巨大津波と命がけの警報
レッド「くっそ。」
レイラ「とにかく、急いで高台に行こう。ここにいたら絶対に助からない。」
レッド「だが、雅一達がまだ戻ってきてないぞ。」
雷閑「あの3人は高台の避難所に向かったんだ。大丈夫だと思う。」
レイラ「そうよ。とにかく、今は急いでここから退避するよ。」
3人は急いで近くの高台に向かい避難を開始する。
~S級冒険者サイド~
一方S級冒険者の3人は別の高台に移動し、合流する。
レイシン「とにかく私達も急いで高台にいかないと。」
綾香「そうだね。どう?アイリス。津波の高さは。」
アイリス「うーん、性格にはわからないが、50mぐらいはありそうだな。」
レイシン「ご,50m!?」
綾香「その規模だとアクアペルムだけじゃない。周辺の街もすべて飲み込まれる・・・。」
アイリス「ここに到達するのは残り10分ぐらい。ただこのアクアペルムには人が
いないから周辺の街に情報を伝える人がいない。」
綾香「それで、その情報を伝える場所はどこにあるの?」
アイリスが指を指すとアクアペルムの中でひときわ大きいビルを指差す。
アイリス「あのビルだ。あのビルからこの周辺の街に警報を出すんだが・・・。」
レイシン「確かにサイレンも何も鳴ってない。」
アイリス「周辺の街はおそらくいまの実情を知らない可能性が高い。もちろん、
隠れ家にいる他のやつもそうだ。」
するとデバントサーペントは海の中へと潜っていき姿を消した。
レイシン「デバントサーペントが!」
綾香「仕方ない。命がけになるけど、私あのビルまで行ってくる。」
アイリス「おいおい正気か?たどり着けたとしてもここまで戻ってこれない可能性の方が
高いぞ!」
綾香「でもこのまま何もしなかったら、数え切れないほどの人々が死ぬことになる!」
綾香「レイシン!私にありったけの加速魔法を!」
レイシン「しょうがない。はい!」
レイシンは綾香にありったけの加速魔法をかける。
綾香「よし、じゃあ、行ってくる!」
綾香は勢いよく目的のビルへと向かっていく。
アイリス「綾香・・・死ぬなよ・・・。」
~綾香サイド~
綾香は勢いよく街中を駆け抜けて行き目的のビルへと向かっていく。
綾香「急がないと!」
~雅一サイド~
一方ペイセルを奪還しようとしていた雅一とラフェスタは無念にも豪儼に
倒されていた。
雅一「うっ・・・。」
豪儼「まじでこの程度で災害相手に勝てたとかただの偶然だろ・・・。」
豪儼は海の方を眺める。すると津波が迫ってきているのを確認する。
豪儼「ほう、これはこれはまた随分と派手にかますな。」
豪儼「じゃ、俺はここで失礼させてもらうぞ。」
ラフェスタ「ま・・・待てっ!ペイセルを・・・返せ・・・。」
豪儼「ふん、じゃあな。」
豪儼は突如して現れた空間の穴に入っていき二人からついに姿を消した。
豪儼が通った後、すぐに穴はふさがり、穴の存在は消えてしまった。
ラフェスタ「く・・・くっそ・・・。」
二人はその場で力尽きてしまい、気を失ってしまう。
~一方綾香サイド~
綾香はついに目的のビルに到着する。
綾香「ついた。」
綾香「早くしないと!」
綾香は急いでビルの中へと入り、目的の階層に移動しようとする。
綾香「えっと・・・防災局の階層は・・・。」
綾香「げっ・・・28階・・・。」
綾香「魔式昇降機は・・・動いてないか・・・。」
綾香「仕方ない!階段で行くしかないか!」
綾香は急いで階段を駆け上り28階を目指す。
するとそこにアイリスから連絡が入る。
綾香「どうしたの?」
アイリス「綾香、もう津波がそこまで迫ってるぞ!」
綾香「後どれくらいで到着するの?」
アイリス「最速で残り5分!」
綾香「くっそ、このままじゃ間に合わない!」
綾香「仕方ない!ちょっと無理やり突破する!」
アイリス「おい、ちょっと!」
綾香は通話を切る。
綾香「ごめんね。ちょっと、階段ぶち破る!」
綾香「ジェット・ジャンプ!」
綾香はものすご勢いで階段ぶち破りながら一気に28階へと向かった。
そのお陰で数十分かかるところをわずか数十秒で現場に到達する。
綾香「ついた!」
綾香はついに28階防災局の室内に入る。しかし、無理やり鋼鉄の階段を破壊したことで、
綾香自身もかなりの深手を負ってしまう。
綾香「くっそ・・・。早く、警報を出さないと!」
綾香は痛みを堪え、血を流しながらも警報装置の前に立ち、警報ボタンを押す。
するとアクアペルムや周辺の街に一斉に警報音が鳴り響く。
綾香「皆さん!大津波が来ています!今すぐ高台へ避難してください!」
その警報を聴いた周辺の街の住民達は急いで高台に避難を開始し始める。
もちろんこの警報はS級冒険者の拠点にも伝わった。
~S級冒険者の拠点~
フロッグ「ん?この警報は・・・。」
アラン「津波警報だな。ただなんで声が綾香なんだ?」
サラ「とにかく、今は急いで避難するよ。近くの冒険者やギルドにも通達を!」
拠点にいるほかのS級冒険者も続々と避難を開始し始める。
~綾香サイド~
綾香「よし、これでなんとか・・・。」
綾香は窓際に映る海を見てみる。するともう目の前まで津波が押し寄せていた。
綾香「これは・・・戻れそうにないな・・・。」
綾香は力尽き、気を失って倒れてしまい、ついにアクアペルムに大津波が到達する。
~周辺の街~
同時刻、大津波は周辺の街にも到達し、次々に街を飲み込んでいく。
警察「急げ!早く逃げろ!」
警察「もう津波が来てる!早く高台へ!」
住民「早く!早く登れ!荷物は捨てろ!」
先に高台に登った住民や警察も必死に声をかける。
その後、各地で大津波は凄まじい威力で木々や建物、乗り物に船、ありとあらゆるものを破壊し、
押し流していく。その光景はアクアペルムでも同様に広がっていた。
津波がすべてを飲み込み破壊し流されていく光景を見たレッド達は言葉を失い、
ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。
別の高台から見ていたレイシンとアイリスもその光景を見て
ただ立ち尽くすしかなかった。
その後津波は更に奥地まで勢いよく侵入し続け、S級冒険者の拠点も飲み込み押し流していく。
その後、しばらく津波は大量の残骸を抱えたまま海へと潮が一気に引いていき、
津波の脅威は去っていった。
~雅一サイド~
その時ちょうどよく雅一とラフェスタが目を覚まし、起き上がる。
雅一「いっつ・・・。」
ラフェスタ「ペイセル・・・。早く連れ戻さないと。」
二人が立ち上がるとやけに潮の匂いがすることに気がつく。
雅一「なんだ?この潮の匂い?」
二人は振り返り、街の方を見る。
ラフェスタ「なっ、こ、これはっ!?」
二人が見た光景はすべてが流されて瓦礫の山とかしたアクアペルムの街だった。
雅一「い、一体何が・・・起きたんだ・・・。」
すると協会から二人の人物が現れる。
クワッド「一体、なんの音だったの?」
声のする方をみた雅一とラフェスタはペイセルと一緒に行った冒険者二人と再開する。
雅一「お、お前達。」
アリス「あ、あれ?ペイセルは?なんでお兄さん達ここに?」
ラフェスタ「話せば・・・長くなる・・・。」
雅一「とにかく、全員をここに集めて情報を共有しないと!」
雅一はバラバラとなった仲間達を避難所の協会前へと集まるように伝えた。
ただ、S級冒険者の二人は先に綾香を回収するため遅れてくる事となった。




