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教官ガイルの実践訓練

そして告知から数日後、ついに二人は実践訓練の日を迎える。

雅一とラフェスタは定位置に移動し、実践訓練の準備を整える。

雅一「これぐらいで良いですか?」

ガイル「あぁ、問題ない。」

ガイルは大剣を抜き、体制を整える。

雅一「でも、死ぬような攻撃はなしなんですよね?」

ガイル「それはしないが、死ぬ気でやる必要はあるぞ。」

雅一「ねぇ、ラフェスタ。やっぱりまだ早いんじゃないか?

ようやく中級の訓練人形5体を相手にできるようになったぐらいなのに。」

ラフェスタ「でも、実践経験が一番多く経験値を得ることができる、

こんな機会めったにあることじゃない。」

雅一「うぅ・・・仕方ない。」

雅一も剣を抜き、ラフェスタも臨戦態勢を取る。

ガイル「では、実践訓練、開始!」

ガイルの合図でファンファーレがなる。


~実践訓練開始~

ラフェスタ「よし、いくよ!」

雅一「お、おう!」

雅一とラフェスタはついに攻撃を仕掛け始める、先にラフェスタがガイルにめがけて攻撃を仕掛ける。

ガイル「お、来たね。」

ラフェスタ「はぁぁぁぁ!」

ラフェスタはガイルに向かって思いっきりの拳を放った。その威力は初期の頃とは比べ物にならない

程に強力な威力を放っており、その威力で周囲に砂埃が舞う。

雅一「す、すごい威力だ。これが猫族の力なのか・・・。」

ガイル「ほう、流石だ。鍛錬の成果が実っているな・・・。」

しかし、ガイルはラフェスタの拳を片手で受け止めている。

ラフェスタ「なっ・・・!?」

雅一「ウッソだろ・・・。ラフェスタの拳を片手で受け止めた!?」

ラフェスタ「そんなっ!」

ガイル「だが、それではまだまだ威力に欠けるな。はぁっ!」

ガイルはラフェスタの拳を弾き返す。

ラフェスタ「くっ!」

雅一「ラフェスタ。大丈夫か?」

ラフェスタ「えぇ、大丈夫よ。」

雅一「さすが元大剣豪。そんな簡単にはいかないか。」

ガイル「では、今度はこっちから行かせてもらおうかな。」

ガイルは剣を構え、一瞬で二人の距離を詰めて目の前に現れる。

雅一「早っ!?」

ガイルは思いっきり大剣を振りかざし、二人に攻撃を仕掛ける、しかし、そこにラフェスタが先に

剣を受け止め、攻撃を防ぐ。

ラフェスタ「うぅ・・・ぐぐぐ・・・。」

雅一「ラフェスタ!」

ラフェスタ「早くっ!」

雅一はラフェスタの作った一瞬のスキを使ってガイルの攻撃を回避する。

ガイル「ほう、ここまで成長したか。教えるものとしてこれほど嬉しい事はないな。だがっ!」

ガイル「ふんっ!」

ガイルは更に力を込めてラフェスタを思いっきり吹き飛ばす。その影響でラフェスタは勢いよく

ふっとばされてしまう。勢いよく地面に激突したラフェスタにかなりのダメージが入る。

ラフェスタ「ガハッ!」

雅一「ラフェスタ!」

雅一「く・・・くそっ!うおおおおおお!!」

雅一も負けじとガイルに本気で何度も斬りかかる。その攻撃をきれいに受け流す。

ガイル「今まで剣すら持ったこともないとは思えないほど腕を上げたな。」

雅一「(こ、このおっさん!全部剣で受け止めやがったっ!)」

ガイル「ほら、まだ訓練は終わってないぞ。」

ガイルは一瞬で雅一の懐に入る。

雅一「ほえっ!?」

ガイル「オラァ!!」

雅一の体に強烈な拳が炸裂する。

雅一「グボァ!」

雅一も同じく勢いよく飛ばされ、地面に衝突する。

しかし、威力調整をミスり雅一は一撃で瀕死状態になってしまう。

雅一「ア・・・ガっ・・・。(これ・・死ぬって・・・。)」

ガイル「あれ・・・。少し力強すぎたか・・・。久しぶりの実践訓練で少し気合はいりすぎたか。」

ガイルは少し反省をする。しかし、その背後をラフェスタが格闘術で仕掛ける。

ラフェスタ「はああああ!!」

ガイル「不意打ちか。」

しかし、ラフェスタの攻撃はガイルに華麗に受け流される。

ラフェスタ「私は・・・まだ戦える!」

ガイル「その心意気は素晴らしい。どんな逆境な時であっても、戦いの時に弱みを出すと、

そこに付け込まれる。」

ラフェスタ「もっと・・・攻撃の精度をあげないと!」

ラフェスタ「はああああ!!」

ラフェスタはすべてを出し切るほど全力で拳や蹴りを何度も繰り返す。

しかし、ガイルはその攻撃を軽く避けてしまい、攻撃が当たらない。

ラフェスタ「くそっ!このっ!」

ガイル「見事な攻撃だが、まだ足りない部分があるな。」

ガイル「デイ・クラッシュ!」

ラフェスタ「!?」

ガイルの強烈な一撃がラフェスタに直撃する。ラフェスタは攻撃をしている間を狙われた為受け身を

取ることが出来なかった。

ラフェスタ「ガッハ!・・・・。」

ラフェスタは一気にふっとばされ、思いっきり激突する。その時ラフェスタは吐血してしまう。

ラフェスタ「ガ・・・ア・・・。ゴボォ・・・。」

ガイル「うむ・・・流石にこれ以上は厳しいか。今日は早いがここまでにするか。」

しかしラフェスタはフラフラになりながらも再び立ち上がる。

ラフェスタ「ま・・・まだ・・・。」

ガイル「ほう、ここまで心が強いとは・・・。」

ラフェスタ「う・・・ぐっ・・・。ゴホッ・・・。」

なんとかギリギリで立っているラフェスタだったが、流石に力尽きてしまい、倒れてしまう。

ガイル「今日の訓練はここまで。こんな短期間でここまで成長できるのは素晴らしいことだ。」

ガイル「しばらくお休みにする。しっかり体を休めなさい。」

そういうと、ガイルは回復薬を二人の近くに置いてその場を後にした。

~実践訓練終了~


二人はしばらく地面に倒れ込んでおり、気がつくとすでに周りはすっかり遅くなっていた。

雅一「なぁ・・・生きてるか・・・。」

ラフェスタ「なんとか・・・。」

雅一「これ・・・今後も続くのか・・・。」

ラフェスタ「うぅ・・・まだ・・・痛い・・・。」

二人はなんとか手を伸ばし回復薬を服用する。そしてなんとか最低限動けるようにはなった。

そこにメイドが現れる。

メイド「お二人共本日はお疲れ様でした。」

雅一「メイド?なんでここに?」

メイド「本日はもう遅いのでギルド管轄の宿泊施設に泊めることになりました。」

ラフェスタ「ら、ライフさんには話しているの?」

メイド「問題ありません。ライフさんには事前に話を付けています。

さあお二人さん、肩を貸しますのでこちらへどうぞ。」

雅一「お・・・おう・・・。」

雅一とラフェスタはメイドに担がれながらすぐ近くの宿泊施設に移動することになった。


~一方冒険者ギルドでは~

メル「あら、ガイル。実践訓練終わったの?」

ガイル「あぁ、二人の成長は素晴らしい。1年と数ヶ月であそこまで行けるとは」

メル「でも、流石にやりすぎな気もするけど。」

ガイル「いやぁ、久しぶりの実践訓練なだけあって少し力みすぎてな。力の入れ具合を

考え直さんといけんな。」

メル「全く、遠目で見てたけど、ヒヤヒヤしたもん。」

メル「あ、そうだ、雅一の剣。特に何も起きなかったわね。」

ガイル「あぁ、そうだな。フレッドが言うにはあの剣には特別な力があるらしいんだが、

発動条件が曖昧すぎてよくわからないらしい。」

メル「じゃあ、実践訓練を入れたのはその特別な力を見るため?」

ガイル「数日前の話し合いではそういう風に受け取れたけどな。」

メル「そんな確定要素が皆無な情報を頼るの?」

ガイル「まぁ、相手が相手だしな。少しでも可能性を増やしておきたいんだろ。」

ガイル「さてと、まだまだ訓練続くからこっちも頑張んとな!」

メル「死なせないでよね。」

ガイル「うっ、わかってるって・・・。」

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