猫族のヒロインと世界の陰謀
異世界に来て次の日を迎えた。
雅一「ふぁあああ・・・。朝か・・・。」
ライフ「おう、目が覚めたか。どうだ?野営した感想は。」
雅一「なかなか体験できない事を体験したって事は・・・。」
ライフ「ハッハッハ、さて、朝食がそろそろ出来上がるぞ。」
雅一「はぁ、まさか快適なベットで寝る事がどれだけ幸せなことか改めて思ったよ。」
???「・・・」
猫耳少女「(誰か話してる?)」
猫耳少女「(それに・・・ここは一体・・・。)」
猫耳少女は自分の腕を見る。すると包帯が巻かれており治療された事を認識する。
猫耳少女「(包帯・・・。誰か治療してくれたの?)」
猫耳少女「(痛みが引いてる・・・。手も動く・・・。)」
猫耳少女「(一体どれだけ気を失ってたんだろ・・・。)」
猫耳少女はゆっくりと起き上がり、テントの外に出る。
猫耳少女「う、眩しい・・・」
猫耳少女は体を起こして、テントの外へ。
すると雅一とライフが朝食の準備をしていた。
ライフ「お?目を覚ましたようじゃの。」
雅一「お、良かったぁ。ちゃんと動けるまで回復できたんだ。」
猫耳少女「あなた達が私を助けてくれたの?」
ライフ「ひどい怪我だったぞ。もう少し治療が遅れていたら命が危なかったんだからのう。
それに、そこにいるスライムがお前さんを案内してくれたんじゃ。」
猫耳少女「スライムが?」
ライフ「ワシとスライムだけじゃない、そこにいる異邦人も君の治療に手を貸してくれたんじゃ。」
雅一「本当に、びっくりしたよ。全身泥と傷だらけでしかも矢が刺さってたし。」
猫耳少女「そうだったの、助けてくれてありがとう。」
雅一「礼は良いよ、ただやれることをやっただけだし。」
ライフはラフェスタの分のご飯も用意し、ご飯を食べるか問いかける。
ライフ「朝ごはん、一緒に食べるか?ろくにご飯食べてないじゃろ。」
すると、少女のお腹が鳴る。
猫耳少女「!」
猫耳少女「い、頂きます。」
3人で一緒になって朝食を食べ始める。その時に改めて自己紹介をする事となった。
ライフ「ワシはライフ。商人をしておる。でこちらの青年が、」
雅一「俺は佐藤雅一。この世界の新参者だけどよろしくね。」
ラフェスタ「私はエラ・ラフェスタ。種族は猫族で、この耳と尻尾は本物だよ。」
雅一「(本当に猫耳としっぽが動いてる・・・)」
3人は温かい朝食を食べ始める。
ラフェスタ「でもこんな温かいごはんを食べるなんて何日ぶりだろう。」
ライフ「そんなに長く気を失っていたのかい?」
ラフェスタ「正直、何日気を失っていたのか覚えてないの。矢の毒の影響もあって。」
ライフ「やはり、あれは毒じゃったか。やけに毒消しの効果が良く効くと思ったが・・・。」
すると雅一はラフェスタについて怪我のことについて訪ねてみた。
雅一「それで、あんなひどい怪我を負って、一体何があったんだ?」
ラフェスタはスプーンを置き、食べるのを止めていうか悩む。
ラフェスタ「それは・・・。」
ライフ「あの怪我の状態から見て大体の察しは付くが、
話したくないのなら話さないでもいいぞ。」
ラフェスタ「・・・」
ラフェスタ「わ、私は・・・。」
ラフェスタ「(話して、どうにか出来るものなのかな・・・。
二人は私の命の恩人だし、危険な事に巻きみたくない・・・けど・・・。)」
ラフェスタは決心を固めて口を開く。
ラフェスタ「あ、あの・・・。」
ラフェスタ「聞いてもらえますか?私の身に何が起きたかを・・・。」
ラフェスタは自分の身に起きたことを二人に話し始める。
~ラフェスタの経緯~
ラフェスタ「私の故郷はここよりも更に奥の森、ロウドの森の町の【ラッペン】
私達猫族が代々暮らしてきた土地よ。」
ラフェスタ「私達猫族はその町で平和に暮らしていたわ。私もここに来る前は家族と一緒に
暮らしていて、特に不自由なく過ごすことができてた」
ラフェスタ「でも、そんな時に・・・まさかあいつが現れるなんて・・・。」
~ロウドの森のとある場所~
ものすごく重い足音が森中に鳴り響き、その巨大な生物はゆっくりと奥地へと進んでいく。
森の鳥たちは騒ぎ立てて一斉に逃げ出し、その巨大な生物が通った後は
すべてが踏み倒され何も残っていなかった。
~ラフェスタの故郷:ラッペン~
ラフェスタ(現)「私はその時家で本を読んでたの。だけど・・・。」
ラフェスタ(現)「突然地面が揺れ始めて、その揺れは更に大きくなっていったの。」
ラフェスタ(昔)「何?この揺れ!?」
ラフェスタ(昔)は家を飛び出て外に出る。さらに他の人々も不安そうにしながら
外へ次々と出てきた。
ラフェスタの父親と母親も振動を感じて家の中から外に出てくる。
バミル「ラフェスタ!」
ラフェスタ(昔)「お父さん、この揺れは何なの?」
バミル「わからない・・・。」
母「この揺れは一体なにかしら・・・。地震?」
バミル「地震ならこんな等間隔に揺れはしないはず・・・。」
すると街の住民が指を指して南東の方角を示す。」
街の住民D「お、おい!なんだ、あの砂煙は!」
指の指した南東の方角からは巨大な砂煙が立ち込めており、
次々と巨木がなぎ倒されていくのがわかった。
街の住民A「何かが近づいてくるぞ!」
住民全員が南東の方角を見ていると、砂煙の中から振動の正体があらわになった。
???「グォォォォォォ!!」(強大な雄叫び)
石のブロックで構成された巨人が猫族の街についに体をあらわにさせる。」
町の住民E「あ、あれは、大災害!キングゴーレムだ!」
ラフェスタ「き、キングゴーレム!?大災害の魔物がどうして・・・。」
するとキングゴーレムの後ろから軍勢がゆっくりと前に出てくる。」
???「クックック、よくぞここまで道案内をしてくれたな。キングゴーレム・・・。」
町の住民A「だ、誰だ!お前達!」
キングゴーレムの前に謎の軍団が整列をする。
シュラスト「我名はシュラスト!軍事国家【バイラズ帝国】からの使者である!」
町の住民F「バイラズだと⁉軍事国家が我々に何の用だ!」
シュラスト「単刀直入に言おう、この都市は我々が占拠した!
無駄な抵抗はやめて大人しく我々の配下となるが良い!」
町の住民A「はぁ?何いってんだ?ここは俺たちの土地だ。勝手に占拠だとか配下だとか
何を分けの分からない事を言ってんだ?」
シュラスト「お前達はブラッド様の為に働き、戦い、そして生きるのだ!」
その提案に住民たちは抗議の声を上げ始め、その声は街中に広がっていく。
シュラスト「そうか、お前達は反対するのか・・・。なら仕方ない。
シュラスト「やってしまえ!キングゴーレム!」
???「グォォォォォォ!!」(強大な雄叫び)
するとキングゴーレムは猫族の街を襲い始め、他の軍勢も次々と攻め込んでいく。
~現在~
ラフェスタ「その後、私は運良くここまで逃げてきたけど、逃げる途中で、
攻撃を食らって・・・。」
ライフ「そうじゃったのか・・・。」
雅一「じゃあ、お父さんとお母さんは。」
ラフェスタ「私を逃がすために、お父さんとお母さんは、敵に抵抗して捕まった・・・。」
ラフェスタ「私は・・・バイラズ帝国にすべてを奪われたの・・・。」
雅一「ご、ゴメンな。すごくつらい事を思い出させて・・・。」
ラフェスタ「いや、大丈夫。」
ライフ「バイラズ帝国・・・。話には聞いてはいたがここまでとは・・・。」
するとラフェスタは二人にあることを懇願する。
ラフェスタ「雅一さん、ライフさん!頼みがあります!」
雅一「なんだ突然改まって?」
ラフェスタ「私と・・・私と一緒にバイラズ帝国と戦ってくれませんか!」
この事を聞いた二人は驚愕してしまう。
雅一&ライフ「え、ええええええ!?」