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初の冒険者訓練

ついに異世界に来てから初となる冒険者になるための訓練がスタートした。

雅一とラフェスタはお互いに今出来る戦い方で訓練を始める。

ラフェスタ「はぁあああ!!」

ラフェスタの拳が人形にヒットし、人形は少し飛んでいく。元の身体能力の高さを活かして、

人形を次々と相手にしている。

その光景を見て雅一は自ずと感心してしまう。

雅一「すっごいなぁ、あんなふうに動ける姿はアニメでしか見たことないや・・・。」

雅一「それに、複数体相手に的確に攻撃を当ててる・・・。」

雅一「俺も、せめて一体ぐらいは・・・。」

雅一は剣を構えて、人形の一体にめがけて思いっきり剣をふる。

雅一「やあああああ!」

剣は見事に命中する。しかし、切れるような音はせず、ものすごく軽い音が聞こえる。

雅一「あ、あれ?うっそ・・・切れないのかよ。」

人形に傷をつけることもできなかった雅一は呆然とする。

一方複数体を相手にするラフェスタは流石に少し疲れが見え始める。

ラフェスタ「はぁはぁはぁ。思ったよりきつい・・・。」

すると隣で悲鳴が聞こえる。

雅一「たーすーけーてー!!」

ラフェスタ「ん?」

雅一「ヒィィィ!」

ラフェスタが雅一の声の方を向くと複数体の人形に追われそこから全力で逃走する雅一がいた。

ラフェスタ「雅一、何やってんの?」

雅一「逃げてるんだよー!」

ラフェスタ「いや、それは見ればわかる・・・。でもそれじゃあ何も意味ないんじゃ・・・。」

雅一「逃げるのも戦略だあああああ!というか、人形なのに殺意高すぎだろぉーーー!!」

二人は夕暮れになるまで訓練を続けた。

この訓練場の人形は夕暮れになると自動的に終わるようになっていた。

ラフェスタ「ハァッハァッ!」

雅一「ゼーゼー・・・。」

ラフェスタ「こ、こんなんじゃ、ダメだ・・・。」

雅一「剣が、重くて、うまく振れなかった・・・。」

ラフェスタ「っていうか・・・雅一。一体何時間走り回ったのよ・・・。」

雅一「知るか・・・。初級だから俺でも一体は倒せると思ったが全然なんだもん・・・。」

ラフェスタ「でも・・・10体中、倒せたのはたったの2体か・・・。」

雅一「これじゃあ、冒険者なんて絶望的だな。」

ラフェスタ「私は諦めないよ。最初は駄目でも次があるし、何度も何度も繰り返していけば・・・。」

雅一「それまでにバイラズって国が大人しく待ってくれれば良いけども・・・。」

雅一は最低条件ラインを確認する。

雅一「試験適任ラインの数値見てみたけど、最低でも1万レート。俺とラフェスタの合計を合わせてようやく500かそこらって所か・・・。」

ラフェスタ「まだまだ道のりは長いわね。」

雅一&ラフェスタ「ハァーーーー・・・。」

二人は大きくため息を着く。

するとゆっくりと人が二人に近寄ってくる。

パチパチパチ(ゆっくり拍手する音)

ガタイの良いおじさん「いやぁ、君たちのような人は久しぶりにみるよ。」

ラフェスタ「あ、あなたは?」

ガイル「おっと失礼。俺は【ガイル】冒険者ギルドの教官を努めてる。」

雅一「うわぁ、すごく強そう・・・。」

ガイル「ハッハッハ、君達も鍛え上げれば俺みたいに強くなれるぞ!」

雅一「でも・・・そこまで行くのに、どれだけかかるか・・・。」

ラフェスタ「しかも、そんな装備、私達じゃ到底かえっこない。」

ガイル「確かに、良い装備を持っていれば強いかもしれんが、結局それを正しく扱えるように

ならなければただの鉄くずになってしまうだけさ。」

雅一「というか・・・ガイルさん。あんたは一体どこから俺たちの訓練を?」

ガイル「ん?訓練を開始した所からだが?」

ラフェスタ「最初から見られてた。全然気づかなかった・・・。」

雅一「でも、冒険者ですらない俺らになんで教官が・・・。」

ガイル「君たちが、バイラズに立ち向かうという事を聞いてな。私も現役を引退した身だが

なにか役に立てることがあると思ってな。」

ラフェスタ「まさか、訓練に付き合ってくれるの?」

ガイル「私はそのつもりだ。二人はどうする?」

雅一とラフェスタはちょっとだけひそひそ話をする。

ラフェスタ「ど、どうする?」

雅一「これはまたとないチャンスじゃないか?ギルド直轄の教官がわざわざ来てくれたんだ。

多分独学で学ぶとなると時間がかかりすぎるし・・・。」

ラフェスタ「た・・・確かに・・・一番早く成長できるのならそれに越したことはないよね。」

雅一「じゃあ、受けるか?」

ラフェスタ「うん、その方向で行こう。」

二人はガイルの方を向いてガイルの申し出を受けることを伝える。」

ラフェスタ「それじゃあ、ご教授お願いします!教官!」

ガイル「そうかしこまるな。俺のことはガイルさんで良い。」

ラフェスタ「わかりました。これからよろしくお願いします。ガイルさん。」

ガイル「あぁ、こちらこそよろしくな。」

こうして雅一とラフェスタは冒険者協会直轄の教官であるガイルに直々で訓練を受けることにし、

後日本格的な訓練を指導してくれる事が決定した。


~その日の夜~

二人は訓練場を後にし、その日の夜ライフの所へ立ち寄った。

ライフ「おぉ、二人共、待っていたぞ。」

雅一&ラフェスタ「お邪魔します。」

二人はライフのお店の中に入り、うえにあるライフの家に泊めてもらう事になった。

ライフ「どうじゃった?ギルドほうは。」

ラフェスタ「まぁ、ある程度想像通り、全くダメダメだったよ。」

雅一「だけど、ギルド直轄のガイルって人が訓練に協力してくれるって言ってくれたんだよな。」

ライフ「そうか。あの堅物が若いものに力を貸すとはな。」

雅一「ライフさんってガイルさんの事知ってるの?」

ライフ「今から何十年も前に一緒に冒険をした仲じゃよ。」

ラフェスタ「ライフさん元冒険者だったの?」

ライフ「正確にはただつきあわされただけだったけどな。」

ライフ「ワシとガイル。そしてこのエリアを統括するギルマスの三人で若い時は色んなところに

足を運んだものよ。」

雅一「へぇ、そんな関係があったのかぁ。」

ライフ「特にガイルは当時伝説の剣豪と呼ばれるほどの腕を持っていたが、その様子だと

まだまだ元気なようじゃな。」

ライフ「さて、ご飯出来たぞ。」

ライフが二人に夕食を御馳走してくれた。夕食はグラタンにスープを提供してくれた。

ラフェスタ「うーん、美味しい!」

雅一「このチーズ、旨味が強いな。しかも具材と一緒に食べるとより強調される・・・。」

ライフ「健康の為にワシは家でも基本自炊しているんじゃよ。食材にもこだわる。」

ラフェスタ「冒険者になったら、野営もするだろうし、料理でも学んでおこうかな。」

雅一「俺は元の世界だと少し自炊はしてるから簡単な料理なら作れるよ?」

ライフ「ほう、それはなんとも。機会があればワシにも作ってくれるか?」

雅一「異世界の食材がまだまだわからない事だらけだからね。ま、その時がくればね。」

三人は食事を済ませ、少しゆっくりする。お風呂が湧いたので雅一が先に入る事にした。


~風呂~

雅一「ふぃー・・・。いい湯だな。異世界だからてっきりシャワーだけかと思ったが、

ちゃんとした風呂もあるんだな。」

雅一は湯船に浸かりながら少し腑抜けた感じで考え事をする。

雅一「でも・・・これで良かったんだろうか。ただのオタクサラリーマンが世界を救うみたいな

感じになってるけど・・・。」

雅一「異世界転生や転移作品でこんな風な作品はなかったしなぁ、今後もっと大変になりそうだな。」

雅一「まぁ、協力するって言っちゃったしな、ほっぽりだずわけにもいかないし、やれることは

やってみるか。」

こうして一日が終了し、雅一とラフェスタは次の訓練に向けてしっかりと休息を取ることにしたのであった。

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