
「仲良しの三人へプレゼントだよ。大したもんじゃないけどね」
「わぁ! ありがとうございます」
「とってもおいしそうなサンドイッチじゃない」
おばさんがお料理のプレゼントをしてくれた。
僕はいつも固いパンしか齧ったことないから、お肉とかお野菜が挟まってるサンドイッチを食べるのは初めてだ。
「とっても美味しそう……これがサンドイッチかぁ」
「食べたことないのかい? 珍しいねぇ」
「この子は苦労してる子なんだ。だから、いっぱい美味しいものを食べさせてやらないとな」
おばさんは他にも色々食べさせてくれた。
おいしい飲み物も飲ませてくれたし、こんなにいっぱいもらっちゃっていいのかな?
今日も泊まってくれればそれでいいって言ってくれたんだけど、おばさんに何かお礼ができたらいいな。




