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青に染まる1

赤の街にある女がやってきた。

それは龍のような尻尾を生やし、

人間のようなそんなフォルムをしていた。


女は言う。

ドーラキーンーがきーたーよー。

お爺ちゃーん。

うちのドラゴンがこの付近で殺されちゃったんだけどぉー

なんかぁー知らなぁい?

そう言ってあの透たちを送った爺さんと顔を合わせる。


すると、爺さんは驚いた。

え!?そんなまさか!

あの火神龍様が!?


それに対してドラキンが言う。

まあ、大体の見当はついてるんだけどー。

おじいちゃーん?

あなたがこの街に火神龍を殺したやつを入れたんだよねー?

だけどそいつらは街に来た時、力を隠していた。

あなたはそれに気が付けなかった。

だから火神龍は殺されたし、

街の建物を壊されるっていう、、、

失態を犯しちゃったんだよねー?


爺さんは

はい、、、

とだけ言った。


それを聞いたドラキンは

よーし。

反省したんだねー。

じゃあこの一件は終わりぃー。

夜も遅いし私は寝に行くぅー。

そう言って街から帰っていった。


街から去った後、、、


ドラキンさま!!

付き人がそう叫ぶ。


何だー?、

うるさいなきみぃー。


続けて付き人が言う。

何故あのままで済ましたのですか!?

赤属性があんな失態するのはありえないでしょ!?

絶対なんか怪しいですって!!!


それに対してドラキンは言った。

だってぇー。

赤属性のお爺ちゃん嘘ついてなかったでしょー?

嘘ついたら闇属性の片鱗が見えるはずだし。

それに怪しいって時点で

多くの人間を裁くのは私嫌いなんだよねぇー。

面倒だし。

てか私年上だからって威張ってくる火神龍のことは

だいっきらいだったんだぁー。

自分の本性晒してからあの人たち食うっていう

悪趣味も持ってたしー。

そう考えると私が頑張って

犯人探しをする意味がないっていうかー。


それを聞いて付き人がキレた。

あなたが

あいつのようになる可能性だってあるんですよ!?

あいつそこそこ強かったし!!!


ドラキンが言う。

大丈夫だよー。

私は龍の王様になる女なんだからぁー。

全員返り討ちにしてやるぅー。

てかケジメはつけたよー。

あのお爺ちゃんだけは、、、ねー。


その頃爺さんはぶっ倒れていた。

前触れもなく、いつの間にか。

これがケジメなのだろう。

爺さんは次の日を迎えることなく死んだ。


こうして透たちに新たな強敵が現れたのだった。


場面が変わって、、、

青の街を目指すアタシ達一向は

爺さんに渡された紙を開けて驚いていた。

合言葉、、、!?

それが書かれていた。

そう、赤の街に来た時最初に質問されたあの合言葉。

アタシ達があの街に入れたのは奇跡などではなく、

最初から来る者拒まずという

爺さんの優しさであったという事にアタシ達は気づいたのだ。


それと同時にヤミィが言う。

合言葉、、、か。

もてなしをしてくれるような人間がそんな物使うわけが無い。

そして間違いなくこれは完全に私たちへの対策だ。

光の一族同士では通信ができる。

もしかしたら街全体で街の民が旅人に

光の一族がこの合言葉を使うよう義務化したのかもしれない。

私たちが街の外に出てる間にな、、、


成程、手の早いことだ。

アタシはそう思った。


ねえ。

バニングが話に入り込んできた。

そしてこう質問した。

なんであなたは光の一族なのに気づかなかったの?


それに対してヤミィがムッとした顔で答える。

使えなくなったんだよ。

なんかボロを出さないかと思って

通信を聞こうとしたらなんも反応しなかった。

遮断されたってやつだ。

私のような顔もわからない雑兵にも

通信は全員に届くようにしてたからな、、、

奴らは多分、私達が逃げてる間に合言葉の要件だけ伝えて

光の一族全員が通信を使えないようにしたんだろう。

でもまた新しい通信機能を作ってるかもな。

特定の人間だけに出来る通信、、、とかな


ふーん。

そっかあ。

それを聞いたバニングが飄々とした態度でそう言う。

話に興味がなさそうだ。


ヤミィの顔がやばい。

アタシが地下牢でヤミィを煽り散らかした時と

似たような顔をしている。


リーファもそれを見て少しぶるっていた。


だが、何も起こらなかった。

これ以上この話を続けるのは無駄。

ヤミィがそう判断したのだろう。

いや、もしかしたらアタシみたいな奴に散々酷い目に

遭わされたのでやめておこうという判断かもしれない。


こんな感じの小事があったが

なんとかアタシ達は青の街に着けたんだ。


アタシ達は入り口に立った青属性の住民に声をかけられる。

合言葉は?


それに対してアタシ達はこう答えた。

ホロビノタビ。

アタシ達がそう言うと街の人間はにっこりした態度で

青の街に入れてくれた。


しかし

滅びの旅、、、か。

酷い合言葉だな全く。

アタシ達に待ってるのは滅びだってか?

アタシはそう思った。


さあ街に入ったアタシ達だが、

ここに来た目的はアタシの全力増強。

アタシが水属性を習得することだ。

赤の街のように仲間を手に入れることができればなお良い。


まあ、そんなうまいこと行くわけないか。

アタシがそう思っていると、

だからしないって行ったわよね!?

女の人の大声が聞こえた。


聞こえてきた方向に行ってみると、

何やら男女が言い争っている。


男は言った。

君が好きなんだよぉ。

俺の両親も君の両親も推してくれてるしさぁ。

そろそろ俺と結婚しようよぉ〜。


それに対して女は言った。

だいたい私はあなたのことが好きじゃないの!

この態度見れば分かるでしょ!?

それなのになんでパパもママも勧めてくるわけ!?


どうやら痴話喧嘩のようだった。

止めようかどうか悩んだ時、

ヤミィがアタシを制止した。


そしてヤミィが小声で言った。

あの男は光の一族の有名な一家、アサシネ家の一人息子だ。

身につけている衣服の家紋でわかる。

そしてあの隣にいる女も身に家紋のついた服を着ている。

だが私の記憶には光の一族にあんな家紋はない。

つまりこの街の偉いさんの娘とかだと思う。

そしてこれらの事実から考えられるのは、、、

政略結婚だ。


アタシはこの前洞窟で話されたことを思い出した。


最強の子孫を作ろうってやつだったっけ?

あれ許可ないと出来ないんじゃないの?

アタシがヤミィにそう聞く。


ヤミィはその質問を待っていたかのようにすぐ言葉を返した。ああ、そうだ。

目的はそれだろう。

そしてあの男は確実に許可をもらっている。

白昼堂々他種族を今まさに口説いてるんだからな。

中々珍しい光景だ。


続けてヤミィが言う。

だが、珍しいからといって私たちが関わる必要は一切ない。

私たちは追われてる身だと言うことを忘れるなよ。


分かってるよ、、、

アタシはそう言いつつも

あの痴話喧嘩が頭から離れなくてしょうがなかった。


あれから数時間後、、、

アタシ達は泊まる場所を予約しておいた。


するとリーファが言う。

私、青の街に前から興味あったんです!

綺麗な噴水もあるし、

うまい水もあるしで有名な場所なんですよ!

私の趣味に付き合わせるのも悪いでしょうし、

私一人で探索してもいいですか!?


ヤミィが

何言ってんだ、、、

お尋ね者なんだぞ、、、私たちは。

呆れた態度でそう言う。


それに対してアタシは言った。

いいんじゃない?

赤の街では怖い思いさせたし、

それぐらいの羽目外しがあっても。

それにこの街では有利なんだろ?

ただ、目立った行動はするなよ?


それを聞いたリーファはパーっとどっかに行ってしまった。


ヤミィが言う。

あいつ大丈夫なのか?

私たちみたいに戦闘ができるようには見えないが。


それに対してアタシが言う。

多少近くをうろつくに決まってるだろ。

ヤミィがいればもし闇属性がいてもすぐ分かるし。

そのついでにアタシもこの街の住民の手に触れて

青属性の力を手に入れる。

それでいいだろ?

ほら、こんなこと言ってる間にリーファが遠ざかっちゃうぞ。

バニングもリーファについて行ったみたいだ。

こうしてアタシ達はリーファをつけた。


場面は変わって、、、

リーファは楽しんでいた。

ヤミィにもらったお小遣いで

青の街にしかない髪飾りを買ったりしていた。


そうしてめぐり、

多少遠くに行っていたリーファは

街の外れにある花畑を見つけた。

美しい花々。

その中に生えた一本の大きな木。


すると、木の下から一人の男の声がした。

おっそいなぁ、、、

ウォルター。

向こうから会いたいって手紙を出してきたのに。


どうやら男は待ち合わせをしていたみたいだった。


そして男がこう言った。

ここならチューしてもバレないって思ったんだろうけど、、、


チュ、チュー!?

リーファそれを聞いて声を上げそうになった。

それと同時に自分がここにいるべきでは無いと思い、

この花畑から離れようとしたその時。


ウォルター!?

そう言って男が声を上げた。

逃げようとした時の花の掠れる音でバレたのだ。


リーファは

す、すみませぇーん!!

邪魔はしませんからぁ!

そう言いながら走り去ってしまった。


しかし、数百メートル走ったところでリーファは気づく。

自身の髪飾りを落としてしまったということに。


回収しなくてはという事で

リーファはもう一回あの場所に行くこととなった。

そして戻ったリーファはある光景を目にする。


待ち合わせをしていた男が居ない。

そしてあの木の下にいたのは、、、

闇属性の暗殺者だった。

特有の闇のオーラを纏っている。


リーファは察した。

あの闇属性が彼を殺したのだと。

そして今すぐ去らないと私も殺されると。

しかし、運が悪かった。

たまたま視線が合ってしまったのだ。


暗殺者はこう言った。

全く、、、

何がやりたいんだお前は?

奴を殺そうと思ったら来るし、

殺したと思ったらまた来るし、、、


それに対してリーファは声を震わせて言った。

あなた、、、分かってるんですか!?

人殺しですよ!?

光の一族が黙ってませんよ!?


それに対して暗殺者が嘲笑して言う。 

光の一族、、、ねぇ。

お前はそれですらないようだが?


その通り。

リーファは光属性ではない。


リーファは自分なりにこの状況をどうすれば良いか考えた。

逃げですかね。

距離はそこそこ離れてます。

闇属性の射程は短い、、、

全力で走ったらあの闇属性の攻撃は当たりはしません。

透様のもとに迎えたならなんとかしてくれるはず、、、!


だが同時にこうも思った。

でもその間に街に被害が出ますね、、、

それはダメです。

それにここで持ち堪えれば、

光の一族の誰かが察知して来てくれるかも。

じゃあ、、、

戦うしかありませんね!!!


そうしてリーファは暗殺者に近づいていく。

はっきり言って無謀な行為だ。


本当に頭がおかしくなったのか!?

闇属性の脅威は知ってるはずだろう!?

暗殺者は言う。


それに対してリーファはこう言った。

私も焦ってるんですよ?

私すっごく弱いですから、、、

仲間に戦いを任せてばかりで、

何も出来てないって。

だからここらで成長したいって、、、

思ってるんです、、、!


彼女の目には強い意志があった。

こうしてリーファと暗殺者との戦いが始まったのだった。




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