ペイセルついに救出!?
雅一とラフェスタは暗く長い階段をゆっくりと降りていく。
雅一「なんか、不気味だな。」
ラフェスタ「それは同意・・・。」
二人は慎重に先に進んでいく。すると鉄製の扉がある所までたどり着く。
雅一「この先か?」
ラフェスタ「うん、光はこの先を指してる。」
鉄製の扉には鍵がかかっていなく、難なく開けることができた。
雅一「鍵がかかってない・・・。」
ラフェスタ「気を付けて。」
雅一は慎重に扉を開けると、そこには多くの牢屋がある空間につながっていた。
・デハート城 B1 地下牢
雅一「これは・・・。」
ラフェスタ「地下牢だね。ここにペイセルが?」
二人は地下牢の中を歩いていき、そのまま光の指す方向へと進んでいく。
雅一「なぁ、この牢屋にいる人達、
もしかしてペイセルと同じように連れてこられた人かな?」
ラフェスタ「おそらくね。」
雅一「俺達の方を見ても静かなままだな。」
ラフェスタ「そっちのほうが私達としても助かるよ。」
二人はその後も引き続き光の指す方向へと向かう。すると一つの牢屋にたどり着く。
雅一「この牢屋みたいだな。」
すると雅一の声に反応したのか牢屋にいる人が反応を示す。
ペイセル「ん?その声・・・もしかして雅一?」
ラフェスタ「ペイセル?ペイセルなの?」
ペイセル「雅一・・・ラフェスタ!来てくれたんだ!」
ついにペイセルは雅一とラフェスタと再開を果たす。
雅一「良かった!なんともない・・か・・ペイセル?。」
ペイセル「だ、大丈夫だよ。私はなんともないから。」
ラフェスタと雅一はペイセルの牢屋の中に何故か豪華な食事が
用意されている事に驚いてしまう。
ラフェスタ「ペイセル・・・何?その豪華な食事・・・。」
ペイセル「あっ!いや、違うよ!私敵の言いなりになんかなってないから!」
雅一「なんか・・・思ってたよりも元気そう。」
ラフェスタ「てっきり過酷な環境の中にいて命の危機に陥っているって思ってたけど。」
すると雅一は道中で見かけた人達のことを思い出す。
雅一「そういえば、ここに来るまで、誰一人ひどくやせ細った人を
見なかったな・・・。」
ラフェスタ「言われてみれば確かに・・・。」
ペイセル「ちょ、ちょっと!そんな事言ってないで早く助けて!」
雅一&ラフェスタ「(いや、その豪華な食事を食べながら言われても・・・。)」
雅一とラフェスタは牢屋の鍵を見つけてペイセルの救出に一応は成功する。
ペイセル「ありがとう雅一、ペイセル!」
雅一「ま、まぁ・・・なんともないならそれはそれで良いか・・・。」
ペイセル「あ、そうだ。これまだ手つけてないから食べる?」
ペイセルは自分に出された料理を二人に差し出す。
雅一「いや、呑気すぎるだろ!?」
雅一「俺達は一刻も早くここから出ないと行けないんだぞ?さっさと・・・。」
ラフェスタ「そうだよ。ペイセル。こんな美味しいもの食べてる暇ないって。」
ラフェスタは我慢できずに料理を頬張っていた。
雅一「ラフェスタ・・・お前まで・・・。」
ラフェスタ「むぐっ!少しだけ、少しだけだから!」
ペイセル「ね?ものすごく美味しいでしょ?」
雅一「ここ・・・敵の領地なんだが?」
そんなやり取りをしていると他の牢屋からも声が聞こえてくる。
牢屋にいる男性「おい、そこの冒険者さん達。一体何しにここまで来たんだ?」
ラフェスタ「連れ去られた仲間を取り返すためだよ。」
雅一「食いながら言うな、食いながら・・・。」
牢屋にいる男性「そうか、ついにこの牢屋から出れるんだな。」
雅一「もしかして、あんたもここに連れてこられた人か?」
牢屋にいる男性「あぁ、というか、この牢屋にいるものはみんなそうだ。」
牢屋にいる男性「俺達はある研究のために集められたんだ。」
ラフェスタ「ある研究?」
ペイセル「私も詳しくは知らないけど、一つは薬の実験、
もう一つは魔力を溜め込んだ容器の生産をしてたよ。」
雅一「薬はなんとなくわかるとして、魔力を溜め込んだ容器の生産?
なんだそりゃ?」
牢屋にいる男性「彼女が食べている食事は俺達にも振る舞われる、労働の対価も
ちゃんと支払われてる。奴隷として働かせられている事はないんだ。」
ラフェスタ「そ、そんな事あるの?拉致しておいて?」
牢屋にいる男性「俺も最初は目を疑ったさ・・・。でも俺達はある意味では
半強制的に働かせられている。」
雅一「半強制的?」
牢屋にいる男性「ここでの労働を拒否すれば、俺達はどっちかの選択肢を
強いられる。薬の実験体になるか、ワーム型モンスターに改心するまでずっと
入れられるか・・・。」
雅一「きょ、拒否した時の代償えぐいな・・・。」
牢屋にいる男性「もちろん、ここから逃げ出すこともできない。」
牢屋にいる男性「だが俺は家に帰りたいんだ。妻と子供に会いたい!」
そんな男性の叫びをかわきりに他の牢屋からも本音が聞こえ始める。
女性「家に帰りたい・・・。」
おじいさん「故郷に帰らせてくれ・・・。」
雅一「こ・・・これは・・・。」
牢屋にいる男性「どんなに豪華な食事が出されても、大金が手に入っても、
ここにいる限り、外に出れない。自由になれないんだ。」
牢屋にいる男性「頼む、どうか俺達もここから出してくれないか?」
雅一「ど、どうする?風花とフロッグに迎えに来てもらうか?」
ラフェスタ「でもここにいる人達だけでも数百人はいそうだよ。護衛できるかな・・・。」
牢屋にいる男性「頼む、この通りだ・・・。」
男性は雅一達に対し土下座をして頼み込む。
雅一とラフェスタは少し困ってしまうが流石に放って置くわけにもいかず、
牢屋の鍵を次々を解除していった。
牢屋にいた男性「おぉ、ありがたい・・・。」
ラフェスタ「とりあえず、一回風花とフロッグに連絡入れて増援を頼もう。」
その名を聞いた男性はS級冒険者の風花とフロッグが来ているかを尋ねる。
牢屋にいた男性「え?風花とフロッグって・・・S級冒険者の?ここに来てるのか?」
雅一「き、来てるけど・・・。」
牢屋にいた男性「はぁ・・・それならなお安心だ。」
ラフェスタはこの事を風花とフロッグに伝達する。
風花「なるほど、ペイセル以外にも囚われてた人がいたのか。」
フロッグ「だが、奴隷的な扱われ方をしてないのは少し気になるが・・・。」
風花「それは後で良いでしょ。事情はわかった。今からそっちに向かうから
正門前で待ってて。」
ラフェスタ「了解!」
そう伝えると通信が切れる。
ラフェスタ「えー、皆さん、これから正門に向かいます。足元暗いので、
必ず私達についてきてください!」
そう言うと次々とラフェスタの後を囚われていた人達がついていく。
雅一「よし、ペイセル。俺達も行くぞ。」
ペイセル「うん!」
雅一「おまっ・・・いつまで食ってんだよ・・・。」
ペイセル「も、もう終わるからっ!」
雅一「全く・・・。あ、あとこれ今のうちに渡しておくよ。」
雅一がペイセルに渡したのはペイセルが持っていた杖だった。
ペイセル「私の杖!」
雅一「これないと不便だろ?」
ペイセル「ありがとう。」
雅一「ほら、食い終わったんならさっさとここを出るぞ。」
ペイセル「うん!わかってる。」
雅一「あ、後、帰ったらここでの出来事全部説明してもらうぞ。」
ペイセル「わ・・・わかってるって・・・。」
牢獄にいた人々の誘導の他、ペイセルの案内で地下でまだ働いていた者達も一緒になり、
共にデハート城からの脱出を試みるため、正門へと次々と向かっていった。




