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嵐の前の静けさ

温泉街を出発した特急列車は雅一達を乗せて、アクアペルムへ走り出す。

雅一達はその道中にある駅で途中下車し、S級冒険者の集まる基地へと向かっていた。


~列車内~

客車はすべてボックス席となっており、雅一達以外にもそれなりに

乗客が乗っている。


ペイセル「それで、アクアペルムまでどれほど時間がかかるの?」

レッド「約3時間だな。ま、途中で一回降りるから列車での移動はその半分ぐらいかな。」

雅一達は席に座って、快適な列車移動をしていたが雅一はある事を質問する。


雅一「そういえば、最初の移動は馬だったけど、ここから先馬での移動ってあるのか?」

レッド「俺達がバイラズ帝国に向かう道中は交通網が発展してる場所だからね。」

レッド「ここしばらくの間は馬を使わないかな。」

雅一「異世界っててっきり鉄道も車もない世界で、移動は主に馬車かと思ってたけど。」

雷閑「確かに一部の辺境の地では馬での移動が主流ですが、最近は技術革新も

目まぐるしいため、王都やその他の都市部での移動は鉄道や車なんです。」

雅一「そうだったのか・・・。」

雅一が来た異世界では文明がそれなりに発展している事に少し違和感を感じていた。

だが、雅一もあえてやたらめったらに突っ込まないようにした。


その後も列車は順調に運行を続け、雅一達は列車内で居眠りをし始めてしまった。

そんな中、ラフェスタはお手洗いの為に席を外していた。


ラフェスタ「ふぅ、ちょっと飲み物飲みすぎたかな・・・。」

ラフェスタ「さて、みんなの所へ戻るか。」

ラフェスタはお手洗いから出てきて、みんなの元へと戻ろうとした次の瞬間、


フードの男性「おっと・・・。」

ラフェスタ「あ、ごめんなさい。」

廊下で全身フードで隠れた男性と少しぶつかってしまった。

ラフェスタ「怪我は?」

フードの男性「大丈夫です。こちらも前をちゃんと見てなくてすみません。」

ラフェスタはその後、みんなのいる席へと戻っていった。

しかし、ラフェスタが廊下を後にしたその直後、フードの男は怪しい笑みを浮かべる。


~雅一達のいる客車~

ラフェスタが席に戻ってきたが雅一達はみんなぐっすりと居眠りしていた。

ラフェスタ「まだ寝てる・・・。」

ラフェスタ「まぁ、この移動時間だけでも、リラックスしても良いかもね。」

リラックスしたままの雅一達を連れて特急列車は更に先へ進んでいく。

しかし、そんな列車内では不穏な動きが出始める・・・。


~先頭車両 運転室~

雅一達がゆったりしている一方運転室に怪しい人物が侵入してきた。

車掌A「おいあんた。ここは関係者以外立ち入り禁止だ。」

フードの男性「・・・。」

車掌Aが呼びかけるがフードの男性は全く反応しなかった。

車掌B「どうした?」

車掌A「このお客さん勝手に運転室へ入ってきたんだ。」

車掌A「ほら、早く客室へ戻りなさい。ここはあなたが来る場所じゃっ」

突然、フードの男性は車掌Aを刃物で突き刺した。


車掌A「え・・・。」

フードの男性「忠告ありがとう車掌さん・・・。」

突然の物音に車掌Bは一瞬振り返り、その惨状を目の当たりにした。

車掌B「なっ!」

車掌Bはすぐさま非常ブレーキ機能を作動させ、列車は急停車する。

その際、社内に大きな感性が働き、突然の緊急停止に乗客達が全員驚く。


雅一「うわっ!なんだ!?」

レッド「列車が・・・止まった?」

ざわつき始める客室の乗客達に対し、運転室では運転していた車掌Bもフードの男性の手に

より、殺害されていた。


フードの男性「さて、始めるとしようか・・・。」

フードの男性は車掌の一人を掴み、彼の声を盗み車内アナウンスを流した。


車掌?「乗客の皆様、緊急停止大変失礼いたしました。」

車掌?「当列車は線路上に野生動物の存在を確認したために緊急停止をしました。」

車掌?「現在、運行に支障はないか確認を進めております。」

車掌?「運転再開までしばらくお待ちください。」


雷閑「なんだ・・・野生動物か・・・。」

ペイセル「そういえば、ここのエリアってよく野生動物との衝突多い区間だっけ。」

雅一「確かに周りは森だらけだな。」

車掌?のアナウンスにより落ち着きを取り戻した乗客たちだったが、

一人だけ落ち着かない人物がいた。


レイラ「そういえば、さっきからソワソワしてるけど大丈夫?ラフェスタ。」

ラフェスタ「えっ・・・そんなにソワソワしてたかな?」

レッド「確かに、トイレにでも行きたいのか?」

ラフェスタ「ちょっと!デリカシーないこと言わないでよ!」

ラフェスタ「別にそういうわけじゃないけど、なんだか、胸騒ぎがするの・・・。」

雅一「胸騒ぎ?」

ラフェスタ「私にも・・・よくわからないんだけど・・・。」

雅一「でも出発した時はいつも通りだったよな?」

ラフェスタ「そうなんだけど・・・。なんだろう、すごく嫌な感じがするの。」

ラフェスタ「この列車内から・・・。」

ラフェスタの言葉に雅一達は少し気になり始めるが、具体的な内容が全くわからない。

そんな中、雅一はある事を思い出しその話をし始めた。


雅一「そういえば、野生動物は大規模な災害が発生する前に騒ぎ立てたりするって

聞いたことあったな・・・。」

レイラ「それは、動物の危機察知能力的なやつ?」

雅一「あぁ、人間はその機能が退化してるからわからないんだけど、

野生動物はそういうとても危険な状態が近づいてると、逃げたり鳴いたりして騒ぐって。」

雅一の仮説を元にレッドがラフェスタの行動と組み合わせ一つの結論にたどり着いた。


レッド「つまり、今ラフェスタの行動はその野生動物と似た状態であり、

この列車で相当まずいことが起きようとしている・・・。と。」

ラフェスタ「でも、本当にそうだったとしても、何が起きるのかまでは・・・。」

雅一達が話していると、再び車内アナウンスが流れ始めた。


車掌?「大変お待たせいたしました。運行に支障がないことが確認できましたので、

運転を再開いたします。」

車掌?「各駅到着までもうしばらくお待ちください。」

運転再開のアナウンスで乗客達は安堵する。

そして再び特急列車はアクアペルムへ向けて移動を開始した。

しかし、ラフェスタのソワソワは収まるどころかより激しくなり、尻尾の毛も逆立ち始める


ペイセル「ら、ラフェスタ・・・大丈夫?」

ラフェスタ「ごめん・・・多分、大丈夫じゃない・・・。」

ラフェスタ「これ・・・相当やばいかもしれない・・・。」

流石におかしいと思ったレッドは想定しうる事態を考え始めた。


レッド「まさか・・・この列車・・・いや、でもまさか・・・。」

そうこうしている内に特急列車は最初の停車駅に近づいてきた。

しかし、乗客達が違和感に気づき始めた。


乗客A「ねぇ、なんか、スピード上がってない?」

乗客B「確かに、もうそろそろ停車駅のはずなのに・・・。」

乗客達の言葉を聞いた雅一達はまさかと思い、窓の外を見ると明らかに速度が上がっていた。

雅一「どうゆうことだ・・・。速度が上がってる!」

雷閑「次の停車駅は必ず停車する駅だろ?どうゆうことだ?」

雅一「わからない・・・。」

更に速度が上がり始め、乗客達が近くに居た車掌に問い詰め始めた。


乗客A「車掌さん!一体どうなってんだ?」

車掌C「そ、そう言われましても・・・。」

乗客B「運転士は一体何をやっているんだ!」

レッドはこの状況を把握し、雅一達にあることを伝え始めた。


レッド「お前達、この状況は相当まずい状況かもしれない。」

レッド「俺がこの場で臨時指揮を取る。今から俺の言う事に従ってくれ。」

レッドの言葉に雅一達はすぐに了承した。

雅一&ラフェスタ&ペイセル&雷閑&レイラ「了解!」

レッドはこの非常事態の臨時指揮を取ることとなり、各自に命令をだした。

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