レイラの新しい武器
雅一達は宿舎へ戻り、試験突破のお祝いを行った後、
次の目的地に向かうための計画を話しあっていた。
レッド「俺達がいるのがここ。次に向かうパランディとはまだ距離がある。」
レッド「現在地からは少なくとも5日間はかかる距離だ。」
レイラ「パランディに向かってから行くルートね。」
レイラ「でも、確かあのあたりってアンデットの出現率が高くなってた気が。」
レッド「そうだな。厄災の動きの情報が最近入ってない事も踏まえて、
ここに向かう。」
雅一「地図で見てもかなり大きい都市だなぁ。これを馬で行くんか。」
レイラ「もしもの事を考えて準備はしっかりと進めましょ。」
レッド「そうだな。それにレイラにはまだ肝心の武器もないしな。」
レッド「時間はかかるが、1週間きっちり準備をして向かうことにしよう。」
レッドの提案で雅一達は1週間後出発することを決定。
それまでに各自で着実に準備を進め始めた。
~レイラサイド~
レイラ「さてと、まずは武器の進捗を確認しないと。」
レイラは雅一達が来る前に武器の制作を依頼した武器屋にやってきた。
レイラ「アリル、武器はできてる?」
アリル(武器屋のお姉さん)「レイラさん、聞いたよ。試験合格だって?」
アリル「おめでとう。」
レイラ「ありがとう。それで今日は武器の進捗を確認しに来たんだけど。」
武器屋の姉さん「あぁ、刀の受注予約ね。一応形はそれなりにはできたが・・・。」
アリルはレイラに作りかけの刀を見せたが、刀にしては刃が太く、持ち手も
ゴツゴツしすぎていた。
レイラ「こ・・・これは・・・。」
アリル「下手くそって言うなよ。そもそもあんたの言う日本刀ってものを
作るのは初めてなんだ。設計図もないし。」
アリル「一応あんたの言ったイメージに近いものは作ってはみたが・・・。」
武器としては申し分ないが、刀としては刀とは言えない代物だった。
レイラ「こ、これじゃあ、刀身が太すぎる・・・。」
アリル「やっぱりだめかぁ・・・。」
レイラ「1週間後にはここを出発しないと行けないの。だからそれまでには。」
レイラはアリルに迫るが、アリルは困った表情を見せる。
アリル「そ、そんな事言われても・・・。」
アリル「せめて設計図さえあればもう少し形にはできるんだけど・・・。」
そう言うとレイラはアリルに紙とペンがないか聞いてきた。
レイラ「アリル。紙とペンを貸して!私が設計図を描く!」
アリル「えっ?でも設計図って描いた事あるの?」
レイラ「な・・・無いけど・・・でも日本刀がどうゆうものかは知ってるし。」
レイラの言う通りアリルは紙とペンを渡した。
するとレイラはすぐに日本刀の絵を書き始めた。
レイラ「できた。これが日本刀なの。これを作ってほしいの。」
レイラは完成した絵を見せた。
アリル「え・・・刀身ってこんなに細いの?お、折れない?」
レイラ「大丈夫。日本刀はすっごいんだから!」
アリルはレイラの描いた絵を見て、不安を抱えながらなんとか出発日前までには
完成させる事を約束してくれたのだった。
~一方雅一とラフェスタサイド~
二人は5日間の食料品を探していた。
雅一「えっと・・・5人分の食料が必要だから・・・。」
ラフェスタ「水だけでも相当な量になるわね・・・。収納足りるかな?」
雅一「うーん・・・たとえ魔法とは言え、詰め込みすぎると体感的に重く感じるしな・・・。」
ラフェスタ「なんとか削減できる所は削減したい所だけど・・・。」
そんな会話をしているが、ラフェスタは道中で食べ歩きをしていた。
雅一「って・・・何食べ歩きしながら食料探してるんだ・・・。」
ラフェスタ「んぐっ!」
ラフェスタ「べ、別に良いでしょ・・・。」
雅一「美味しいものは食べたくなるのはわからなくもないが・・・食いすぎじゃね?」
ラフェスタ「た、食べた分動くから問題ないわよ!」
ラフェスタ「それに、悪いのはこんな美味しい料理を提供するお店が悪いのであって、
決して、美味しそうな匂いに釣られたわけじゃないんだからっ!」
雅一「(自分の食欲を料理のせいにしやがったぞ!)」
~レッドと雷閑サイド~
二人は図書館に趣き、冒険に役立つ情報がないか探っていた。
レッド「うーん、大渓谷・・・。」
雷閑「どうかしたのか?レッド殿?」
レッド「その殿とか堅苦しくないか?」
雷閑「それもそうか。それじゃあこれからはレッドと呼ばせてもらうとしよう。」
レッド「あぁ。そうしてくれ。」
雷閑「それよりも何か難しい顔しているが、一体どうしたんだ?」
レッド「あぁ・・・。この大渓谷の奥地が少し気がかりでな。」
そういうとレッドの読んでいる本を雷閑が覗き込んできた。
雷閑「災害、ブロストキングの住処か・・・。」
レッド「大厄災ブロストキング。バイラズ帝国の戦力として加担している現状、
こいつが動く可能性がとても高い・・・。」
レッド「もし、こいつが軍団を率いた場合、真っ先に狙われるのが・・・。」
雷閑「バランティだな。このまま大人しくしてくれると良いのだが。」
レッド「そうだな。だけど・・・。いい方向で終わる気はしないな。」
雷閑「しかも、我々は最前線で災害と対峙する可能性があるかもしれない。」
レッド「だな。正直あんまり想像はしたくないな。」
レッド「現状、俺達のパーティーで災害に対抗できるほどの戦力は持ち合わせていないしな。」
雷閑「この大渓谷に爆弾でも設置しておく事も必要かな。」
レッド「馬に乗りながら爆弾設置か・・・。正直現実的じゃないな。」
レッドと雷閑は厄災の動きがまだわからない事に不安を感じていた。
その後、各自が準備を着実に進めて行く中、出発する少し前の日に
レイラの武器と防具一式がついに完成した。
~レイラサイド~
アリル「どうだ?」
レイラ「すごいよ、あの設計図からよくここまでの刀を作れたね。」
アリル「難儀したよ。今までと勝手が違うから何本も失敗してやっと完成したんだから。」
アリル「そして今着てるその装備は、通気性を良くし、快適に動けるようにするために
装備面積を減らした代わりに少し強めに防御魔法を全身に施したよ。」
アリル「見た目は装甲が無さそうに見えるけど、そこそこの攻撃を受けても
大丈夫なように制作したわ。」
アリル「ただし、無敵ではないから戦う時は注意してね。」
レイラ「わかった。ありがとうアリル。」
レイラは店を後にした。外では雅一達がレイラの登場を待っていた。
レッド「どうだ?レイラ。準備は出来たのか?」
レイラ「うん、武器も装備もちょうど完成したから今受け取りに来たの。」
ラフェスタ「へぇ、なんか弓のイメージが強いエルフだけど、すごく雰囲気が変わったね。」
レイラ「そう?」
すると日本刀を見た雅一が思わず驚いてしまった。
雅一「って、おい、レイラ。その剣って。」
レイラ「ん?あぁ、なんとか完成したよ。まぁ限りなく日本刀に近づけた
片手剣だけどね。」
レイラは雅一に完成した刀を見せるとまじまじを観察し始めた。
雅一「確かに、少し重量はあるけど・・・でも見た目はほとんど日本刀だな。」
レイラ「まぁ、これぐらいは妥協点だね。」
レッド「よし、これでみんな準備は整ったな。」
レッドが最終確認を取ったその時、レイラが一言あるお願いをし始めた。
レイラ「あの、出発前に一度、刀の感覚を確かめても良い?」
レッド「あぁ、良いぞ。どこでやる?」
雷閑「でしたら、近くの草原はどうでしょう。
ここからそこまで距離も離れてないですし。」
レイラ「そうね。じゃあそこで一度刀の感覚を確認しに行きましょ。」
こうして、雅一達は全員で近くの草原に足を運び出したのだった。




