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大厄災の目覚め

ペイセルが水晶でブロストキングの動向を確認し始める。

不思議な光景に雅一達も興味が湧いて一緒に水晶を覗き込む。


雅一「どうだ?なにかわかったのか?」

ペイセル「ちょっと待ってください。もう少し魔力を調整して・・・。」

ペイセルは魔力を細かく調節し、水晶の映像のピントをあわせる。

すると大渓谷の奥地に眠るブロストキングの様子が映り始めた。


しかし・・・映像が映り込んだ瞬間、ペイセルの表情は一気に深刻な顔に

なっていった。


ペイセル「こ・・・これは・・・。」

ラフェスタ「どうしたの?そんな深刻な顔して・・・。」

レッド「もしかして、動き出したのか?大厄災が。」

ペイセル「え・・・えぇ・・・。それはそうなんですけど・・・。」

ペイセル「細かい説明は王宮に着いたら話します。」

そう言うとペイセルは足早に箒に乗って王宮へと向かっていった。


雅一「はっや!」

ラフェスタ「あんなに慌てて、どうしたんだろ・・・。」

レッド「とにかく俺達も行こう。」

その後に続き、雅一達も王宮へ戻った。


~ベンガル城:王の間~

王宮ではすでにペイセルが国王に状況を伝えており、城の中は慌ただしく動いていた。

そんな中、雅一達は少し遅れて王の間へと到着する。


ベール国王「おぉ、お前達。よく戻って来てくれた。」

しかし、雅一達は全力疾走で城まで戻ってきたことで一部のメンバーは

ヘトヘトになっていた。


雅一「あ、あの距離全力疾走って・・・。」

ラフェスタ「ペイセル、空を飛ぶのは反則・・・。」

ペイセル「あ、ごめんなさい。でも早くお伝えしないといけなかったもので。」

レッド「それで、一体水晶越しに一体何が見えたんだ?」

ペイセル「国王様にはすでに話しましたが、改めてお話させていただきます。」

するとペイセルは真剣な表情をし、水晶で見えた内容を話し始めた。


ペイセル「まず初めに、大厄災ブロストキングが動き出しました。」

ペイセル「でもそれはある程度予測が付いていました。問題なのは・・・。」

ペイセル「敵の数になります。」

レイラ「敵の数?」

ベール国王「あぁ、この地は過去に何度も大厄災の目覚めと共にアンデットの

大群が襲ってきた。その度に我々は防衛力を強化していったのだが・・・。」

ペイセル「そのアンデットの数が正直、過去1000年分の記録を遥かに上回る数が

いることがわかりました。」

ペイセル「中にはA級モンスターの存在も数多くいることがわかって・・。」

雷閑「それで慌てて城に戻ってきたという事なのか・・・。」

ベール国王「事態は非常に深刻だ。今全戦力を招集している所だ。」

ベール国王「だが、全戦力を投じても対応できるかどうか・・・。」

ペイセルの報告は予想を遥かに上回る程深刻な事態となり、空気が一気に重くなっていく。


雅一「そ、そうだ。S級は?S級冒険者はここには居ないのか?」

ベール国王「残念ながらS級冒険者はバイラズ帝国の侵攻を変わりきりに

世界各国へ飛び回っている。今この近辺にS級冒険者はいない。」

雅一「そ、そんな・・・。」

ラフェスタ「災害と戦える戦力が居ないのは・・・。」

ペイセル「はい、とても厳しい戦いになるでしょう。しかも今回は数が膨大です。」

ペイセル「全滅もあり得ると考えた方が良いでしょう。」

話をしていると兵士が戦闘準備と住民の避難が始まった事の報告をあげてきた。


兵士「国王様。ご報告いたします!」

兵士「すでに防衛戦の設置が完了しており、住民避難も始まりました!」

ベール国王「よし、わかった。今後の指揮権はライド司令官に委託する事とする!」

ライド司令官「了解しました。国王様。」

ベール国王「それと、君達(雅一達)にも力を貸してほしい。」

ベール国王は頭を下げて雅一達に頼み込んだ。


雅一「お、俺達に?」

ベール国王「急なお願いで困るだろうが、今は少しでも戦力がほしい。」

ベール国王「君達の話はすでに聞いている。初心者の冒険者でありながらA級最上位の

グランドコングを倒した実績。」

ラフェスタ「あ、あれはたまたま運が良かっただけで・・・。」

ベール国王「だが、今は君達のその力にも頼りたいのだ。」

するとレッドは速攻で返答を返した。


レッド「もちろん。喜んで力を貸すよ。国王様。」

雅一「れ、レッド!お前急に何を言って・・・。」

レッド「よく考えてみろ。俺達がこれから戦う相手は最低でも災害クラス。」

レッド「場合によってはそれ以上の戦力と戦うことになる。」

レッド「この一件もバイラズ帝国が絡んでいるとするなら、俺は無視なんてできないさ。」

レッドの気持ちにレイラと雷閑も同意する。


レイラ「私達もレッドと同意見よ。またバイラズ帝国の手によって、

多くの人の命が奪われるぐらいなら・・・。」

雷閑「命をかけて戦って守るぐらいの事はしたいですよ。」

ラフェスタ「みんな・・・。」

するとペイセルも戦力に加わる事を自ら志願してきた。


ペイセル「国王様。私も彼らと一緒に戦います。」

ペイセル「ここは私の大切な故郷です。守りたいものもたくさんあります。」

ベール国王「おぉ、よかったやってくれるか!」

雅一「はぁ、断るなんてできっこないよな。こんな状況じゃ・・・。」

こうして、雅一達はブロストキングとの戦いに備えて、準備をし始めたのだった。


だが、大厄災の大軍勢では不穏な動きが増していた。


~大渓谷奥地~

奥地からはざっと数えて数百万はいると思われる程の大軍勢が侵攻を開始していた。

その中で、不気味に笑みを浮かべる一体のアンデットが居た。


???「グフフ・・・。まさか情報の通りここにやってくるとはねぇ。」

???「さてと、ブラッド様の望みを叶えるため、始めるとするか。」

???「大厄災パーティーを!」

すると、喋るアンデットの声を聞き、他のアンデット達が一斉に全力疾走をし始めた。

???「さてと、人間諸君は、どこまで耐えれるかな・グフフフ・・・。」


一方雅一達は配属された前線部隊の一員として、迎撃作戦会議に参加していた。


~ベンガル城:迎撃作戦会議室~

ライド司令官「では、今回の迎撃作戦について話す。」

ライド司令官「奴らが来るのはこの大渓谷の谷底。幸いにも迂回路は無いため、

横からの奇襲にはそこまで気をつけなくて良い。」

ライド司令官「雑魚は砲弾や魔法使いの遠距離攻撃等を使い、

弾幕を貼らせる。常に弾幕が途切れることがないよう、常に待機メンバーを常駐させる。」

ライド司令官「そして、目標のブロストキングの討伐。」

ライド司令官「奴が姿を表した際は、特殊兵器による攻撃で鎮圧する。」

するとレッドはこちら側の戦力がどれほどか司令官に訪ねた。


レッド「内容はわかったけど、こちらの戦力はどれほどあるんだ?」

ライド司令官「B級冒険者が300人、A級冒険者が100人の400人の冒険者と」

ライド司令官「魔法遊撃部隊が200人。これは冒険者に所属していないものも含めた数だ。」

ライド司令官「そして軍隊38万人。」

ライド司令官「これがいま現時点の我々の戦力だ。」

レイラ「人数の差は圧倒的ね・・・。弾幕が突破されることも考えたほうが良いかも。」

そのレイラの言葉で雅一は一つある提案をあげた。


雅一「司令官。少し良いですか。」

ライド司令官「なんだ。異邦人。なにか案でもあるのか?」

雅一「はい、この大渓谷を利用できないかと思いまして。」

司令官は興味を示し、雅一が思いついた内容に耳を傾け始めた。

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