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村から追い出された変わり者の僕は、なぜかみんなの人気者になりました  作者: あざらし かえで


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17.ベッドでおやすみなさい

 宿屋のお部屋に着くと、ずっと我慢してくれていたポイがポケットから飛び出てきた。

 ポイは嬉しそうに鳴きながら、部屋の中を飛び回りはじめた。


「ポイ、ずっといい子にしてくれてありがとう」

「ピピッ!」

「やっぱり赤い鳥は珍しいわよね。あんたどこの生まれなのよ」

「まぁいいではないか。ポイは可愛いからいいだろ」


 ポイも街中に出してあげたいんだけど、やっぱりだめかなぁ?

 ポイと一緒に宿屋のお部屋を見て回る。

 ベッドが二つあって寝心地がよさそうだ。


「今日は早めに寝るか?」

「うん。僕はどこに寝ればいい?」


 キョロキョロしていると、ラグお姉さんがベッドに座ってポンポンと叩いて僕を呼んでくれていた。


「ちょっと、ラグ。あなたデカいくせにフィロと一緒に寝る気?」

「フィロを抱きしめて眠ってやるに決まっているだろう。ルナ、お前はまだ幼いのだからしっかりと寝た方がいい」

「子ども扱いしないでよね! あたしはフィロより年上なんだから」


 ルナちゃんは隣のベッドにポンと座って、そのままプイっと顔を背けて寝っ転がった。

 ルナちゃんも宿屋に着いた時は嬉しそうだったし、眠いのかもしれないな。


「ラグお姉さん、ありがとう。ルナちゃんも眠そうだし、僕も今日は寝るね」

 

 ラグお姉さんと同じベッドに近づいて、僕もごろんと寝っ転がる。

 ベッドは、僕の身体を受け止めて弾む。

 ちくちくしないし、ずっと寝ていたくなっちゃいそうだ。


「ベッドは凄いね。僕、すぐに眠くなっちゃいそうだ」

「気にせず眠るといい。おやすみ、フィロ」


 僕が眠る前に隣のベッドからスースーという声が聞こえる。

 ルナちゃんは僕より早く寝ちゃったみたい。

 ポイはまだ元気に飛び回ったままだけど、僕はゆっくりと目を閉じる。


 ラグお姉さんがポンポンと優しく頭を撫でてくれるから、僕はすぐに眠ってしまった。


 +++


 目が覚めると、ラグお姉さんに抱きしめられていた。

 ちょっと恥ずかしいけど、ぽかぽかしてるからまた眠くなっちゃいそうだ。


「ん? まだ寝ててもいいぞ」

「でも……そろそろ起きないと……」

「もうひと眠りしたら、ご飯を食べに行こうか。昨日頑張って依頼をこなしたから、今日は休んでも構わないんだぞ」


 僕とラグお姉さんがおしゃべりしていると、隣で眠っていたルナちゃんがガバリと起き上がったみたい。

 ラグお姉さんから離れて、ルナちゃんのベッドの方へ身体を転がす。


「もう、うるさいんだから。もう少し寝ていたかったのに。あたし、顔を洗ってくるわ」

「僕も……」

「ポイもそこで眠ってるんだから、フィロはまだ寝てていいわよ」

「ルナもフィロには優しいな」

「別に。子どもだからいっぱい寝た方がいいって思っただけよ」


 ルナちゃんはぴょんっとベッドから飛び降りると、宣言した通りに部屋を出て顔を洗いに行ってしまった。

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