特別訓練:地獄の基礎体力向上編 前半
雅一とレイラはペイセルの所に駆け寄り、近くの少し平たい所に移動させた。
レイラ「ペイセル!しっかりしろ!」
ペイセル「あ・・・あれ?ここはどこ?体が軽い・・・天国かな?」
雅一「勝手に昇天してんじゃねぇ!!」
その後3人は一度休憩を取る。ペイセルも少しすると意識がはっきりと戻り始めて、
現状を把握する。
ペイセル「そ、そうか・・・3人はもう先に・・・。」
レイラ「でも、この山をずっと全速力は流石に無理がありすぎる・・・。」
雅一「俺、足が・・・めっちゃガックガクでやばい事になってるよ。」
レイラ「こ、これが・・・基本的な体力づくり・・・。」
雅一&ペイセル「全然基本的じゃない!」
~一方レッド達~
レッド達は山のかなり上の方まで来ていた。しかし、流石に疲れが見え始める。
雷閑「も、もっと・・・傾斜が急になってきたような・・・。」
レッド「これ・・・後どれくらいあるんだ?ぜぇ・・・ぜぇ・・・。」
ラフェスタ「絶対にっ・・・超えて・・・見せるっ!」
懸命に登る3人だったが山の8合目付近でストップしてしまう。
レッド「ぜぇ・・・ぜぇ・・・。きっつ・・・。」
雷閑「一度、水分と塩分補給しよう・・・。」
ラフェスタ「ま、まだ・・・。」
ラフェスタは少しでも先に進もうとするが、もう足が前に出ずに先に進めない。
レッド「諦めろ・・・一度休もう・・・。」
ラフェスタ「くっそ・・・。」
雷閑「でも、これを全速力で駆け上るのはやはり無理があった気が・・・。」
レッド「でもこれぐらい無理をしないと駄目なんだろうよ。バイラズ帝国を相手にするのは。」
ラフェスタ「私は、あの3人がここまで登ってこれない可能性を少し考えてる・・・。」
レッド「まぁ、道中ほぼ絶壁な所とかもあったしな・・・。」
雷閑「でも、これ登りきったら今度は下るんだよなぁ・・・。」
ラフェスタ「今以上に足が壊れそう・・・。」
レッド&雷閑&ラフェスタ「はぁ~・・・。」
3人は深くため息を付いてしまう。
その後両者ともに数回ほど休憩を挟み、レッド達は先に頂上へたどり着き、
下山の準備をする。
~頂上~
ラフェスタ「さて・・・これを・・・全速力で下るって・・・。」
レッド「絶対人間のやることじゃねぇ・・・。」
雷閑「でもいかないとな。もう夕暮れだし・・・。」
レッド達は覚悟を決める。
レッド「よし、行くぞ!」
ラフェスタ「ええい!どうにでもなれ!」
3人は来た道を全速力で下っていく。3人の速度は更に上がっていく。
レッド「良いか!絶対に止まろうとするな!スピードの乗って姿勢を低くして下山するんだ!」
雷閑「は、早いっ!」
しかし、あまりの速さに足がついていけずに所々で浮いてしまう。
ラフェスタ「あ、足がっ!」
3人は下山する道中で何度も転んだり、木に激突したり、足を踏み外したり等、
散々な目に会いながらようやく下山を終える。
~スタート地点~
アラン「よく戻ってきたな。だが、なぜ君達はそんなにボロボロなんだ?」
レッド「あ・・・あ・・・。足が・・・。」
雷閑「これ・・・基本じゃ・・・ない・・・です・・・。」
ラフェスタ「た・・・立てない・・・。」
アラン「うーん、ま、初日はそんなものか、繰り返しやれば自ずと体力付いてくるから、
明日も山登りから始めるように!」
レッド「お、鬼だ・・・。」
レッド達が戻ってきてから数時間後、あたりが真っ暗になってきた頃合いに
残りの三人が戻ってきた。
雅一「つ、つい・・・た・・・。」
3人共レッド達同様に満身創痍になりながら戻ってきた。
アラン「お前達もか・・・。はぁ、君達も明日また山登りからスタートだ!」
雅一達はその事を聞いた瞬間、考えるのをやめた。
その後、雅一達一行は何日も何日も山登りを続けた。登っては降りてを繰り返し、
その度に満身創痍になって足が壊れる事を繰り返した。
そして3週間後・・・。
~3週間後~
アラン「うむ、かなりタイムも縮んで来たじゃないか。最初の時よりもかなり余裕で
降りてこれてる。」
雅一「じゃ、じゃあ・・・。」
アラン「次、丸太運びに移れ!」
レッド「よ、ようやく次か・・・。」
雅一達は丸太運びの場所に移動し、早速丸太を運び出す。足腰が山登りで
死ぬほど鍛えられた事もあり、一本数十キロの丸太をしっかりと支えられるようになっていた。
雅一「これを30本か。」
ラフェスタ「それを1km・・・。なんでだろう、こっちの方が楽な気が・・・。」
ペイセル「あの山登りが地獄だっただけだよ・・・。」
レッド「いや、実際この丸太相当な重さあると思うぞ。俺達の足腰がめっちゃ
鍛えられたから支えられているだけで・・・。」
レイラ「確かに、持ち上げる時結構力必要だったし・・・。」
雅一達は丸太運びを順調にこなしていき、30本を1km先の場所まで運び終わる。
雅一「お、終わったぁ・・・。」
ラフェスタ「終わってみると、結構きつかったね・・・。」
レイラ「雷閑は結構余裕そうだったよね。」
雷閑「まぁ、私は一応鬼人族ですので、この手は得意なんですよ。」
そこにアランがやってきて結果を確認する。
アラン「ほう、思ってたよりもスムーズだったな。じゃあ最後、岩動かしをやろうか。」
雅一達一行は人数分用意された巨石の場所まで移動する。
雅一達は岩の大きさにやはり唖然とする。
レッド「でかいな・・・。」
雅一「でかいね・・・。」
ペイセル「うん、動かせる気がしない・・・。」
レイラ「えっと、アランさん、一応聞くけど、この岩どれくらい重量あるの?」
アラン「ん?正確に測定したことはないけど、多分数百キロから数トンはあるんじゃないか?」
ペイセル「うーん・・・ちょっと何を言っているのかわからない・・・。」
ラフェスタ「ペイセル・・・現実を見ようか・・・。」
雷閑「だが、これをどうやってあの白旗の所まで動かせば・・・。」
するとアランが雅一達と同じ別の巨石の前に立つ。
アラン「じゃあ、俺が手本を見せるからそれをしっかりと見てからやってくれ。」
雅一「手本って、どう考えても動く気配まったくないけど・・・。」
アラン「まぁ見てな。」
アランは巨石を押す手本を教え始める。
アラン「良いか、まず前提として、力任せにやっても全く動かない。
だから、自分達の魔力を使うんだ。」
ラフェスタ「魔力を?」
アラン「そうだ、魔力は魔法、スキル、武器等様々なものに転用できる。」
アラン「勿論、その転用は人体にも転用することが出来る。」
アラン「まず、押す時のポーズはこう。両手をしっかりと岩肌に当てて、
足を前後にずらして、しっかりと体を支える。」
アラン「体制が出来たら自分自身に流れている魔力を、手と腕そして足腰に凝縮させる。」
ペイセル「ぎょ、凝縮させるってそんな事出来るの?」
アラン「あぁ、出来るさ。意識を集中させて、魔力の流れを
手と腕、そして足腰に凝縮させて・・・。」
アラン「最後に上半身の筋肉全体に残りの魔力を凝縮させ終わってから・・・押す!」
するとアランは軽々と巨石を動かし始める。
雅一「マジか・・・。」
レッド「すっご・・・。」
ラフェスタ「あ、あんな軽々と・・・。」
アランは巨石から手を離す。
アラン「と、こんな感じだ。S級は全員これが常時出来ているから
常人離れした動きが出来る。勿論、この魔力の圧縮は攻撃力にも転ずる。」
アランはさっきの巨石にパンチをする。すると巨石が簡単に砕け散った。
雅一達「おぉ・・・。」
アラン「どうだ?これで一通りの流れはわかったかな。」
雅一「す、すごすぎる・・・。」
アラン「よし、じゃあ、早速初めていこうか。」
こうして雅一達最後の基礎体力向上訓練が始まった。




