冒険者ギルド大会合
冒険者ギルド会長ブランからの一言で大会議室は一気にざわめき始める。
他のギルマス「ついにあのバイラズ帝国が・・・。」
他のギルマス「とうとうこの時が来たのか。」
ブラン「すでに今回のバイラズ帝国からによる総攻撃により新たに2つの国が陥落。
現在5つの国が同時に侵攻されつつある。」
サラ「今の戦況はどうなっているの?」
ブラン「現在攻防戦が行われている5つの国の戦況は、拮抗している状況だ。」
ブラン「だが、それもいつまで持ちこたえられるかわからない。」
フレッド「なるほど、その5つの国が一体どこなのかは判明しているのか?」
ブラン「現在攻められている国は石油王国のクロカス、鉄鋼の国ブライス、
火山大国、臨羌、黄金の国彩花、そして工業の国、ロスカイラ。」
アラン「4つは鉱物資源が豊富に取れる国で、最後は世界最大の工業地帯がある国か。」
レイラ「うーん、確かに真っ先に狙われるよねぇ・・・。」
ブラン「今この5つの国を防衛しているのが各国の冒険者達だ。」
するとその話に雅一が質問をする。
雅一「あ、あの少し良いでしょうか?」
ブラン「君は・・・。確か異邦人冒険者の・・・。」
雅一「佐藤雅一です。先程の話で、防衛に冒険者が対応しているって・・・。」
雅一「国の軍隊は参加していないんですか?」
ブラン「・・・。参加・・・していない。」
雅一「えっ!?自国を守る軍隊がなんで?」
するとレッドがあることを思い出す。
レッド「あぁそうか、雅一は知らないか・・・。今冒険者ギルドと国の軍隊とで
あんまり仲良くないんだよ。」
雅一「そ、そうなのか?だってブロストキングを倒した時は共闘してたでしょ。」
レッド「あそこは冒険者と国とで仲が良かったからなぁ。」
ブラン「レッド君の言う通りだ。今軍隊、というより国と冒険者ギルドの仲が
悪い国の方が多いんだ。」
ブラン「特に今回攻められている国5つはその溝が深く、どんな状況下であっても
お互いに鑑賞し合うことを禁ずる法律もあるほどだ。」
雅一「そ、そんな・・・。」
ブラン「まぁ、お互いにプライドが高すぎたり仕事の奪い合いとか色々あって
結局行き着くところまで行ってしまったという感じだ。」
雅一「そ、そんな事しててバイラズ帝国の本当に侵攻抑えられるのかよ・・・。」
ブラン「だからこそ、ここにいる各国のギルドマスターに集まってもらったのだ。」
ブラン「まず、先程の5つの国に冒険者の派遣を発令する。」
ブラン「C級から下の冒険者は受付嬢や現地にいるC級以下の冒険者達と
共に国民の避難誘導を。B級以上の高ランク冒険者は前線部隊の支援に当たらせろ!」
ブラン「そしてS級冒険者には5つの国に一人ずつ配備する。どこに行くかは
各々で決めてくれ。」
アイリス「OK。まかせておけ。」
レイシン「また仕事増えるよぉ~・・・。」
サラ「一緒に頑張りましょ。」
アラン「だが、大元を叩かない限りこの戦いは永遠と続くと思うぞ。」
綾香「そうね。バイラズ帝国には最高幹部が待ち構えている事はほぼ確実。
私達が各国に散ったら誰が大元の所まで行くの?」
ブランはその事に対し、ある者たちにバイラズ帝国に向かうようにお願いをする。
ブラン「その件については、今日参加してもらっている雅一達に
行ってもらう事にする。」
雅一「お、俺達が!?」
雷閑「バイラズ帝国の大元へ・・・。」
ペイセル「ついに・・・。」
ラフェスタ「バイラズ帝国に行ける時が・・・。」
ただ他のギルドマスターからは反対の声があがる。
他のギルドマスター「会長、一体何を考えている!彼らはまだ冒険者としては
ひよっこ同然の者達だ。」
他のギルドマスター「そうだ、それに彼らの中には一人もS級がいないではないか。」
反対する声を聞いたブランは雅一達に任せる理由を話し始める。
ブラン「彼らの実績を組んでの選択だ。彼らは冒険者になりたての頃に
A級最上位種のグランドコングの討伐に成功しただけでなく、
その後の厄災ブロストキングとの戦いでS級以外で初めて災害クラスの魔物を討伐した。」
ブラン「さらに同じくA級のドボルタイラントにダボンドの討伐。」
ブラン「この短期間でここまでの実績を残せる冒険者はそうはいない。」
ブラン「何より、彼らはバイラズ帝国に戦おうとする意思が人一倍強い。」
雅一達の活躍を発表されて雅一達は少し照れる。
ラフェスタ「そ、そんな事は・・・ただ私はバイラズ帝国に奪われた物を
取り戻したいと思っただけで。」
照れている雅一達にメルが声をかける。
メル「でもあなた達の行動は他の人が簡単にできるものではないよ。」
フレッド「あぁ、S級冒険者以外の冒険者が災害を倒せた功績は大きいし、なにより
君達は最初からバイラズ帝国に戦う挑む姿勢をずっと崩さなかった。」
ブラン「その通り、君達の行動はフレッドからの報告でよく聞いているよ。」
ブランは改めて雅一達に真面目にお願いをする。
ブラン「雅一、ラフェスタ、レッド、レイラ、雷閑、ペイセル。」
ブラン「バイラズ帝国に行ってきてこの戦いを終わらせてもらえるか?」
雅一達は少しの沈黙の後に返答する。みんなの答えはすでに決まっていた。
ラフェスタ「会長さん、私達はもとよりバイラズ帝国に向かう予定でした。」
ラフェスタ「だから、行きます。バイラズ帝国に!」
レッド「もちろん、俺達みんなで行ってきますよ!」
ブラン「お前達・・・。」
ブラン「冒険者ギルドの会長として、君達に最大限の敬意を評したい。」
雅一達が改めてバイラズ帝国に向かう意思を確認した次の瞬間、
慌ただしく一人の社員が会合の場に入り込む。
ギルド社員「た、大変です!会長!」
ブラン「どうした騒々しい。今は会合中だぞ!」
ギルド社員「も、申し訳ありません!緊急でご報告したいことが!」
ギルド社員「か、各国の軍隊が・・・連合軍を結成し、バイラズ帝国へ
向かったとのことです!」
この報告を受けその会合に参加していた者達全員が驚愕してしまう。
他のギルドマスター「な、なんだと!?」
メル「ギルマス・・・これは・・・。」
フレッド「まずいことになった・・・。なんて勝手なことを・・・。」
レイラ「いくらなんでも急すぎる!」
雷閑「完全に我々が手を出す前に手を打った形になった・・・。」
ブランは急いで連合軍の撤退の指示をする。
ブラン「今すぐ連合軍を撤退させろ!今すぐにだ!」
ギルド社員「し、しかし・・・この連合軍出撃の決定は各国が
正式に決定したもので・・・。」
会合会場は不測の事態に慌ただしくなる。
アラン「おい、その連合軍はどれくらいの兵力で出撃したんだ!」
ギルド社員「え、えっと、歩兵200万、装甲部隊65万、戦車部隊49万、航空部隊33万です。」
ギルド社員「全世界30の国の軍隊が参加しているとの事です。」
雅一「も、ものすごい数の兵力投下してるじゃん・・・。」
綾香「それで、いま連合軍はどこまで行ったの!?」
ギルド社員「い、今はどうかはわかりませんが・・・報告を受けた5時間前には、
バイラズ帝国入口の山脈から50km地点との事でした・・・。」
ブランはすぐに次の指示を出し始める。
ブラン「会合はここで中止とする!各位、至急行動を開始してくれ!」
その指示をした途端、他のギルドマスターは急いで本部を離れる。
アラン「じゃあ、俺達も行くか。」
雅一「皆さん、気を付けて!」
アラン「お前達もな。」
S級冒険者も各自持ち場へと向かっていった。
雅一「じゃあ、俺達も・・・。」
雅一達が部屋を後にしようとしたその時ブランから一冊の本を渡される。
ブラン「そうだ、君達にはこれを。」
ラフェスタ「これは?」
ブラン「本当は会合で話したかった内容だったんだが、道中で読んでくれ。」
ブラン「何かの役にたてればいいが・・・。」
レッド「かなり古い本だな。」
ラフェスタ「ありがとうございます。後でしっかりと読ませていただきます。」
そしてブランは改めて雅一達に伝える。
ブラン「お前達、頼んだぞ!」
雅一達「はい!」
こうして雅一達は全員が揃いバイラズ帝国に向けて再出発したのであった。




