特別訓練:地獄の基礎体力向上編 後半
雅一達はアランから教わった事を頭に入れ、巨石移動に挑戦する。
雅一「岩の前に立ってみたは良いけど・・・やっぱりでかすぎじゃね・・・。」
レイラ「魔力の圧縮をさせるって言ってたけど・・・本当にそれで動くのかな?」
ラフェスタ「やるしかないでしょ。せっかく教えてもらったわけだし。」
レイラ「いや、でも・・・ペイセルはすでに現実から目を逸らし始めてるよ・・・。」
アラン「ほら、さっさと初めてくれ。」
雅一達は岩に手を当て、目を閉じ深呼吸をし、集中する。
雅一「(魔力をまずは下半身に貯めるイメージを・・・。)」
ラフェスタ「(そして魔力を圧縮させて、足腰をしっかりと整える・・・。)」
レッド「同じように腕全体に魔力を圧縮させる!)」
レイラ「(後は残りの魔力を上半身の筋肉にを強化させて押す!)」
雅一達は見様見真似でまずは押して見た。
雅一達「うおおおおおおお!!」
雅一達は力いっぱい押し続ける。しかし、巨石はびくともしない。
ペイセル「うぐぐぐ・・・。」
雷閑「う・・・動けぇ・・・。」
レイラ「(あ、足が・・・戻されるっ!)」
雅一達はその後30分ほど奮闘したが、巨石は一切動かない。
雅一「ぜぇ・・・ぜぇ・・・。み・・・水ッ・・・。」
ラフェスタ「だ、駄目だ・・・全然動かないっ!」
ペイセル「む、無理だよ~・・・・。こんなの・・・。」
レッド「どうも魔力の圧縮というのがよくわからんな。」
結局その日に石を動かすことは出来ずに訓練は終了した。
その後、雅一達は日々石を動かすために様々な手法を試しては石を押していた。
アクアペルムで起きている原因も一緒に探りつつ、交代制で訓練を実施しつづけて
早1ヶ月が経過していた。
~1ヶ月後~
今日は雅一、ラフェスタ、レッドの3人が石を動かす訓練に参加しており、
レイラ、雷閑、ペイセルは任務に出かけている。
ラフェスタ「うーん、やっぱり動かないなぁ・・・。」
レッド「若干魔力の流れの感覚がわかるようにはなってきたけど・・・。」
雅一「やっぱり、もっとイメージを固めないと駄目なのかな?」
アランが言っていた魔力の圧縮と自分の体に取り込む方法はまだ良く
わかっていなく、中々うまく出来ずにいて、バイラズ帝国の動きが気がかりだった。
ラフェスタ「このまま時間が経過し続ければまたバイラズ帝国が何をしてくるか・・・。」
レッド「でも今の俺達じゃあ仮にバイラズ帝国まで行ったとしても
何も出来ないからなぁ・・・。」
雅一「一体どうすれば良いんだ・・・。」
悩んでいる3人だがレッドが過去の戦いの中で何かヒントがないか二人に聞いてみる。
レッド「そういえば二人共、グランドコングやブロストキングでの戦いで何か
この岩を動かすためのヒントみたいなのないか?」
雅一「うーん、ヒントねぇ・・・。」
ラフェスタ「あの時はただ必死になってたからその時に起きてた事とかは・・・。」
レッド「でもラフェスタはたしか、ゾンビ兵の大群にめがけて
とんでもない攻撃を一発放ってたよな?」
ラフェスタ「覇砕の事?」
レッド「そうそうそれだ。あれは一体どうやってやったのか覚えてるか?」
ラフェスタ「えっと・・・たしか、まず目を閉じて集中力を高めて・・・、
自分の体に流れている魔力を剣に流し込むイメージを・・・。」
するとその事を聞いた雅一がひらめく。
雅一「もしかしたら、それと同じ用にやればいけるんじゃないか?魔力を特定の場所に
集めることは一緒だし・・・。」
ラフェスタ「確かに・・・。言われてみれば・・・。でも圧縮は?あの時は
圧縮なんて事してなかった気がするけど・・・。」
レッド「それは一度魔力を移動させてからやれば良いんじゃないか?」
雅一「せっかくだしやってみよう。もしかしたらって事もあるだろうし。」
雅一達は再び岩の前に手を当てて、深呼吸をし、集中力を高める。
今度はよりもっと細かい所までイメージを浮かべ、魔力の流れをコントロールしていく。
ラフェスタ「(あの時は剣に魔力を移動させてたけど、それを自分の体に!)」
雅一「(思い出せ・・・あの時やったように!)」
レッドはその様子を観察し、魔力の流れを確認している。
すると先程まではなかった変化に気づき始める。
レッド「お?なんだ?二人の魔力濃度がより濃くなってきた・・・。」
レッドは二人の魔力濃度が濃くなり、魔力の圧縮が順調にできつつあることを知る。
レッド「お、これは・・・!」
そして雅一とラフェスタは今までにないほどに魔力を高め、ついに岩を押し始める。
雅一&ラフェスタ「うおおおおおおお!!」
雅一とラフェスタは全力で岩を押し続け、最初は変化はなかったものの、
数秒後、ついに岩を少しだけ動かすことに成功する。
レッド「う、動いた!岩が動いた!」
ラフェスタ「はぁ・・・はぁ・・・!ま、まだ・・・まだだ!」
雅一とラフェスタは再び力いっぱい岩を押す。すると岩はどんどん先へと動いていく。
レッド「す、すごいっ!本当に動かせてる・・・。」
するとラフェスタの見た目が少し変わったことをレッドは確認する。
レッド「ん?ラフェスタの髪色が・・・白色にっ!?」
すでに初期地点から数百m動かした二人にレッドも気合が入る。
レッド「ラフェスタの見た目が変わったのは気になるけど、それよりも俺もやらないとな!」
レッドも同じ用に意識を集中させ、雅一達と同じ用にイメージを膨らませる。
そしてレッドも魔力濃度があがり、魔力圧縮で体を支えられた時岩を押す。
レッド「ぬおおおおおお!!」
レッドも同じ用に岩が少しずつ動き始め、二人の後を追う。
岩を押し続けて目的地の半分まで行った所で3人は力を使い果たす。
雅一「はぁー・・・はぁー・・・。」
ラフェスタ「う・・・うご・・・いた・・・けど・・・。」
レッド「や・・・やばっ・・・クラクラする・・・。」
そこにアランがやってきて大量の水を3人に浴びせる。
アラン「よくやったな。1ヶ月でここまで出来るとは中々筋が良いな。」
雅一「あ、み、水・・・死ぬかと・・・思った・・・。」
3人は水を飲んで少しは落ち着いた。するとレッドはラフェスタの変化に付いて尋ねる。
レッド「ラフェスタ。そういえば、岩を動かしてた時、
髪色が白くなって眼光が赤く光ってたけど・・・。」
ラフェスタ「え?そうなの?全然気づかなかった・・・。」
アラン「それは開放スキルの神尓化だな。猫族でもごく一部しか扱えない
っていう極めて珍しいスキルだな。」
アラン「神尓化状態になると一定時間だけ爆発的に身体能力が高まるんだ。」
雅一「そうか列車での戦いでラフェスタの動きが一気に変わったのも同じ事なのか。」
ラフェスタ「でもあの時は無理矢理発動させたから体への負担が大きすぎたけど・・・。」
アラン「ただ今回の訓練で無理矢理ではなく、自然に神尓化を出せるように
なったのはかなり良いことだ。」
アラン「現に、身体の状態はどうだ?」
ラフェスタ「た、確かに、あの時よりも辛くない。」
アラン「さて、残り半分だ。頑張って次の訓練に行くぞ。」
こうして3人はその後も今回出来たことの反復練習を行い続け、自身の魔力を更に
高めていった。レイラ、ペイセル、雷閑の3人は雅一達が岩を動かした一件から形相を変えて
死に物狂いで訓練に励み、訓練開始から2ヶ月後・・・。




