ようこそ、バイラス帝国へ
雅一達はトンネルを抜けてついにバイラス帝国へ到着する。
雅一「ここが・・・バイラズ帝国か・・・。」
初めて降り立った敵の本拠地があるバイラズ帝国に足を踏み入れた雅一達の目に
初めてバイラズ帝国の景色が映し出される。
レッド「こ・・・これがバイラズ帝国なのか?」
しかし雅一達は想像してた景色とは全く違う景色が広がっており、
眼下に広がるのはきれいな草原と真ん中に大きい木、
さらに心地よい風と草がなびく音。
鳥のさえずりが聞こえてきたり、花壇には様々な花々が飾ってある。
ラフェスタ「なんか、イメージしてたのと随分違うけど・・・。」
ペイセル「なんてきれいな場所・・・。」
だが、この景色をみた雅一はものすごい違和感を覚える。
雅一「なぁ、俺達って山脈のトンネルを越えてバイラズ帝国に来たんだろ?」
レッド「あぁ、道は間違っていないはずだが・・・。」
雅一「じゃあなんで・・・。」
雅一「後ろにその山脈がないんだ!?」
後ろを振り返るとあるのは異様に存在感を出しているトンネルの出入り口のみで、
後ろには山脈はなく、木々が生い茂っていた。
レイラ「これは・・・一体どうゆう・・・。」
ラフェスタ「まさか、これは幻覚かなにか?。」
あまりの不思議な光景を目の当たりにし、幻覚を見ているかと疑問視するが、
雅一「いや、幻覚なんかじゃない。ほら、草も木も触れることができる。」
雷閑「じゃあ、ここが本当にバイラズ帝国なのか・・・。」
しかし、雅一はこの光景を見てどこかで見たことがある感覚を覚える。
雅一「俺、少し気になることがあるんけど、この光景・・・
どこかで見たことがある気がする。」
ペイセル「本当に?」
レッド「この世界で見たことがあるのか?」
雅一「いや・・・この世界じゃない・・・元の世界で・・・。」
レイラ「も、元の世界で?」
流石に疑う仲間達だったが、雅一はその不思議な感覚を頼りに仲間達に
あることを伝え始める。
雅一「なぁ、この近くに看板とか案内板みたいなものはないか?」
レッド「わからん。まだここがどんな場所なのかも・・・。」
雅一「だったら手分けして探してみてくれ。」
ラフェスタ「なにか・・・理由でもあるの?」
雅一「いや・・・ただ俺の予想があたってほしくないだけだ・・・。」
そういうと雅一達は近くを探し回る。すると元いた広場の近くには虹色の遊具や、
石でできた作り物のドラゴン、さらに、綺麗に舗装された小さい道路等、
様々なものを発見し、ついにラフェスタが大きい看板を見つけだした。
ラフェスタ「みんな!ちょっと来て!」
ラフェスタの呼びかけに応じた雅一達は全員で大きい看板の場所に集まる。
レッド「どうした!?なにか手がかりでも見つけたか?」
ラフェスタ「この看板見てよ。」
ラフェスタが見つけた看板を全員が見ると、どうやら何かのマップのようだった。
雷閑「なんだ?この地図みたいなものは・・・。それに・・・。」
ペイセル「見たこともない字に絵がいっぱい書いてある・・・。」
そのマップを見た雅一は我を疑った。
雅一「まさか・・・そんな事があるのか!?」
レイラ「雅一、なにか知ってるの?」
雅一「し、知ってるも何も・・・。ここは・・・。」
雅一「元の世界にある【国営昭和記念公園】の公園マップだ!!」
雷閑「こ・・・国営・・・。」
ペイセル「しょうわきねんこうえん?」
ラフェスタ「聞いたことない・・・。」
レッド「そんなものこの世界には・・・。」
雅一「あぁ、あるはずがないんだよ・・・。だって、この公園は、」
雅一「俺が元いた世界にしかない公園なんだから!」
ラフェスタ「い、一体どうゆうこと!?まさか私達、バイラズ帝国じゃなくて、
雅一の故郷に来ちゃったって事なの!?」
レッド「し、知らないぞ!俺は・・・本当にこの地図の通りに・・・。」
雅一達はあまりの衝撃的な事に頭が混乱してしまう。
するとレイラが一度落ち着くように進言する。
レイラ「みんな、とりあえず一旦落ち着こう!」
雅一「あ、あぁ・・・そうだったな。すまん取り乱して。」
レイラ「いや、流石にこれは混乱するけど、一度状況を確認しよう。
そう言うと雅一達は近くにあった日本庭園内にある
歓楓亭に身を寄せる。
・昭和記念公園? 日本庭園 歓楓亭
ラフェスタ「なんか・・・この建物すっごく雰囲気良い・・・。」
雷閑「あぁ、窓から見える景色も美しいな。」
レッド「感心してる場合じゃないだろ・・・。今の状況を整理しないと。」
ペイセル「まず、さっきも元の地図でも確認したけど、
ここは本当にバイラズ帝国の中みたいだね。」
レイラ「それでいてなぜか雅一の世界にある公園がここに存在している。」
雅一「これ・・・本当にどうなってんだ?」
雷閑「もしかしてこれもあのブラッドという男の仕業なのでは?」
レッド「だとしたらそのブラッドがこの公園の存在を知っている事になるけど。」
雅一「仮にそうだとしたらブラッドは俺と同じ異邦人の可能性も出てくる。」
ラフェスタ「もしそうならブラッドは・・・。」
雅一「あぁ、何かしらのチート能力を持っている可能性は十分にある。」
ペイセル「ブラッドが・・・雅一と同じ異邦人・・・。」
雅一「そうでなければこの公園の存在を知るはずがないしな。」
雅一達が現在考えれることを話し合っていると、
外からテレビの砂嵐音みたいな音が突然流れてくる。
レッド「な、なんだ!?この音は!?」
雅一「外の方だ・・・みんなの原っぱ方面から聞こえる!」
雅一達は急いで最初に訪れた地、みんなの原っぱへと戻る。
・昭和記念公園? みんなの原っぱ
ペイセル「確かにここから音がする。」
ラフェスタ「あ、みんな!上を見て!」
ラフェスタが上を指差し、全員が上空を見上げると、そこには謎の砂煙の映像が
映し出されていた。
レッド「な、なんだ!?」
すると徐々に砂嵐が消え、映像が鮮明になってくる。すると男性が一人、
映像に映っていた。
雅一「だ、誰だ?あの人?」
・映像・
ブラッド「ようこそ、バイラス帝国へ。
俺はこのバイラス帝国を統治しているブラッドだ。」
ペイセル「あいつが・・・。」
ラフェスタ「ブラッド・・・。」
レイラ「この戦争の・・・首謀者・・・。」
雅一達が真剣な顔で映像を見る。
ブラッド「ハッハッハ、どうだい?この東京の世界を再現率を!」
雅一「と、東京の・・・。」
レッド「再現率!?」
ブラッド「お前達を驚かせるためのサプライズとして俺様が用意してやったよ。」
ペイセル「まさか、本当にあの人が?」
ブラッド「さて、なぜこの俺様が直々に顔を出してこの放送をしているか
気になる所だろう。」
ブラッド「俺様を倒すっていう生意気な小僧共、本当に倒す気があるなら、
国会議事堂まで来い!」
ブラッド「俺様はそこでお前達の到着をじっくりと待っているぞ。」
ブラッド「その事を伝えるためにこの放送をお前達に送ってるのさ。」
ブラッド「ま、どのみちお前らでは勝ち目はないけどな。せめてもの譲歩だ。」
ブラッド「それじゃあ、せいぜい頑張ってあがいてみるがいいさ。」
そういうとブラッドは高笑いしながら映像を切る。
ラフェスタ「ま、待て!」
雅一「あれはただの映像だよ。俺達の声は聞こえはしない・・・。」
ラフェスタ「っ!」
レッド「ど、どうするよ。国会議事堂で待つって言ってたが。」
ラフェスタ「決まってるでしょ・・・。行くよ!ブラッドの元へ!」
雅一「そういうと思ったよ。道案内なら俺に任せな。」
ペイセル「雅一、道わかるの?」
雅一「あぁ、この世界が元の東京と同じ街なら、ルートも変わらないはずだ。」
ラフェスタ「よし・・・。みんな!行こう!」
こうしてついに雅一達はブラッドの元へとついに歩み始めた。