開幕!冒険者試験!
その後時間はあっという間に過ぎていき、ついに試験当日を迎えた。
~試験会場~
レッド「雅一!ラフェスタ、頑張れー!」
会場にはレッドを含めて多くの人が見物に訪れていた。久しぶりの試験ということもあり注目度が
高いのがわかる。
雅一「なんか、試験を受けるような雰囲気じゃないな。」
ラフェスタ「まるで闘技場にでもいるような感じ。」
ガイル「新人冒険者試験なんて何十年もやってないからな。
本来はここまで人は集まらないんだが。」
メル「それでは、新人冒険者試験の説明を行います。
雅一とラフェスタはこれから登場するボス訓練人形を見事に討伐できれば試験合格。
試験中は魔法、スキル、アイテムの使用は可。
しかしアイテムを途中で補充すること等はなしとなります。
もし雅一、ラフェスタ両方とも戦闘不能もしくは続行不可と判断された場合は試験失敗となります。」
ラフェスタ「雅一頑張ろ!」
雅一「お、おう。自信ないけど・・・。」
メル「それでは試験用人形の登場です!」
そうゆうと試験会場に巨大な魔法陣が現れ光り始め、少しずつ影が見えてきた。
ボス人形「グオオオオオオ!」
ボス人形は召喚されると同時に巨大な咆哮を放つ。大きさは4~5mぐらい、いやもっとあるかもしれない。体格もかなり大柄でとても強そうな気配を醸し出している。
雅一「これが、試験の相手・・・。デッカ・・・。」
ラフェスタ「強そう、でも全力をぶつけるまで!」
メル「それでは冒険者試験、初め!」
そしてついに二人の冒険者試験が始まった。
~冒険者試験:前半戦~
試験開始直後ボス人形は雅一とラフェスタに向かって強烈なパンチを放った!その威力は
従来の訓練人形とは比較にならない程強力なものだった。
雅一「あぶねぇ、あいつ図体の割に俊敏なんだな。」
ラフェスタ「あの攻撃力・・・。流石は試験用の人形ね。そこらの人形とわけが違うね。」
ボス人形「グオオオオオオ!」
ボス人形は攻撃の手を緩めることはない、巨大な図体を俊敏に動かし強烈な拳を放ち、その都度会場からは巨大な砂煙と衝撃が走る。パンチがあたった地面は陥没していたが、
それをうまく避けるラフェスタと雅一。
雅一「こっちからも仕掛けるか!」
ラフェスタ「了解!」
雅一&ラフェスタ「スキル「神速!!」」
神速を発動した雅一とラフェスタは移動速度が一気に上昇。一気にボス人形の間合いに迫る!
ラフェスタ「ハッ!」
ラフェスタは高く飛び上がり、人形に攻撃を仕掛ける。
ラフェスタ「ブラスト!スマッシュ!」
ボス人形「グアアアア!」
ラフェスタの拳が人形に直撃する。
雅一「フレイドショット!」
その後に雅一が斬りかかる。二人の息のあった連携攻撃で人形にダメージを与えていく。
ガイル「(残りの数ヶ月で更に極めたか、3年間でここまで成長するとは見事だ。)」
ボス人形「グオオオオオオ!」
ボス人形が更に激しい攻撃を仕掛ける!パンチ、キック、ブレスと様々な攻撃を繰り出す!
ラフェスタ「こんなもの!」
ラフェスタは華麗に人形の攻撃をかわし、すぐに反撃する。
ラフェスタ「はああああ!」
再び攻撃が入る。それに合わせてまた雅一も斬りかかる。
雅一「おらぁぁ!」
ボス人形「グォォォォ!」
雅一「やべっ!ライブシールド!」
雅一にボス人形の強烈な拳が雅一に直撃。それを雅一はバリアと剣を使い耐える!
雅一「う・・・っく・・・」
緊急的なバリアでなんとか耐える。
雅一「あ、あぶねぇ・・・。一瞬でも遅れてたらやばかったかも。」
しかし、ここで試験人形が更に早く動き出す。
ラフェスタ「気を付けて!」
雅一「な!はっや!」
そんな事を言っていると雅一に強い一撃が入り雅一にダメージが入ってしまう。
雅一「グハッ!」
雅一はその勢いで飛ばされてしまう。
ラフェスタ「雅一!」
雅一「あ・・・あ・・・。(い・・・息が・・・できないっ!)」
雅一の当たりどころが悪く、雅一の呼吸がうまくできない状態になっていた。
ラフェスタ「まずいっ!」
ラフェスタはすぐに雅一の所に駆け寄る。
ラフェスタ「待って!今回復するから!ヒール!」
ラフェスタのヒールでなんとか雅一は回復した。
雅一「あ、ありがとう・・・。」
ラフェスタ「早く立って!次来るよ!」
その後人形の攻撃が更に激しくなり、反転攻勢になってきた。二人はなんとか反撃するが、
流石に本気を出してきた試験人形によってダメージが蓄積していく。
ラフェスタ「ハァ・・・。ハァ・・・。」
雅一「ハァ・・・。ハァ・・・。」
人形「グルルル・・・。」
二人は負傷しながらも一応立っている。しかし、二人はかなり疲弊している。
雅一「くっそ・・・。このままじゃ・・・。」
ラフェスタ「次で決めないと・・・。」
雅一「一か八かだが、ラフェスタ。息を合わせて、一気に仕留めるぞ!」
ラフェスタ「わかった!」
二人は次の一撃で決める覚悟をついに決め、臨戦態勢をとる。
~冒険者試験:後半戦~
二人は相当疲弊しており、これ以上長い戦いは不利と判断した雅一はある提案をする。
雅一「ラフェスタ、あいつの注意を引いて時間を稼ぐ事出来るか?」
ラフェスタ「出来なくはないけど、どうする気?」
雅一「一撃で仕留める。そのために集中する時間がほしい。」
ラフェスタ「・・・了解。でも時間かけすぎないでよね。」
ラフェスタ「スキル「神速!」」
ラフェスタは神速を繰り出し、目にも留まらぬスピードでボス人形に迫る!その間
雅一は剣を構え両目を閉じ、深呼吸をし始めた。
雅一「すぅー・・・」
雅一「(敵の急所を狙って・・・一撃で仕留める・・・。漫画のようにうまくいくかはわからないけど、やってみるしかない!)」
雅一が深呼吸をし始めて少しすると剣が光りだした。
レッド「ん?なんだ?あの光は!」
ラフェスタ「はあああ!!」
ラフェスタは神速のスピードを活かし、ボス人形に何度も攻撃を与え続ける。
雅一「(俺はあの時決めたんだ、ラフェスタの力になって共に戦うことを!)」
雅一「(だから、この試験、絶対に突破して見せる!)」
すると剣が強く光だし、周囲を眩しく照らす。
メル「う、眩しい・・・。」
ガイル「これは・・・まさか・・・。」
呼吸と整えた雅一は一気に目を開け、ついに行動に移る!
雅一「スキル「神速!」」
雅一は神々しく光る剣を持ち神速で目にも留まらぬ速さで試験人形に迫る!
しかしラフェスタがそろそろ耐えるのも限界になりつつある。
人形「ぐぁぁぁぁ!」
ラフェスタ「くっ!こんのっ!」
ラフェスタは人形の動きを全身を使い止める。
ラフェスタ「雅一!今だ!」
雅一「グランド!」
人形「ぐぁぁぁぁ!」
人形も雅一に気づき、雅一にめがけて渾身の一撃を当てる。
雅一「スマーーーッシュ!!」
ボス人形の渾身の一撃と雅一の神々しい剣が衝突し、周囲に大きい轟音と衝撃が走る。
雅一「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ボス人形「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!」
両者ともに攻撃がぶつかり合う!両者とも一歩も引かない状況が続く!
雅一「っく、やはり・・・駄目なのかっ!」
ラフェスタ「雅一、そのまま押し続けて!」
そう言うとラフェスタは強靭な脚力で一気に飛び、人形に迫る!
ラフェスタ「私の、渾身の一撃を食らわしてやる!」
ラフェスタ「ストロング、クラッシュ!」
ラフェスタの渾身の一撃がボス人形に直撃!ボス人形を二人の渾身の一撃で押し返す!
ボス人形「ぐ、ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
雅一&ラフェスタ「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
戦いの衝撃により濃い砂煙が舞い上がった事で二人と人形が外からだと
状況が見えない程になっていた。
レッド「ど、どうなったんだ?」
ライフ「砂煙でよく見えん・・・。」
観戦してた人々がザワザワし始める・・・。
少しすると風が吹き始め、砂煙が晴れ始めて二人の姿がついに見えるようになった。
~冒険者試験:結果発表~
レッド「!!」
ライフ「こ、これは!!」
みんなが目にしたのは見事にボス人形を打倒した二人の姿だった。
メル「が、ガイルさん。これは・・・。」
ガイル「うん、文句なしだ。」
メル「・・・。雅一とラフェスタ、両者はボス人形を見事討伐しました!試験、合格です!」
観客「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
レッド「やったぁぁぁぁ!」
ライフ「うむ、見事じゃ!」
合格発表に大盛りあがりを見せる観客たち。ガイルは二人に近づいて成果を称える。
ガイル「おめでとう。二人共。見事な連携だった。戦い方も実に素晴らしいものを見せてもらった」
ラフェスタ「はぁ、はぁ・・・。あ、ありがとう・・・。」
雅一「はぁ、はぁ・・・。ゆ、夢じゃないんだな。」
ガイル「あぁ、君達は紛れもなく今日から冒険者を名乗れるぞ!」
こうして雅一とラフェスタは新人冒険者としてついにスタートし始めた。