ブレスト王国の惨劇
~今から数十年前 ブレスト王国~
当時まだ幼い子どもだったアルメス・レイラは城の中庭で木刀を持ち、
雷閑に稽古をつけてもらっていた。
レイラ(幼少期)「やぁ!はぁ!」
雷閑「いいですよ姫様、その調子です。」
回想が流れる中、レイラは自ら母国で起きた事について丁寧に話し始めた。
レイラ(現在)「私は小さい頃から雷閑に剣術の稽古をつけてもらっていたの。」
レイラ(現在)「王族は誰もが何かしらの戦いのスキルを身につける為に、
必ず稽古をつけるの。」
レイラ(現在)「私はいつも通り、雷閑と一緒に城の中庭で稽古していたわ。」
レイラ(現在)「でも、まもなくして一報が入ったの。」
レイラ(現在)「私の両親が乗っていた車両が爆発して炎上したの。」
レイラ(現在)「当時の国王は私の両親だった事もあって国民は混乱していたわ。」
レイラ(現在)「もちろん、王族の中でも国王不在の中で誰を臨時で国王にするかも
話された。当時の私は幼すぎた事もあって候補には上げることはできなかった。」
レイラの両親死亡から数週間後・・・。
レイラ(現在)「爆発事故から数週間後、ようやく新しい国王が誕生したの。」
レイラ(現在)「それが私の両親が国王だった時に側近としてそばにいた
スクワイド大臣とネイベント妃だったわ。」
レイラ(現在)「二人はすぐに臨時国王としてブレスト王国を引っ張っていったわ。」
レイラ(現在)「だけど、その直後、王国に怪しい雲行きが漂い始めたわ。」
国王が変わってから1週間後・・・。
レイラ(現在)「国王が軍の大規模な削減を命じ始めたの。」
レイラ(現在)「表の理由は平和な国にするためとしていたけど、実際は、
多額の賄賂をバイラズ帝国軍の上層部に渡して、代わりに防衛を頼み込んだの。」
雅一「なっ!あのバイラズ帝国に賄賂を!?」
レイラ(現在)「私がその情報を知ったのは、国王が変わってから半年後の事だったわ。」
レイラ(現在)「私は、突然自国の軍隊がものすごい勢いで減っているのに
違和感を持って、雷閑に調査をお願いしたの。」
雅一「その調査報告を受けた後、どうしたんだ?」
雅一がそう聞くとレイラは歯を噛み締めた後に話し始めた。
レイラ(現在)「それは・・・。」
~国王が変わってから半年後のブレスト王国~
レイラ(幼少期)「スクワイド国王!これは一体どうゆう事ですか!」
スクワイド「なんだねレイラ。その紙は?」
当時のレイラは証拠となる明細書を見せつけた。
レイラ(幼少期)「とぼけないで!あなた達がこの国に住む民から徴収した税金を
全部バイラズ帝国軍に渡したんでしょ!」
スクワイド「はは、何を言っているんだ?その明細書を見せても、
私がやったという証拠にはならないだろう。」
ネイベント妃「そうですわよ。全く、私の旦那に濡れ衣を着せるなんて
とんでもなく悪い子ですわね。」
レイラ(幼少期)「なっ!こんな時にも知らぬ存ぜぬを通すのか!」
スクワイド「お前こそその明細書を見せて私達にどうしてほしいんだ。」
スクワイド「明細書の事が事実であっても、私が指示した証拠はない。」
レイラ(幼少期)「お前達が国王に即位してから明らかに金の消費額が跳ね上がってる。
それも全て軍に渡っている!こんな事指示できるやつはあんた達以外に誰がいる!」
ネイベント妃「はぁ、うるさいガキンチョね。」
スクワイド「おい、その口うるさい小娘を黙らせろ。」
スクワイドの命令通り、兵士がレイラに向かって気を失わせたのだった。
兵士「姫様・・・すみませんっ!」
レイラ(幼少期)「ガッ・・・。」
レイラはその場で倒れてしまい、その後スクワイドはレイラを地下牢に閉じ込めるよう
指示を出した。
スクワイド「おい、その小娘を地下牢にぶち込め。護衛の者も一緒にだ。」
兵士「は、はいっ!」
兵士はレイラの事を担ぎ上げて連れて行く。その時、かすかな意識の中、
レイラはスクワイドとネイベントの会話を聴いていた。
ネイベント「全く、あの小娘。先代国王と同じくムカつきますわね。」
スクワイド「全くだ、どうせろくでもない育て方をしたんだろう。」
スクワイド「ま、先代国王を始末できたのは我々としても好都合だったわけだし。」
ネイベント「ですわね。バイラズ帝国軍と敵対関係になるのではなく、
友好関係を結べばなんの問題もないわね。」
ネイベント「多額の賄賂も住民を守るためならやすいものよ。」
スクワイド「全くだ、真正面から戦っても勝てない相手に敵対するなんて
頭おかしいとしか思えんな。」
レイラ(幼少期)は会話の途中で完全に気を失ってしまった。
そして現在のレイラが目を覚ました後の事を話し始めた。
~現在~
レイラ(現在)「私は地下牢の中で目が覚めたわ。その時雷閑も一緒にいた。」
レイラ(現在)「でも、私が地下牢に閉じ込められた直後にバイラズ帝国軍が
攻撃を仕掛け始めたの・・・。」
レイラ(現在)「結果的に大勢の死者を出して国はすぐに陥落。」
レイラ(現在)「私と雷閑は命からがらここまでたどり着いて、今に至るの。」
あまりのリアルな惨劇に雅一は絶句しており、心の奥底からえぐられるような
気持ちになった。
雅一「なんて事・・・。」
レイラ「バイラズ帝国に奪われた故郷・・・そして、国民を裏切った
あの国王は絶対に許さない。」
レイラ「私は・・・この命をかけて故郷を取り返す。そして裏切り者は絶対に
この手で・・・。」
レイラの言葉からは強い怒りと殺意が感じ取れる。雅一はレイラのあまりの怒りに
対して、何も言い返すことができなかった。
そんな話をしていると、待ち合わせ時間がすぐそこまで迫っていた事に気がつく。
雅一「やっべ!レイラの話聞いてたら待ち合わせ時間まで時間がねぇ!」
雅一「二人とも、走るぞ!」
レイラ「えっ!ちょっと!」
雷閑「おやおや、慌ただしい合流になりそうですね。」
3人は急いで待ち合わせ場所へと向かった。
一方、レッドとラフェスタは待ち合わせ時間よりも前の時間に合流していた。
~待ち合わせ場所 中央広場 中央噴水前~
レッド「さて、とりあえず、有益な情報はある程度手に入ったかな。」
ラフェスタ「そうね。やっぱり情報の街というだけあって、
バイラズ帝国に関する情報は結構あったよね。」
レッド「・・・。」
レッド「あのさ、ラフェスタ。」
ラフェスタ「ん?どうしたのレッド。」
レッド「あんまり突っ込みたくはないんだけどさ・・・。」
レッド「食の誘惑に負けすぎだろ・・・。」
ラフェスタの言葉に賛同していたラフェスタだったが、ラフェスタは両手いっぱいに
大量の料理を抱えており、美食を味わっていた。
ラフェスタ「んぐっ!ち、違うこれは私のせいじゃ・・・。」
ラフェスタ「そう!この街、どこ行ってもいい匂いするのが悪いのよ!」
レッド「すげー言いがかりだなおい・・・。」
レッド「じゃあ、ラフェスタはどんな情報も持ってきたんだ?」
レッドがラフェスタに問い詰めると、ラフェスタは一瞬でレッドに背中を向けた。
ラフェスタ「じょ・・・情報収集ぐらい・・・あ、朝飯前・・・だよー・・・。」
レッド「(絶対に忘れてやがる・・・。)」
レッドとラフェスタがやり取りをしていると、少し遅れて雅一がついに合流する。
雅一「ごめーん、遅れたぁー・・・。」
レッド「いや、大丈夫だよ。走って戻ってきたのか?」
雅一「あ、うん気づいたら時間がやばくて・・・。」
雅一が顔を上げてラフェスタの方を見ると、雅一も呆然としていた。
ラフェスタ「んぐっ、な、何・・・。」
雅一「ラフェスタ・・・お前・・・食いすぎだろ・・・。」
こうして3人は再び合流し、各自が集めたバイラズ帝国の情報を共有し始めた。




