囚われの魔法使いペイセル
豪儼は牢の鍵を開けて中に侵入する。
豪儼「さてと・・・。」
豪儼は片手でペイセルを握る。
ペイセル「うっ・・・!」
豪儼「あの程度の実力で、俺達に立ち向かうだと?」
ペイセル「うああっ!」
豪儼「調子に乗りすぎなんだよ!
たかがA級と災害をまぐれで倒したぐらいで、粋がるなよ!ガキが!」
ペイセル「あああっ!」
豪儼「お前達ごときに何ができる?その程度の力で誰を守れるというんだ?」
豪儼は少しずつ手の力強めていきペイセルをじっくりと苦しめる。
豪儼「お前らのような奴らなんてなゴマンと見てきたんだ。」
豪儼「正直飽き飽きなんだよ。ろくに力もないガキどもの戯言なんてな!」
ペイセル「うっ・・・。ガッハ・・・。」
締め付ける豪儼に兵士が静止をかける。
兵士A「豪儼様!そ、それ以上は!」
兵士B「このままでは娘が死にます!例の計画に利用するんじゃないんですか?」
するとペイセルが苦しそうに言葉を発する。
ペイセル「わ・・・私は・・・私達は・・・。」
ペイセル「お前達を・・・絶対に・・・倒すっ・・・。戯言なんかじゃ・・・」
豪儼「ほう、まだ強がるか。」
豪儼「だが、結局お前達は何も守れない。誰も救えない。」
豪儼「アクアペルムの一見だってそうだ。あれだけの期間があって、
結局誰一人救えなかったじゃないか。」
ペイセル「そ・・・それはっ・・・。」
豪儼「そんな夢物語をいつまでも語ってないで、さっさと現実をみたらどうだ?」
豪儼「そうした方が楽だぞ。小娘。」
豪儼は手を話しペイセルを地面に落とす。
ペイセル「ゴホッゴホッ・・・はぁっ、はぁっ・・・。」
豪儼「わからねぇようだから良いことを一つ教えてやるよ。」
豪儼「数年前、この世界に大量の異邦人がやってきた。」
豪儼「そいつらは俺達を倒すためにわざわざ召喚されたようだったが・・・。」
豪儼「全員この手で捻り潰したさ。」
その事を聞いてペイセルはある事件の事を思い出す。
ペイセル「ま・・・まさか・・・5年前の・・・大量虐殺事件の事!?」
豪儼「そうさ、異邦人共はチートとかよくわからない能力を持っていた
みたいだが、正直そんなすごくなかった。」
豪儼「本人達は自分達の圧倒的な能力に自信を持っていたようだったが・・・。」
豪儼「結局そいつらの能力は俺達には無力で終わり慌てふためいてたよ。」
豪儼「フッ、今でも笑っちまうよ。自分の力でもない借り物の力で
思いっきりイキり散らかした挙げ句現実を突きつけられた時の絶望の表情・・・。」
ペイセル「しゅ、趣味が・・・悪いっ!」
豪儼「これが笑わずにいられるかよ。あんな滑稽な姿見せられたらな。ククク。」
すると兵士が豪儼にそろそろ時間になることを伝える。
兵士A「豪儼様、そろそろお時間です。」
豪儼「あ?もうそんな時間か。仕方ない。」
豪儼は檻の外に出て鍵を締める。ペイセルはさっきの話がどうつながるのかを
問いただした。
ペイセル「豪儼、さっきの話と私達にどんな関係があるっていうの!」
豪儼「なんだ、まだわからないのか?」
豪儼「お前達もアイツラ同様、残酷な現実を知ることになるって話だ。」
豪儼「お前達のその決意はいとも簡単に崩れさるだろうよ。」
そして豪儼は最後に兵士達にあることを伝える。
豪儼「おい、あの小娘の心を折り、協力させるようにしつけろ。」
兵士A,B「わ、わかりました。」
豪儼はその場を離れる。
ペイセル「(みんなっ・・・。)」
ペイセル「(助けてっ!)」
ペイセル仲間の事を思い助けてほしいと思いながらゆっくりと気を失ってしまう。
~雅一達サイド~
一方S級冒険者拠点は、津波の被害を受けてしまい利用ができないため、
近くの街「ウルボルス」へとやってきて、一行はウルボルスにある
ギルド管轄の施設を当面借りることとなった。
綾香は近くの病院に搬送され、付き添いにアイリスついていき、
レイシンとサラ、アランとC級のクワッドとアリスは津波の被害の実態調査へと向かった。
雅一達はペイセル救出のために作戦会議を開いていた。
雅一「でも一体どうやってペイセルを救出すれば・・・。」
ラフェスタ「相手があの豪儼だとすると、状況はかなり悪いよね。」
レッド「今レイラがレイシンに教えてもらった歴史図書館で地図とメモの解読に
尽力してて、雷閑が装備品集め・・・。」
雅一「うーん・・・このデハート城になにかあるとは思うんだが・・・。」
するとそこに風花とフロッグがやってくる。
フロッグ「まだ悩んでいるのか?」
ラフェスタ「フロッグさんに風花さん・・・。」
雅一「あの、ペイセルの目撃証言とか、なにかありましたか?」
風花「ペイセルの件はすでに各ギルドにも捜索願を出しているけどまだ情報はないね。」
レッド「そうか・・・。」
風花とフロッグが3人の見ている地図を覗き込む。
フロッグ「その地図のマークが気になるのよね。」
レッド「デハート城に赤丸・・・。これが何なのかさっぱりで・・・。」
フロッグ「デハート城か、その土地は現在「虚言の沼地」になっていて、
あまり調査ができていない地ではあるが・・・。」
雅一がペイセルがデハート城に囚われている想定で話をしてみる。
雅一「もしさ、仮にこの廃城にペイセルが囚われていたとしたら助けにいけるかな?」
風花「もし助けにいけるとしても少人数でしか行けないだろうね。」
風花「あの土地は城以外がすべて沼地だから足場が驚くほどひどいんだよ。」
フロッグ「一度に行けるのは多くても二人・・・三人が限度だろうな。」
ラフェスタ「そ、そんなにひどいの?」
風花「えぇ、基本地面は歩かないで木々を伝って行くんだけど、大人数だと木の枝が
折れるからね。」
レッド「しかもここからだと馬でかけても片道3日はかかる距離だな。」
レッド「道路も線路もない広大な沼地だから途中からは馬も降りないと。」
レッド「さらに言うと、この廃城の周辺は木々が一本も生えてない。
これがどれくらいの距離があるかでも状況は大きく変わる。」
雅一「か、考えただけでも難易度高そうな場所だなぁ・・・。」
そんな話をしている中、急いでレイラが雅一達の所へと戻って来る。
レイラ「た、ただいま!」
レッド「お、おかえり、どうした?そんな息切らして。」
レイラ「赤い丸の意味とメモの解読ができたのっ!」
雅一「まじか!」
ラフェスタ「それでどんな意味が書いてあったの?」
風花「それよりも、ほら一回水でも飲んで落ち着いて。」
風花がレイラに水を渡し、レイラは少し落ち着いた。
レイラ「あ、ありがとうございます。」
ラフェスタ「レイラ。解読ができたって・・・。」
レイラ「えぇ、雷閑は今いないのね。仕方ない。今ここにいるみんなに
先に伝えておくよ。」
レイラ「この地図の意味と謎のメモの事を。」




