ラッペン前線基地の大戦
シュラストが下した命令で前線基地内にいるすべての兵力が雅一達の始末に
動き出す。そのアナウンスは雅一達にも伝わっていた。
・宿泊棟
レイラ「わ、私達を始末って・・・。」
レッド「想像はしてはいたけど、いくらなんでも急すぎるだろ!」
雅一「ってかこれ非常にまずいんじゃないか・・・。俺達無防備だぞ。」
雷閑「とにかく、早く縄をほどいてここから逃げないと!」
雅一達が慌てて早く縄を解こうとした次の瞬間、雅一達のいる宿泊棟の壁が
突然ぶっ壊れる。
雅一「わ!な、なんだ!」
ペイセル「も、もう敵が・・・。」
雅一達は一瞬覚悟を決めたが、壁の穴からは猫又になったラフェスタが
前に立っていた。
ラフェスタ「みんな!大丈夫!?」
ラフェスタは雅一達の助けに来たものの雅一達は姿が変わったラフェスタを
見てもラフェスタだとは気づかない。
雅一達「(だ・・・誰だっ?)」
レッド「お、おい雅一、俺こんな子知らないぞ・・・。」
雅一「俺に聞くなよ・・・。猫又の知り合いなんて俺にもいないぞ。」
ペイセル「で、でも私達の事知ってるみたいだし・・・。」
レイラ「気をつけたほうが良いよ、もしかしたら新手の敵かも!」
ラフェスタ「(あ・・・あれ~・・・。これひょっとして気づいてない?)」
ラフェスタ「私だよ!ラフェスタだよ!」
雷閑「ラフェスタってあんな見た目だったか?」
雅一「髪色と目の色は列車でクルドと戦った感じに似てはいるけど・・・。」
ラフェスタ「(だ、駄目だ・・・装備も見た目も変わってて
これじゃあ気づいてもらえない!)」
すると背後から兵士達が迫ってくる。
兵士達「いたぞ!あそこだ!」
ラフェスタ「(まずい・・・兵士が来る!)」
ラフェスタ「っ!とにかく、これ!みんなの武器でしょ!受け取って!」
ラフェスタは回収された武器を投げて渡す。
雅一「お、俺の剣!」
ペイセル「私の杖!」
レイラ「みんなの武器を覚えてる・・・。本当にラフェスタなの・・・。」
ラフェスタ「(ま、まだ信じてもらえないっ!)」
ラフェスタ「(こ、こうなったら・・・)」
ラフェスタは雅一達に自分自身であることを伝えるために過去の出来事を
雅一達に伝える。
ラフェスタ「雅一は私の裸を見たんだ!」
その一言で現場は一時的に凍りつく。
レッド「・・・。」
レイラ「え?」
兵士達「へ?」
雅一は顔を真赤にして恥ずかしさが爆発しそうになる。
雅一「あ・・・あ・・・あ・・・。」
あまりの衝撃的すぎる言葉を聞いた他のみんなと近くにいた敵の兵士は思わず
声を上げて一同驚いてしまう。
兵士達「ええええええええええ!?」
ペイセル、レイラ、雷閑、レッド「ええええええええええ!?」
雅一「ばっ!おまっ!ふ、ふざけ・・・。」
雷閑「雅一・・・。」
レッド「お前にもそうゆう趣味があったんだなぁ・・・。」
雅一「しみじみしてんじゃねぇよ!」
雷閑とレッドはしみじみと受け取っているが、レイラは少し引いていた。
ペイセルは頬を赤らめて顔を隠していた。
レイラ「雅一・・・。それは大人としてどうかと思うよ・・・。」
雅一「ご、誤解だ!決してやましいことは何もしてないっ!」
さすがの兵士達もヒソヒソ話をし始める。
兵士達「え?異邦人とラフェスタってもしかしてそうゆう関係?」
兵士達「いや、相手はまだ10代だぞ?」
雅一「(敵側にも間違った情報が流れてるぅぅぅぅ!?)」
雅一「違う!違うからな!おいラフェスタ!何誤解が生まれるような
事言ってんだ!」
ラフェスタ「だ、だって!私だって誰も気づかないから!」
雅一「にしてももうちょっとチョイスするものはあっただろ!」
するとレッドが雅一の肩を優しく叩く。
レッド「雅一。大丈夫だ。俺はいつでもお前の味方だからな!」
雅一「いらねぇ励ましやめろぉぉ!余計に傷つくわ!」
すると兵士達にシュラストが再び指令を出す。
シュラスト「何をしている!さっさと奴らを消せ!」
その司令を聞いたバイラズ帝国軍の兵士達は再び一斉に雅一達に
襲いかかる。
レッド「おい!敵が来るぞ!」
雅一達は次々と迫りくる敵を倒していく。
雅一「おらぁ!」
兵士「グハッ!」
レッド「ファイヤー・ブレード!」
兵士達「グアアアア!!」
バイラズ帝国の兵士達は雅一達の戦闘能力の高さに苦戦する。
兵士「くっそ、こいつらここ数年で出た新人冒険者の力かよ!」
兵士「俺達じゃ太刀打ちできないっ!」
戦況は雅一達の方が若干有利に働いて入るものの、やはり数の多さには手こずる。
ペイセル「こいつら・・・どれだけ・・・。」
雷閑「全く・・・きりがない・・・。」
兵士達との戦いを繰り広げていると、本部の建物からシュラストが雅一達の所に
降り立った。
ラフェスタ「シュラスト!」
シュラスト「久しぶりだね。ラフェスタ。まさか君の方からこっちに来るとはね。」
シュラスト「だが、その形態、どうゆうことだ?お前そんな姿していなかっただろ。」
ラフェスタ「確かにね。この格好になって仲間にも私だって
気づいてもらえなかったからね。」
シュラスト「ふん、まぁ良い。随分兵士達を倒したみたいだが、
これ以上お前達を野放しにするわけにはいかんな。」
シュラスト「いでよ!キングゴーレム!デスレント!」
シュラストが号令をかけると森の奥から2体の災害が雅一達の前に姿を表す。
レッド「2体の・・・災害!?」
災害が現れた瞬間兵士達は歓喜を上げる。」
兵士達「うぉぉぉ!!」
兵士達「やっちまえーー!!」
キングゴーレムとデスレントは凄まじい雄叫びを上げる。
シュラスト「彼らはただの災害ではない。過去に倒された災害達の傾向を見て、
事前に対策を打っておいたのさ。」
ラフェスタ「対策?」
シュラスト「フフフ、今のコイツラはただの災害ではない!薬によって大幅に
強化された人知を超えた怪物になったのだ!」
レイラ「薬って・・・。」
ペイセル「まさか・・・デハート城においてあった!?」
シュラスト「ほう、察しが良いな。」
レッド「どうする。災害2体同時はきついぞ!」
雅一「一体でもあれだけ苦労したのに・・・2対同時なんて・・・。」
ペイセル「しかも薬によって強化されてる・・・。わ、私達勝てるの?」
シュラスト「お前達の旅はここで潰える。バイラズ帝国にたどり着く事もなく、
ここで我々の手によって朽ち果てるがいい!」
シュラスト「やれ!お前達!」
シュラストがキングゴーレムとデスレントに攻撃をするように命令する。
2体は一目散に雅一達の所へ向かい、強力な攻撃を連発する。
雅一「やべっ!」
レッド「くそ、多方向からの同時攻撃!なんて厄介な!」
シュラスト「良いぞ!その調子で奴らを袋叩きだ!」
ペイセル「スター・ショット!」
雅一達も反撃をするが、災害2体に兵士達の攻撃により、なかなかうまく
反撃ができないでいる。
ペイセル「だ、駄目だ!これじゃあ威力が・・・。」
するとその雅一達のいる所にラフェスタがいないことをレイラが確認する。
レイラ「ねぇ!ラフェスタはどこに行ったの!?」
雷閑「あれ?さっきまでいたのに!」
シュラスト「さぁ、トドメを指しな!キングゴーレム!」
キングゴーレム「コ゚アアアアア!!」
キングゴーレムは雄叫びを上げ、一箇所に固まっている雅一達の所に思いっきり
拳を降ろす。
雅一「だ、駄目だ!避けれない!」
雅一達が絶体絶命のピンチに陥ったその時、周囲の巨木から高速で移動する光が
キングゴーレムの正面に現れる。
兵士「おい!なんだ!?」
その光にその場にいた全員が注目する。
ラフェスタ「私の大切な故郷から出ていけ!このクソ侵略者共!」
ラフェスタは今まで教えられた事や出来事、戦いの敗北等を思い返す。
そして自身に流れる魔力を自分の拳にすべて凝縮させる。
ラフェスタ「グランド!」
ラフェスタ「メガバースト!」
ラフェスタの超強力な拳がキングゴーレムに直撃する。その威力の強さに、
キングゴーレムがふっとばされる。
兵士達「な、何ぃぃぃぃ!?」
シュラスト「ば、馬鹿な!キングゴーレムが・・・!」
ラフェスタは雅一達の前に着地する。
ラフェスタ「私は、お前らを越えて、ブラッドの奴を倒しに行くんだ!」