冒険者ギルドへようこそ!
ついに到着した冒険者ギルド。しかし、二人はライフさんと分かれてからというもの一向に一歩を
踏み出せずに居た。
雅一「ちょっと緊張するな・・・。」
ラフェスタ「う、うん、でも行かないことには何も始まらないし。」
雅一「一歩が踏み出せない・・・。ラフェスタ、先に行ってよ・・・。」
ラフェスタ「い、いやぁ、私はまだ心の準備が・・・雅一が・・・。」
二人はライフがいなくなったことで急に緊張感がました。その結果。ギルド前で立ちすくみ、
お互いにどうぞどうぞ状態になっていた。
そんな状態が数分間続いていたのをある通行人が目撃して二人に話しかけてきた。
女性「あの・・・。」
雅一&ラフェスタ「ファイ⁉」
雅一「(や、やっべぇ、緊張のあまり周りが見えてなかったー!なんか変な声も出ちゃったし!)」
ラフェスタ「(うぅ、変な声出た・・・。絶対に変だと思われた!)」
女性「だ、大丈夫?ギルドの前でウロウロしてたのが気になったんだけど・・・。」
雅一「あ、いえ、大丈夫です。ただギルド入るのに緊張してただけです・・・。」
女性「ん?あなた達、もしかして冒険者になりに来たの?」
ラフェスタ「え?どうしてそれを?」
女性「冒険者ギルドに来る人はクエストを終えた冒険者か新人冒険者になりに来た人ぐらいだもの。
あなた達の身なりをみる限り、熟練冒険者じゃなさそうだし、もしかしたらってね。」
雅一「な、なんという洞察力・・・。」
メル「あ、紹介がまだだったね。私は【メル】この冒険者ギルドの受付嬢をしているわ。」
雅一&ラフェスタ「う、受付嬢ー!?」
ガチャ(ドアを開ける音)
メル「さぁ、入って。」
雅一&ラフェスタ「お、お邪魔しまーす。」
雅一とラフェスタはついに冒険者ギルドの中へ案内される。
雅一「わぁ、みんなすごい装備してるなぁ・・・。」
メル「冒険者は危険な魔物と戦うこともあるからね、高難易度のクエストを受けてる人は基本
装備は充実しているわ」
剣士「ん?あれ、猫族じゃね?」
タンク「本当だ、珍しいな。」
アーチャー「その隣りにいる人は誰?」
珍しい顔ぶれにギルド内がざわめく。
雅一「なんか、すごい注目されてる・・・。」
メル「猫族が珍しいんでしょ。今まで猫族が冒険者になった歴史はないからね。」
話してるうちにギルドのカウンターに到着する。
メル「さて、改めて君たちは冒険者になりたい。それで間違いはないわね。」
雅一「あ、はい。商人のライフさんに進められて、道案内もしてくれたから。」
メル「じゃあ、まずは冒険者になるための基本的なテストを行うから二人ともついてきて。」
そう言われて俺とラフェスタはとある部屋に案内された。
メル「じゃあ、君たちの基本的なスキルを確認するからそこから動かないように。」
雅一「スキルってもしかして戦闘スキルの事?」
メル「確かに戦闘スキルも大事だけどサバイバルスキル等もテストするよ。テストに合格できれば
新人冒険者として名乗る事ができるわ。」
ラフェスタ「うぅ、自信ないなぁ・・・。」
メル「では適任テストを始めます。」
そういうとメルは魔力を魔法陣に込めを唱え始めた。
メル「フレイド・サークル。」
すると雅一とラフェスタの足元ある魔法陣が光だし、その後周囲がキラキラと光りだした。
魔法を出してから数分間光に包まれ、次第に魔法陣はゆっくりと姿を消した。
メル「ふむ・・・。」
ラフェスタ「あ、あの、今の魔法陣は・・・。」
メル「【フレイド・サークル】対象のスキルや能力等を調べたい時使える魔法よ。
でも基本的に現場では役に立つ時なんてないからこのような場でしか使わないわ。」
雅一「で、その魔法で俺たちの能力がわかったのか?」
メル「はい、結果は・・・。不合格です。」
ラフェスタ「うぅ、やっぱり予想してたとおりだ・・・。」
メル「あなた達はサバイバルスキルも戦闘スキルも魔法スキルも、全てにおいて最低ラインにも
届いてないわね。」
雅一「やはり、冒険者はハードルが高すぎるのか・・・。」
メル「このままだと冒険者にはなれないけど、どうする?」
ラフェスタ「なにか他に方法ってないんですか?」
メル「そうね、訓練生としてしばらく特訓するという手もないわけじゃないわ。」
雅一「訓練ができるの?」
メル「えぇ、中にはどうしても冒険者になりたくて訓練生から始めた人もいるからね。
なんなら、少し案内でもしましょうか?」
ラフェスタ「お、お願いします!」
メルは二人を冒険者ギルド近くにあるとある空き地に案内した。
雅一「ここは空き地?」
メル「ここはただの空き地ではありません。ここはギルド直轄の訓練場。冒険者になりたいので
あればここで基本的なスキルを身につけると良いわ。」
ラフェスタ「でも、どうやって身につければ?」
メル「この訓練場には、基本的な戦闘訓練に最適化された人形があります。それを規定数値以上
クリアすると試験を受けることが出来て、その試験を突破すれば、新人冒険者になれます。」
雅一「人形を倒しまくれば冒険者になれると?」
メル「薬学とかは図書館で勉強する必要があるけど、戦闘スキルを学びたいならここは絶好の場所よ。」
メル「昔はよく使う人いたんだけど、ここ最近は全然使われてないから好きに使ってかまわないわ。」
ラフェスタ「ありがとうございます。頑張って冒険者になってみせます。」
メル「頑張ってね二人共。」
メルはそう告げると冒険者ギルトへと戻った。
雅一「さてと・・・どうするか?」
ラフェスタ「決まってるでしょ。早速初めて行きましょ。」
雅一「まぁ仕方ないか。手伝うとも言ってしまったわけだし。」
雅一たちは訓練場へ入っていった。入った瞬間なにやらパネルのようなものが浮かび上がってきた。
雅一「何だ?このパネル。」
ラフェスタ「えっと?どうやらこれで、敵の数、難易度、タイムなんかを設定して、戦う見たいね。」
ラフェスタが軽く数値をいじると、訓練場に一体人形が現れた。
雅一「すげぇ・・・ハイテクだな。」
ラフェスタ「ハイテク?」
雅一「めっちゃすごい技術って事。こんな事できるのか・・・。」
雅一達は訓練場のシステムを一通り調べて使い方等をしっかりと確認し、ついに二人は訓練を開始する。
ラフェスタ「雅一、準備はいい?」
雅一「いつでも良いよー。」
ラフェスタ「よし。」
ラフェスタはパネル設定で「難易度初級 敵の数10体 クリア目的:全人形の討伐」という設定に
して、ラフェスタも持ち場に立つ。
設定をすると次々と人形が目の前に現れる。
雅一「に、人形でも、かなり緊張するな・・・。」
ラフェスタ「始まるよ!」
簡単なファーレがなると人形達が雅一とラフェスタに一斉に襲いかかってくる!
ラフェスタ「行くよ!」
雅一「ええい、どうにでもなれ!!」
雅一は剣を持ち、ラフェスタは得意に格闘術を活かしいよいよ初の訓練がスタートする。