ブレスト王国からの脱出
ブレスト王国でギガントサンドワームに特大の攻撃を与えた爆発を
フードを被り、大鎌を持っている人物が遠目から確認する。
・ブレスト王国から少し離れた丘上
フードの人物「あの爆発は・・・。」
フードの人物「おっと、そうだ。」
フードの人物は誰かと連絡を取り合う。
フードの人物「現状報告、どでかいサンドワームが爆発した。」
連絡先の相手「な、なんだ?その報告は?」
連絡先の相手「とにかく、君は早く彼らの所に。」
フードの人物「わかってる。」
フードの人物は通信を切り、走ってブレスト王国へと向かった。
~一方ブレスト王国~
雅一「す、すげぇ一撃・・・。」
レイラ「これが、ペイセルの秘策・・・。」
ペイセル「ハァ・・・ハァ・・・。う・・・ゴボッゴボッ・・・。」
ペイセル「ど・・・どうだ・・・この怪物め・・・。」
ペイセル「これで・・・す・・こ・・・し・・・は・・・。」
ペイセルは力を使い果たし、その場で倒れる。
レイラ「ペイセル!!」
ペイセルが倒れた事を受け、全員ペイセルの所に集まり、ペイセルの様子を
確認する。
雅一「ペイセル!しっかしろ!おい!」
雷閑「これは・・・極度の魔力障害だ・・・。」
雅一「魔力障害?」
雷閑「一度に魔力を大量に使うと起きる障害だ。障害の規模は度合いにもよるけど、
今回は命に関わる程の使用量だったんだ。」
レイラ「ペイセル!ペイセル!」
仲間が懸命に声掛けをするがペイセルは全く息をしていない。
レッド「とにかく、急いで回復を!早く!」
雅一達はありったけの回復薬と魔力薬をペイセルに投与していく。
ペイセルが障害によって全身にできた傷は回復薬のおかげで
徐々に塞がっていく。
レッド「どうだ?息は!?」
レイラ「まだ息が戻らない・・・。」
ラフェスタ「そんな、私達のためにペイセルは・・・。」
雅一「おい!勝手に殺すな!薬が効いてるって事は
まだ死んではないんだよな?」
雷閑「い、一般的に考えれば・・・。」
雅一「だったら、今ペイセルを抱えてブレスト王国を出るぞ!」
レッド「しょ、正気か!?」
雅一「ペイセルが作ってくれたチャンスをここで無駄にはできない!」」
レッド「仕方ない。走るぞ!」
雅一達はこの機会にブレスト王国から先に進むしかないとして、
意識の戻らないペイセルを抱えて急いで街を出るために一斉に駆け出した。
しばらく走っていると、街の出口が見えてくる。
レイラ「この道を真っすぐ行けば街を抜けれるよ!」
ラフェスタ「よし、このまま行けば!」
雅一達は順調に街の出口に向かって走り続けるが、横から大量の瓦礫が
一斉に飛んできて、雅一達の行く手を阻む。
雷閑「しまった!瓦礫が!」
雅一「なんで急に瓦礫が横から・・・。」
すると、立ち込める煙の中から巨大な影が動く様子を目撃する。
ラフェスタ「ま・・・まさか・・・。」
煙の中から現れたのはペイセルが内部から強烈な一撃を与えた
先ほどのギガントサンドワームだった。
レッド「い、生きてやがる・・・。」
レイラ「あれだけの大爆発を体内から受けていながら動けるなんて・・・。」
ギガントサンドワームがさらに進路を塞ぎ再び雅一達に狙いを定める。
雅一「ペイセルが自らの体を犠牲にしてまで与えた一撃なのに・・・。」
ラフェスタ「でも・・・、あの一撃を食らって無傷なはずがない!」
レッド「くそ、やるしかないのか!」
ラフェスタ達はギガントサンドワームとの全面対決も考え、戦闘態勢に移る。
そしてギガントサンドワームはラフェスタ達に正面から突っ込んでくる。
雅一「(ここまでなのかっ!?俺達がたどり着けるのは・・・。)」
もう駄目だと思った次の瞬間、勢いよく横から大ガマも持ったフードの人物が
ギガントサンドワームの横っ腹に一撃を与える。
フードの人物「アヴァンティア・ブレイド!」
ギガントサンドワーム「グオオオオオオ!!」
ギガントサンドワームの強固な外皮装甲を切り裂き、ギガントサンドワームに
深手の傷を追わせる。
ギガントサンドワームは攻撃を受け、地面に倒れ込む。
レッド「な、なんだ!?」
ラフェスタ「あの硬い外皮装甲を・・・切った!?」
するとフードの人物は雅一達の所へやってくる。
フードの人物「怪我はない?」
雅一「あ、ありがとうございます・・・。えっと、あなたは・・・。」
フードの人物「あ、ごめんね。フード被ってたら誰かわからないか。」
フードの人物はフードを取り素顔を雅一達に見せる。
ラフェスタ「え!?嘘ッ!?」
雅一「な、なんでこんな所にいるんだ!?メルさん!?」
雅一達の窮地を救ったのはS級冒険者でなく、受付嬢のメルさんだった。
メル「実はね・・・。」
~少し前~
メルとフレッド、ライフ、そしてガイルは別の前線で魔物と退治していた。
ガイル「おらぁ!」
他の冒険者「すげぇ・・・。流石は伝説の冒険者のガイルだ・・・。」
他の冒険者「あぁ、しかもあの爺さんのサポートもすごいし、フレッドも強い。」
他の冒険者「なにより・・・あの大鎌を持ったフードの人、めっちゃ強いぞ。」
他の冒険者「なんだよ、あの動き、戦力はS級並じゃねぇか。」
フレッド達の活躍により、フレッド達の所には少し余裕ができる。
ライフ「ふむ、魔物の数が随分減ったのぅ。」
ガイル「そりゃあ、これだけやればな。」
フレッド「おーい、メル。一旦戻ってこい。」
メル「わかったー。」
フレッド「さて、このエリアの魔物はかなり収まったな。」
するとフレッドはメルに対し一つお願いをする。
フレッド「メル。君には雅一達の所に行って支援しに行ってほしい。」
メル「私が?」
ガイル「おいおい、S級2名が今そっちに向かってるんだろ?問題ないと思うが・・・。」
フレッド「綾香とレイシンがいる所からだとかなり時間がかかる上に、
万が一雅一達になにかあった時にすぐに駆けつけることができない。」
フレッド「その点。ここは雅一達が向かった方向にはかなり近い上支援も届きやすい。」
ライフ「理由はわかったが、なぜメル氏を?」
フレッド「俺達の中で一番足が早いからだな。」
フレッド「どうだ?頼めるか?」
メルは少し悩んだが、すぐに答えが出た。
メル「わかりました。ギルドマスター。早速行ってきます!」
メルはフードを深く被り、雅一達の所へと向かった。
~そして現在~
メル「まぁ、そうゆう理由で私が来たってわけ。」
雅一「っていうか、メルさん・・・。すっごく色々疑問がありすぎるのだが!?」
ラフェスタ「その格好に、その武器、しかもあの強さ・・・一体何なの!?」
メル「うーん・・・説明すると長くなるんだけど・・・。」
メルが説明をしようとした次の瞬間、ギガントサンドワームが再び起き上がり、
雄叫びを上げる。
レイラ「ま、また!」
メル「どうやら、ゆっくり喋っている余裕はなさそうだね。」
メルは再び大鎌を構える。
メル「あの怪物は私が相手するから、みんなは早く先へ!」
雷閑「ひ、一人であの怪物と戦うってのか!?」
メル「私のことは気にせず、早く行って。バイラズ帝国に行くんじゃなかったの!?」
その一言を聞いた雅一達はそれ以上言葉を喋ることなく、一目散に出口へと走っていった。
ギガントサンドワームはメルにやられた傷が痛むのか、メルの方しか見ていない。
メル「さぁて・・・。どうしたものかなぁ・・・。」
ギガントサンドワームは怒りの雄叫びをあげてメルに襲いかかり、
ついにメルとギガントサンドワームとの全面対決が始まった。




