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冒険者訓練から実践訓練へ

一人前の冒険者になるために訓練を始めたラフェスタと雅一。

最初の訓練開始からまた時が経ち、更に成長を見せていた。今日は実際にガイルから

様々な手ほどきを教えてもらっていた。

ガイル「いいか雅一、剣を降る際は体の重心をしっかり支え、剣を振った際にバランスが崩れるのを防ぐんだ。そして、剣を振る際は、ただ力いっぱい振るのではなく、上半身の筋肉をしっかりと使って振るんだ。」

雅一「こうですか?」

雅一はガイルの教えの通りに剣を振ってみる。

ガイル「剣の持ち方が少し甘いな。持ちての所は、ここをこうやって持つとより剣を振りやすくなる。」

雅一はその通りに持ち替えて剣を振ってみる。

雅一「すごい、さっきよりも全然振りやすい。」

ガイル「じゃあ、それでいろんな動きを混ぜながら降ってみなさい。」

雅一「わかりました。」

次にガイルはラフェスタの格闘戦闘の相手をすることにした。

ラフェスタ「行きます!」

ラフェスタ「はぁっ!」

ラフェスタはガイルにめがけて、何度も蹴りやパンチを繰り出す。

ラフェスタ「ハッ!やぁっ!」

ガイル「ふむ、さすがは猫族だな。身体能力が高いが故に基本的な動作には申し分ない。けど。」

ガイル「次の攻撃が見え透いているな。次に何を出すのかすぐに分かってしまう。そうなると敵や魔物

に動きを察知されやすくなる。」

ラフェスタ「そうか・・・。だから人形を相手にしてた時、やけに命中率が低かったのか・・・。」

ガイル「一つ一つの動作にも力がこもっていないのもわかるな。打撃の場合、剣や槍等の武器と違い、

己の肉体とスピードで勝負が決まる。」

ガイル「パンチを一発撃つだけでも、ただ撃つのと全意識を拳に込めて体全体で撃つのとでは

大きく差が生まれる。」

ラフェスタ「なるほど・・・。」

二人はガイルに様々な手ほどきを付けてもらい、少しずつ動きが様になっていく。

もちろん、薬草や魔物の生態に関する授業も受けつつ、二人の冒険者としての訓練は着実に

実り、更に数ヶ月後、季節はすでに冬になっており、1年が経過しようとしていた。


ラフェスタ「ハッ!」

ラフェスタの拳が人形当たる。威力が更に上がり、命中精度も上がっていた。

ラフェスタ「よっ!」

人形の攻撃も回避率が上がっていき、始めたての頃よりもよりも更に洗練された動きを見せる。

ガイル「良いぞ。ラフェスタ。その調子だ。」

ガイル「さて、雅一の方はどうかな?」

雅一「はぁっ!!」

雅一もこの1年近く訓練を続け、剣の振るスピードや攻撃の命中率、回避率等全体的な

向上が見受けられる。

雅一「やった。これで3体連続撃破か。」

ガイル「ほう、この二人。成長スピードが早いな。これは本当に優秀な人材だ。」

そして訓練の終了の合図が鳴る

ガイル「よし、今日はここまでだ。」

ラフェスタ&雅一「ありがとうございました。」

ガイル「まさか1年近くでここまで成長できるとは正直驚いたよ。君たちには才能がある。」

雅一「そ、そうかな?」

ガイル「目標数値まではまだほど遠いが、これなら想定してたよりも早い段階で冒険者試験を

受けることができると思うぞ。」

ガイル「それじゃあ、また明日な。」

ガイルはそのままその場を後にする。

ラフェスタ「1年でようやく数値が3000ぐらいか。」

雅一「まだまだ先は遠いな。」

ラフェスタ「私、もっと自主練してくるよ。」

雅一「え?でも人形はもう出ないだろ?」

ラフェスタ「もっと、体に戦い方を覚えさせて、1日でも早く目標にたどり着きたいの。」

雅一「そうか。」

雅一「俺はもう少し休むとするよ。なにか飲み物でも買ってこようか?」

ラフェスタ「ありがとう。じゃあ、お願いしようかな。」

雅一はその場から離れ飲み物を買いに行き、訓練場にラフェスタ一人だけとなった。

ラフェスタ「さて・・・。」

ラフェスタが持ってきたのは建物横においてあった巨木の丸太。それをラフェスタの周りに4本用意し、

自主練を始めた。

ラフェスタ「ふぅ・・・。」

ラフェスタ「はあっ!」


~飲み物を買いに行った雅一~

店員「まいど!」

雅一は買い物をし、ラフェスタの所へ戻る。

雅一「自主練かぁ。彼女、俺よりも絶対年下なのに、すごいなぁ。」

雅一はそんな事を言いながらラフェスタの所へ帰還する。

雅一「飲み物買ってきたぞ。」

すると雅一の目には真剣な眼差しで汗だくになりつつ巨木の丸太に拳や蹴りを入れて自主練をする

ラフェスタの姿が映った。

雅一は静かにベンチに座り、その光景を眺めていた。

ラフェスタ「ハァッハァッハァッ・・・。」

ラフェスタは汗を拭い、また呼吸を整えて再度自主練を始める。

雅一「すごいなぁ・・・。」

雅一「しかし、やはり寒いな・・・。早く帰って風呂に入りたいや。」

その数分後。ラフェスタの自主練が終了する。

ラフェスタ「ハァッハァッハァッ・・・。」

雅一「おつかれ。」

ラフェスタにタオルと飲み物を渡す雅一。

ラフェスタ「ありがとう。」


~ベンチ~

ラフェスタ「プパーッ!生き返るぅ・・・。」

雅一「あの巨木どうしたんだよ。」

ラフェスタ「倉庫の建物の裏においてあったからね。使わせてもらってるの。」

雅一「でもあれ、太さ1mぐらいはありそうだぞ。」

ラフェスタ「あれを折れるようになれば、一気に近づくかと思ってね。」

ラフェスタは数値を雅一に見せる。

雅一「あれ?数値が少し上がってる?」

ラフェスタ「このエリア内であれば、たとえ人形じゃなくても上がっていくみたいなの。

上がり幅は小さいけどね。」

雅一「3000から3100か。この短時間で100レートが上がったか。・・・。」

ラフェスタ「でも、まだまだだよ。人形もそうだけど、自主練も重ねていかないと・・・。」

雅一「そうだな。結局俺達このままだと弱いままだからな。」

ラフェスタ「はぁ~、でもいっぱい汗かいちゃった・・・。今日はもう戻って早くお風呂に

入らないと。」

ラフェスタの汗によって服が少し透けているのに少しだけ動揺する雅一。

雅一「お、おう、そうだな。」

ラフェスタ「ん?どうしたの?」

雅一「いや、なんでもない。さ、早く戻ろう。そのままだと風邪引いちゃうだろ?」

ラフェスタ「そうね。それに冬になって寒くなってきたしね。」

二人は訓練場を後にし、本日の訓練が終了する。


そして日が登りまた訓練を開始する。最初の訓練開始から年が明けてから3ヶ月が経過。

二人は更に成長を見せ、かなり良い動きが出来るようになった。

ガイル「また更に良くなったな。」

ラフェスタ「これもガイルさんの指導のおかげです。」

ガイル「でも、聞いているぞ。終わった後も自主練をしていると、

ここまでやる人はそう多くはない。」

雅一「そこまで言ってもらえると逆に照れるな。」

ガイル「さて、レートが5000に到達したな。ここからは私自ら相手となろう。」

ラフェスタ「えっ?」

雅一「まさか、実践訓練?でもまだ1年と数ヶ月だし。」

ガイル「実際の現場では訓練のようにいかない場合もある。その為に実践経験が必要なのさ。

ギルマスからのお願いではあるが、やるかどうかは自分達で決めてくれ。」

雅一「確かにガイルさんの言う通り、実際では訓練のようにいかない場合もある。不意打ちに、

トラップ。さらにより多くの敵と通常の訓練だとできない事も学べるけど、

そんな事たった1年と数ヶ月の俺達にできるとは・・・。」

ラフェスタ「その挑戦受けさせてください!」

ガイル「お?決断早いねぇ。」

雅一「っておぉぉぉい!」

こうして雅一とラフェスタは共にガイル教官との実践形式の模擬訓練を実施する事になった。

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