地図とメモの謎
3人は地図とメモをじっくりと見る。
アリス「これは・・・一体なんなんだろう?」
クワッド「この地図、かなり古い地図だな・・・。少なくとも数百年も前の地図だ。」
ペイセル「それにこのメモ・・・。なにか書き残そうとしたみたいなのはわかるけど、」
アリス「肝心の字は全く読めそうにないね。」
クワッド「途中で波線になっているもの気になるな・・・。」
ペイセル「二人共、ちょっと地図を解読してみる。」
アリス「え?そんな事できるの?」
ペイセル「まぁ見てて。」
ペイセルは地図に魔法をかける。するとオレンジ色の小さな光が現れ始める。
数秒後光は消え、魔法が解除される。
ペイセル「わかった。この地図は旧メラル王国の地図だよ。
クワッド「メラル王国?」
アリス「そんな国名聞いたことないよ。」
ペイセル「私も詳しく知らないんだけど、この地図は今から数百年前に存在したメラル王国の
地図。そしてこの赤い丸の所は・・・。」
クワッド「地図で見ると街の中心部分みたいだけど?」
ペイセル「そう、そしてこの赤丸の部分にある城は・・・廃城デハード城。」
アリス「デハード城!?」
クワッド「それなら俺も知ってるぞ。たしかデハード城の周りはものすごい沼地に
なっててたどり着くことがものすごく困難な場所だって、お父さんが・・・。」
アリス「え?じゃあ、あの沼地って元王国なの?」
ペイセル「正直あの沼地はどこまでが旧王国なのかはわからない。」
ペイセル「それよりも気になるのが・・・この赤丸・・・。」
クワッド「なんでデハード城の所に赤丸がついているんだろう・・・。」
するとアリスが思いつく。
アリス「もしかして、デハード城になにかあるのかな?」
クワッド「なにかって何が?あそこは廃城でもうだれもいないんだぞ?」
アリス「な、なにかって言われても・・・例えば、人が消えた事と関係してるとか?」
クワッド「どうなんだろう。ここからデハード城まではかなり距離があるぞ。
人が消えたこととは関係ない気がするけど・・・。」
ペイセル「とにかく、この事はギルドに報告しよう。S級のみんなにも伝えないと。」
ペイセルが報告しようとした次の瞬間。誰かが協会の正面扉をノックする音が聞こえる。
クワッド「ひっ!」
アリス「な、何!?」
ペイセル「ドアをノックする音ね。もしかして雅一達かな?」
クワッド「なんだ、びっくりしたぁ・・・。」
アリス「じゃあ、私達がドアを開けてくるよ。」
二人は教会の正門へと向かいペイセルは報告の続きをしようとするが・・・。
ペイセル「(いや、待って・・・確か雅一達は魔物の大群と戦っててS級の3人は今
あの怪物達と戦っていて誰もここには来ないはず・・・。)」
ペイセル「(嫌な予感がする!)」
ペイセルは二人にドアを開けることを止めようと後を追いかけたがすでにドアは開かれていた。
クワッド「えっと・・・誰ですか?」
ドアの前に立っていたのは大柄で体格の良い男性。おでこには2本の角が生えており、
口からは鋭く大きい牙が見えている。
大柄な男性「なんだ、たった3人か・・・。」
少し後にペイセルが到着し、男性の姿を目撃する。
大柄な男性「ほう、あの娘は上物だな。」
アリス「えっと・・・ここに一体何のようで・・・。」
ペイセルは二人にすぐ男から離れるように促す。
ペイセル「二人共!今すぐその男から離れて!そいつはっ!」
次の瞬間、ものすごく鈍い音が聞こえ、クワッドとアリスの二人は壁に叩きつけられる。
その瞬間ものすごい強風が吹き荒れる。
ペイセル「うっ・・・。」
風がやみ後方を振り返るとそこには血まみれになり動かなくなった二人がいた。
ペイセル「っ!」
ペイセル「クワッド!アリス!」
ペイセルはすぐに二人のところへ駆け寄り回復魔法をかける。
ペイセル「待ってて!今助けてあげるから!」
ペイセル「(頼むっ!死ぬなっ!死ぬなっ!)」
ペイセルは更に上位の回復魔法をひたすら二人にかけ続ける。
そこへ男がゆっくりと近づいてくる。
大柄な男性「何無意味なことをしてる。青髪の娘。」
ペイセル「黙れっ!くそっ早く治れ治れ治れ!」
大柄な男性「弱者をかばったところでなんの意味もないというのに。」
ペイセルは男性を睨みつける。
大柄な男性「おぉ、随分と怖い顔をするみたいだな。」
ペイセル「なんで・・・あなたがここにいるの!破壊神、豪儼!!」
豪儼「なんだ、俺のこと知ってんのか。」
ペイセル「師匠からさんざん聞かされたからね・・・。」
豪儼「そうか、あの老いぼれ爺さんからか。なら今ここで戦うことが
どれだけ無意味なことだということもわかるだろ。」
ペイセル「っ・・・。」
ペイセル「それで・・・なんで破壊神と呼ばれているあなたがここに・・・。」
豪儼「あぁ、そうだった。まだ言ってなかったな。」
豪儼「様子を見に来たのさ。」
ペイセル「様子?」
豪儼「アクアペルムの人々の様子をな。」
そのことを聞いたペイセルは更につっこんだ質問をする。
ペイセル「な、何かしたの・・・この街の人達に!」
豪儼「あぁ。この薬の効果を確かめにな。」
豪儼はポケットから一つの瓶を取り出す。
中には透明な液体が入っている。
ペイセル「な、なにそれ。」
豪儼「この薬は我々バイラズ帝国がいま開発を続けている秘薬だ。」
ペイセル「あなたも・・・バイラズ帝国に関係しているの!?」
豪儼「あぁ、俺は今やバイラズ帝国最高幹部の一人として行動しているさ。」
ペイセル「(さ、最高幹部!?さ、最高幹部の面々一体どんな戦力を・・・。)」
ペイセル「(まるで、人類を滅ぼすほどの戦力がいるじゃない!)」
豪儼が最高幹部であることをしったペイセルは驚愕する。
豪儼「さて、軽い紹介はここまでにして、話を戻す。」
豪儼「この薬を飲むと飲んだ本人は人並外れた力を得る事ができる。」
豪儼「ただ、調合の配分や摂取量のデータが少なくてな。」
豪儼「この土地の人々には実験台になってもらったよ。」
ペイセル「じ、実験台?」
豪儼「このアクアペルムでは海産物を好き好んでたくさん食べるみたいだから、
この海近海にたっぷりと仕込ませた。」
ペイセル「その薬で・・・住民達をどうしたっていうの!」
豪儼「なんだ?まだわからないのか?」
豪儼「もうお前達はすでに元住民を大量に殺しているじゃないか。」
ペイセル「も・・・元住民?」
ペイセルはその事を聞いて直近の記憶を振り返る。
ペイセル「まさか・・・私達の眼の前に現れた魔物達って・・・。」
豪儼「御名答。あれはこの薬の実験に失敗した元住民達さ。」
豪儼「この薬の実験に失敗すればどれかしらの魔物に変化してしまうのさ。」
豪儼「もちろん、これを治す手立てはない。」
ペイセルはこの事を聞いて激昂する。
ペイセル「こんな事して・・・許されると思っているの!」
豪儼「別に?誰に許されようとも思ってないさ。」
豪儼「ただ、アクアペルムの住民と一部の冒険者は戦力にすらならなかった
失敗作みたいだったがな。」
ペイセル「許さない・・・。こんな事をして!絶対に!」
ペイセルは杖を構えて、豪儼に牙を向ける。
豪儼「ほう?俺とやるつもりか?小娘。」
ペイセル「あなたがやったことをここで見過ごすわけには行かない!」
ペイセル「豪儼!お前の首は私がここで捕る!」




