リーブルの森とダンジョン探索
冒険者試験を追え、ついに冒険者となった雅一とラフェスタは冒険者初心者が良く行くという
【リーブルの森】に足を運び、依頼をこなしていた。
雅一「えっと・・・これがテペレ草。で、これがブロフマッシュルーム。」
ラフェスタ「しかし、薬草集めとか簡単な素材集めは中々につまらないものだね。」
雅一「仕方ないよ。冒険者になったからと言ってすぐにバイラズまで行けるわけ無いし、
それに旅費や消耗品の費用とかにもお金が必要だからね。まずは簡単な任務を受けてお金を
集めよう。」
ラフェスタ「魔物はいるはいるけど、そこまで脅威になりそうな魔物もいないから戦闘訓練にも
ならないし。はぁ~・・・。」
雅一「俺はこの薬草採取とか面白いよ。元の世界で見たこと無い植物とか見れるし。」
ラフェスタ「まぁ、異邦人からしたら確かに物珍しいだろうね・・・。」
二人は黙々と任務をこなしていき、任務に必要な量を取り終える。
ラフェスタ「さてと、こんなものかな。」
雅一「これ一度ギルドに戻って報告しないと行けないんだっけ?」
ラフェスタ「ん?あぁ、それでもいいけど・・・。」
ラフェスタはバッジの一部を軽く押す。すると目の前に謎の画面が出てきた。
雅一「な、なんじゃこりゃ!?」
ラフェスタ「あれ?説明書読まなかったの?このバッジは魔力を凝縮して作られてて、様々な事が
出来る様になってるんだよ。」
ラフェスタ「例えば、今出してるこの画面。今私達がやっている仕事内容が表示されてるでしょ?」
雅一「ふむ。」
ラフェスタ「これを選択して、納品を押すと・・・。」
ラフェスタ「納品専用魔法が出てくるって仕組み。」
雅一「じゃあ、ここに納品物を入れれば依頼完了と?」
ラフェスタ「説明書通りだとそうらしいね。入れてみようか。」
二人が受けた任務に必要な物を納品した。納品後専用魔法は消え、場面に納品を確認した事を示す
マークが付いた。
雅一「へぇー、便利なものだなぁ。」
ラフェスタ「これも魔法技術が発達したからできるようになった事なんだ。冒険者が毎回ギルドに
戻って来るという事ができない事も多いし、任務ほっぽりだして集めた素材独り占めする奴も
居たとか・・・。」
雅一「まぁこれなら確かにバックレる事はできないな。」
ラフェスタ「さて、せっかくだし次の任務でも見てみる?」
雅一「そうだな。どれがいいかな?」
二人が画面を見てどの任務を受けるか悩んでいたその時、一人の男性が二人に近づいてくる。
その気配に気づいたラフェスタはすぐに警戒態勢を取る。
ラフェスタ「ん?誰!?」
???「ひぃぃぃ、ちょ、ちょっと待ってください!」
雅一「お、おいラフェスタ、ただの人だよ!」
ラフェスタは構えた剣をおろした。
???「あぁ、びっくりした・・・突然武器構えられるなんて・・・。」
ラフェスタ「いや、流石に警戒するでしょ、ここは魔物もよく出てくる場所だし。」
???「そうですけども・・・。」
雅一「それで、あなたは一体?」
???「あ、申し遅れました。私、商人のクルドです。ちゃんと商人の証も持ってますよ。」
そういうと、商人の証であるバッジを二人に見せた。
雅一「ふむ。(なりすましとか海賊等ではなさそうかな?)」
雅一「それで、クルドさんは一体どんな要件で?」
クルド「実は、お二人の力を借りたくて・・・。」
ラフェスタ「私達新人冒険者で最低ランクだけど、それでも良いの?」
クルド「大丈夫です。丁度冒険者に頼みたい案件で・・・。」
商人クルドからの説明は、商品を運んでいる最中に魔物が周囲を取り囲み、荷物が襲われたとの事。
魔物たちは荷物も持ってダンジョンの奥へと進んで行ってしまったという内容だった。
ラフェスタ「なるほど、ダンジョンの奥へ・・・。だとすると私達だけだと厳しいかも。」
雅一「あぁ、そっか、ダンジョンの奥へ行くと強力な魔物が住み着いてるとかガイルさん言ってた
なぁ。」
クルド「ど、どうにかできませんか?取引先にもし荷台が襲われたなんて事知られたら・・・。」
雅一「ラフェスタ。どうする?」
ラフェスタ「とりあえず、偵察だけやりましょう。実際に荷物の回収をするのには人手が
必要になると思うから。」
クルド「はぁ、仕方ありませんね。では、魔物が入っていったダンジョンの入口まで案内します。」
雅一とラフェスタはクルドの案内で、魔物が入っていったというダンジョンの入口へ
たどり着いた。
~ダンジョンの入口~
クルド「ここです。魔物達は荷物を持ってこのダンジョンへ入っていくのを見ました。」
雅一「いかにもって感じだな。でもたしかにこれは冒険者とかじゃないと厳しいかもね。」
ラフェスタ「とりあえず、入る前に洞窟内で何かあった時の為に・・・。」
そう言うとラフェスタは洞窟の入口手前に簡単な詠唱を唱えた。詠唱を唱えると小さい魔法陣が
出てきて、数秒後魔法陣は静かに消えていった。
ラフェスタ「よし、これでなにかあった時にここまですぐ戻ってこれるわ。」
雅一「よし、じゃあ、クルドさんは近くにエルダがあるからそこに行って待ってて。
流石にこの場にいると魔物に襲われるかもだし。」
クルド「わかりました。荷物の事よろしくお願いします。後でしっかり報酬は支払いますので。」
そう言うとクルドは街の方向へスタスタと歩いていった。
ラフェスタ「さて、私達も行こう。」
雅一「そうだな。」
雅一とラフェスタは装備を整えダンジョンの中へと入っていった。
~ダンジョン内部~
~洞窟内~
二人は慎重にダンジョン内を進んでいく。
雅一「中は結構暗いな。しかも、まるで迷路みたいだ。ラフェスタ明かり灯せるか?」
ラフェスタ「任せて、フロストライト!」
ラフェスタがフロストライトを唱えると、周囲が明るくなり、洞窟内を視認しやすくなった。
雅一「そんな魔法覚えてたのか。」
ラフェスタ「これから先暗闇の中に入ることもあると思ってね。色々揃えておいたんだ。」
雅一「ガイルも言ってたな、準備は常に万全にって。」
そんな軽い雑談をしながら雅一とラフェスタは洞窟内を進んでいき、
道中魔物と出くわし、何回も戦闘がおきた。
魔物「グアアアア!」
ラフェスタ「はぁ!」
魔物「キキキー!」
雅一「ふん!」
ラフェスタと雅一は魔物を倒していく。しかし、最初の森の
ダンジョンということもあり魔物事態はそこまで強くない。更に魔物から取れる素材も多く取れ、
中々の収穫があった。
雅一「魔物結構いるな。しかも素材もこんなにたくさん手に入るぞこれは。」
ラフェスタ「そうだね。ちょっと格上もいるけど、そこまで強くはないね。」
雅一「今後、この洞窟は良い穴場になるかもな。ある程度素材を回収したら先に行くか。」
ラフェスタ「そうね。」
雅一とラフェスタは更に奥へ進んでいく。
雅一「そういえば、魔物にはランクがあったな。このダンジョンに出てくる魔物は・・・」
ラフェスタ「多分最上位でもDクラスぐらいかな。」
雅一「やはりあの時の座学も役に立ってるな。」
~回想~
ガイル「良いか、魔物にはそれぞれのクラスが分けられている。このクラスが高くなればなるほど、
強力な魔物として分類される。君達はこれから新人冒険者になるわけだが、
その時与えられるクラスは最低のEとなる。」
ガイル「Eクラスの魔物には、ブラッドゴブリンやスライム、フロッドエント等の魔物がいるぞ。」
雅一「あの、ラフェスタが言っていたキングゴーレム等の災害級の魔物はどの分類になるの?」
ガイル「基本冒険者が対峙する最高クラスは基本Aクラスまでなんだ。災害級の魔物となると、その
更に上、Sクラスに分類されるんだが・・・。その差は歴然だぞ。」
ガイル「まぁ、そんな奴と対峙する事など基本ないけどな。
あったとしてもひとつ上の格上が偶に出てくるぐらいだ。
まぁ、君達なら正直Dクラスも行けると思うけどな。ハッハッハ」
~今~
ラフェスタ「確かに、今の私達にA級とか来られても対処厳しいかもだしね。」
二人は更に奥へと進み、ついにとある場所にたどり着いた。
雅一「これは・・・」
ラフェスタ「扉だ。しかもかなり大きい・・・。」
雅一「でもここまでの道中荷物らしきものなかったから、もしかしてこの先にあるのか?」
ラフェスタ「でも・・・この立派な扉の奥に荷物を置く理由がわからないわね。」
雅一「親玉に貢ぐためだったりしてな。」
ラフェスタ「ハハハ、まさか・・・。」
ラフェスタ「でも、道中荷物なかったし、やっぱり行くしか無いよね。」
雅一「そうだな。行くか。」
二人は大きい扉の先へと進み始めた。