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猫耳少女の決意

猫耳少女はある夢を見ていた。それは彼女の故郷がバイラズ帝国によって

攻撃を受けたあの日の出来事だった。


【故郷を襲われた時の夢】

~故郷:ラッペン~

各地で火の手が上がり、銃声や叫び声等が響き渡る彼女の故郷。

彼女は父親と共に森の奥へ逃げていた。


兵士「そっちに逃げたぞ!」

兵士達は逃げた二人を追いかけ続ける。

猫耳少女「はぁっ!はぁっ!」

父親「足を止めるなっ!もっと奥へ!」

兵士「逃さんぞ!」

兵士は二人にめがけて矢を放つ。すると父親は身を挺して彼女を守った。


猫耳少女「お、お父さん!!」

父親「ぐっ・・・。」

父親「だ、大丈夫だ。これぐらいで死ぬことはない・・・。」

しかし、バイラズ帝国軍の兵士達が二人に迫ってくる

父親は考えた。このままでは二人とも捕まってしまうと・・・。


父親「せめて、娘だけはどうにか逃さないと・・・。」

父親は立ち上がり、娘に対し背中を向け始めた。


猫耳少女「お、お父さん?」

父親「お前だけでも逃げろ・・・。」

猫耳少女「そんなっ!嫌だよ!一緒に逃げよ!」

父親「このままだと、二人ともあいつらに捕まってしまいだ。」

猫耳少女「そんな・・・嫌だよ!お母さん自らが囮になってなんとかここまで来たのに!」

少女は泣きながら父親に一緒に逃げようと提案する。

しかし、父親はその提案を受け入れることはなかった。


父親「私は大丈夫だ。時間を稼ぐからその間に逃げるんだ。」

そう言うと父親は兵士達の所へと走っていった。


猫耳少女「待って!お父さん、おいていかないで!一人にしないで!!」


~現実【エルダ総合病院】~

そんな悪夢を見ていた少女はゆっくりと目を覚ます。

猫耳少女「あれ・・・夢・・・。」

猫耳少女はゆっくりと上体を起こし周囲を見渡し始めた。

猫耳少女「ここは・・・病院?私・・・どれくらい気を失ってたんだろ・・・。」

次の瞬間、病室の扉が開き、医者が様子を見に来た。


医者「お、起きたか。」

猫耳少女「あの・・・ここは・・・。」

医者「ここはエルダ総合病院。瀕死の君を商人のおじいさんと一人の青年が搬送してくれたんだよ。」

猫耳少女「エルダ・・・。随分と遠い所まで来たのね・・・。」

医者「ただ、まだ動いちゃ駄目だぞ、傷も酷かったし、矢が刺さってて毒が全身に回っていたからな。」

医者「私は搬送してくれた二人に連絡を入れてくるから安静にしてなさい。」

そういうと医者はライフと雅一の二人に連絡を入れ、少女が目覚めた事を伝えた。

その後、ライフと雅一は病院へ趣、猫耳少女の様子を見に来たのだ。


目覚めてから数十分後・・・。

ライフ「良かったの。目覚めて。」

雅一「いやぁ・・・。一時はどうなることかと・・・。」

猫耳少女「二人が私をここまで運んでくれたんですか?」

ライフ「あぁそうじゃ。ワシは商人のライフ、そしてこっちにいる青年が」

雅一「佐藤雅一です。あなたの名前は?」

猫耳少女「ラフェスタ・・・。エラ・ラフェスタです。」

ライフ「ラフェスタか。良い名だな。」

和やかな雰囲気が流れる病室。そんな中雅一は彼女の身に一体何があったのか訪ね始めた。


雅一「早速で悪いんだけど、一体何があったんだ?」

雅一「瀕死の状態になるほどの出来事があったのか?」

ラフェスタ「・・・」

ラフェスタ「わ、私は・・・。」

ラフェスタは喋りだそうとすると震え始めた。


雅一「あ、ごめん・・・もし言いたくないのなら言わなくてもいいよ。」

ライフ「よほど怖い目にあったんじゃろ。可哀想にこんな幼い少女がのう・・・。」

ライフと雅一はラフェスタの事を考え少し遠慮しがちになっていた。しかし

ラフェスタの心の中では自分の身に何が起きたのかを二人に説明したいと思っていた。


ラフェスタ「(話して、どうにか出来るものなのかな・・・。

二人は私の命の恩人だし、危険な事に巻きみたくない・・・けど・・・。)」

ラフェスタは決心を固めて口を開き始めた

ラフェスタ「あ、あの・・・。」

ラフェスタ「聞いてもらえますか?私の身に何が起きたかを・・・。」

その後、雅一とライフに自分の身に起きた出来事や故郷の事等を話し始めた。

その話を聞いた二人は驚きを隠せなかった。


ライフ「そうじゃったのか・・・。」

雅一「じゃあ、お父さんとお母さんは。」

ラフェスタ「私を逃がすために、お父さんとお母さんは、私を逃がすために・・・。」

ラフェスタ「私は・・・私は・・・。」

ラフェスタは再び涙を流し始める。


雅一「ご、ゴメンな。すごくつらい事を思い出させて・・・。」

ライフ「バイラズ帝国・・・。猫族の里も支柱に収めたというのか・・・。」

深刻さを改めて感じた二人だったが、その二人にラフェスタは涙を拭い、あることを伝え懇願し始めた。


ラフェスタ「あ、あの・・・。二人にお願いが・・・。」

ラフェスタ「私と・・・私と一緒にバイラズ帝国と戦う為に力をかしてください!」

その言葉を聞いた二人は驚愕してしまった。

雅一&ライフ「え、ええええええ!?」

ライフ「バイラズ帝国と戦うというのか!」

ラフェスタ「今の私じゃあ何も守れない・・・。何も救えない!」

ラフェスタ「このまますべてを奪われたままでいたくないんです。」

ラフェスタ「お願いします・・・。」

ラフェスタは二人に頭を下げる。ライフと雅一は迷ってしまうが彼女の真っ直ぐな心に打たれる。


雅一「はぁ・・・。わかったよ。」

ライフ「ワシは戦闘はできないが、サポートとして役立つ物を提供しよう。」

ラフェスタ「二人共・・・。あ、ありがとうございます!」

ラフェスタは深々と涙を流しながら深く感謝を伝えた。

承諾したのは良いが、ライフが今の現状についての課題点を指摘し始めた。


ライフ「まぁ協力するのはいいとして、ラフェスタ。戦闘経験はどれほどある?」

ラフェスタ「えっと・・・。森の中で熊と戦った事ぐらいは・・・。」

雅一「(熊と戦えるのかよっ!)」

しかし、ライフは難しい顔をする。

ライフ「うーむ、今の現状だと、立ち向かう事は叶わないなぁ。」

ラフェスタ「でも、雅一さんは立派な剣を持ってるじゃないですか。」

そう言うと、雅一は戦闘経験が0という事を伝えた。


雅一「い、いやぁ・・・この剣は偶々拾ったもので・・・戦闘経験は微塵もないんだよ。」

雅一「(ゴブリンと対峙した時はただ剣をテキトーに振ってただけだし・・・。)」

ライフ「つまり、ラフェスタも雅一もワシも戦闘経験がほぼなく、戦力にならんという事じゃ。」

ラフェスタ「じゃあ、一体どうしたら・・・。」

そこでライフはある提案をラフェスタと雅一に進める。


ライフ「もし、強くなるのなら冒険者になると良い。冒険者になれば、旅のノウハウ、戦闘経験、

野営の仕方、魔物の情報等様々な経験と知識を得ることができる。」

ライフ「それに、冒険者なら国の兵士と違い、より遠くの方まで自分達で行くこともできる。」

その事を聞いたラフェスタは即決だった。

ラフェスタ「わかりました。私、冒険者になります。それで強くなって・・・

必ず、バイラズ帝国に奪われたものを・・・取り返す!」

雅一「って俺も冒険者になるのか?マジで・・・。」

雅一はまだ困惑していた。


ライフ「ワシはもう年じゃしな。冒険者登録もできない身じゃしな。」

ライフ「ま、まだラフェスタの体が治ってないから、まずは体を治す所からじゃ。」

ライフ「冒険者になるのはその後にしよう。」

ラフェスタ「は、はい・・・。ライフさん、雅一さん。本当にありがとうございます。」

こうしてラフェスタの傷が癒えるまで待ち、ついに冒険者として登録する日が訪れた。

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