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赤に染まる1

赤の街に行く間、アタシ達は話をしていた。


そういえばさ、、、

お金って大丈夫なの?

アタシがそう切り出した


するとヤミィが言う。

一応お前にぶん殴られた後、

すぐに自分の家に行って金を回収しておいた。

私は一人暮らしだからな、、、

まあ気づいてるやつも少ないだろうよ。


アタシ達の命がかかってたのにコイツは、、、

よくあんな顔でアタシ達の前にあんな顔で現れたな!

アタシはそう思った。


そんな話をしているうちに

赤の街についたアタシ達は、

街の入り口にいた人間に声をかけられた。 

それは赤属性の老人だった。


アタシは言う。

すみません、、、

アタシ達は旅のものなのですが、、、

ここに一晩でも良いんで泊めさせていただけたらと、、、


それに対して老人は

まあまあその服装を見るに

中々過酷な旅をしてきたんですなぁ。

そう言ってアタシ達に笑顔を見せた。


人の苦労が分かるなんて、

ヤミィの言っていた通りだいぶ人が良さそうだ。

アタシはそう思っていたが

次第に老人の様子が変になっている事に気づいた。


その直後だった。


あのぉー、

あなた方は合言葉ぁ言わないんですかのぉ?


老人がそう言ったんだ。


何てこった!

そんなの

目の前にいる爺さん以外知ってるはずがねぇ!


アタシはそう思った。



しばらく沈黙が続く。

アタシ達はここで門前払いをくらってしまうのか。

アタシ達三人はその覚悟をしていた。

しかし、帰ってきたのは想定外の答えだった。


老人の答えはこうだった。

いやはや、、、アンタらは合格だぁ!

正直な態度だからな!

変にモゴモゴ言ってたら即追っ払ってたところだ!


どうやらアタシ達は奇跡を起こしたらしい。


こうしてアタシ達は街に入らせてもらった。

すると街のみんなは驚くほどの歓迎をしてくれた。

ただ一人やけに浮かない顔をした少女を除いて。


歓迎された後、、、

アタシ達は温泉に入っていた。

赤の街というだけあって近くに火山があり、

その影響で温泉が多くあるらしい。


だが、不思議なことがあった。

赤の街の住民が誰一人温泉に入っていなかったのだ。

アタシは温泉に浸かりながら二人に


今夜だよ?

なのに何で赤属性のみんなは

誰も温泉に入らないんだ?


そう聞いた。


それに対して

リーファが思わぬ返答をしてきた。


絵本にもなってる有名な話です。

昔の赤属性の人間には、

温泉に入る文化があったんです。

しかしある日、

大人や大人になりかけの子供が

全員火傷だらけになって死ぬという事態が

発生しました。

赤属性の一族は

その一件で滅亡の危機に瀕したのです。

その時現れたのが火神龍という存在でした。


火神龍が言うことには

温泉に原因があるとの事で、、、


生き残った子供たちは反論しました。


今まで大丈夫だったのに

何故温泉がダメになったんだ!?と。


すると火神龍は温泉の水を掬い、

ほんの少し、ほんの一滴、

火神龍自身の手と子供達に触れさせたのです。


すると触れた箇所が大火傷を負い、

子供たちは悶え苦しみました。


火神龍は続けて言いました。


この温泉には毒がある。

お前たちの中の炎を増長させる毒がな。

それが年々強くなっている。

つまり

お前らでは刺激に耐えられなくなっているのだと。


それを信じた子供たちが、

赤属性は

温泉に入ってはいけないというルールを作りました。

他の街にも広がり、全ての赤属性の人々は

温泉に入らなくなりました。

それが今でも続いているというわけです。


目の前にこんな天国があるのに入れないのは

不憫だなとアタシは思った。


さて時間も経ったたことだし、

アタシが上がろうとした瞬間。

うわぁぁぁぁぁっ!!

誰かがシャウトしていた。


二人は別に気にする様子はなかったが、

アタシは気になることはすぐ調べたくなる性格だ。

即服を着て、即人々に即乾かしてもらい、

即さっきの音の正体を探りにいった。


だぁぁぁぁぁっ!

まだやってくれている。

そして音の正体を見つけることができた。

それはさっき悲しげな顔をしていた少女だった。


少女はまさか人が来るとは思っていなかったのか 

目を見開いて口を開けながらこっちを見る。


何で叫んでたの?

アタシは質問する。


でも彼女は黙ってばかりだった。

アタシは思った。

こうなったらあの手法を使うしかない!と。


どしたん?はなし聞こか?

アタシはこう言ってやった。

完璧だ。

どうだアタシの完コピ力!!

そう思った。


それを聞いた瞬間彼女は笑いながら言った。

何だよねーちゃん、、、

そのふざけた喋り方、、、面白いじゃんか。


アタシの作戦は成功したらしい。


そして彼女は語ってくれた。

私もともと病弱でさ、、、

両親にも苦労させたんだ。

今はもう生きてない。

二人とも歴史を調べるっていう

不思議な仕事についてたけど、

それの事故かなんかで、、、というやつだと思う。


話の本題はここからなんだ。

ある日、温泉から声が聞こえたんだ。

旅人が来た覚えもないし、

私は気になって湯を覗いてみた。

びっくりしたよ。

なんせ私の両親が仲良く温泉に入ってたんだから。

私は思わずその中に飛び込んじゃったんだ。

赤属性にとって毒であるはずの温泉に。

でもその時には誰も居なくて

冷静さを取り戻した私は急いで湯から出て、

証拠もなくしてさっさと帰ったんだ。

しばらく経っても何もなかった。

いやむしろ今までより体が強くなってた。

病気がかかりにくくなったんだ。

それがあって以降、

温泉に毒があるっていう言い伝えの意味って

何なんだろうって

気になって気持ちよく寝れてないんだよ。

だから火山付近のでっかい家に住んでる

火神龍様にこの事を聞きたいって思ってるんだけど

なかなか言う気が出なくて、、、

イライラして叫んでた。

まるで私が今までの歴史を

否定してるみたいだし、、、

気になるだけなのに。


話の雲行きが怪しくなってきたぞ、、、

アタシはそう思った。


すると彼女が

でもねーちゃんのおかげで勇気出てきた!

話を聞いてくれたお礼に名前を教えたげる。

私の名前はバニング。

会う機会があったらまた話相手になってねー!!

そう言ってアタシの手を握ってから去って行った。

バニングは

あのまま火神龍とやらに質問してくるようだった。


手に触れたからもう本来の目的の戦力増強は叶った。

多分赤色は手に入れられている。

だが、、、アタシはある事に気づいてしまった。


勇気?

質問をするだけの事に何故勇気がいるんだ?

まさか、、、?


面倒ごとになったら仲間に迷惑がかかる。

かといってバニングも危なっかしい。

こう悩んだアタシが出した最終的な結論は、、、

まあ、様子を見に行ってみるだけなら大丈夫だろ。

これだった。


場面が変わって、、、

火神龍の家。

火神龍のところに着いた

バニングは火神龍に例の質問をした。

何で私は温泉に入れたの?

火神龍様?


それに対して火神龍は優しく言う。

それはまぐれというやつだ。

お前はみんなより体が強いから耐えられた。


でも私病弱だったよ?

バニングの何気ない指摘が飛ぶ。


すると火神龍はバニングに言った。

そういうやつは首の後ろに紋章があるんだ。

後ろを向いてみろ。


でも皆何も言ってなかったよ?


バニングはそう言ったが、



それはみんなが言いづらかったからだろう。


火神龍はそう言ってバニングを後ろに向かせた。


バニングの頭の上で鋭い爪が構えられる。

爪が振り下ろされるかと思われたその瞬間!


火神龍目掛けて炎が扉を吹っ飛ばして向かってきた。

バニングは火神龍と一緒に避けようとした。

しかし火神龍は身を守ろうと

バニングを盾にしたのだ。

そしてその炎は、、、

何故かバニングの目の前で止まった。


燃えかすとなった扉からアタシが悠々と入る。

そして言った。

いやー、

マークがあるおかげで中に誰が何処いるか分かるの

ほんっと便利だな、、、

お陰で当てなくて済んだよ、、、!

あと、、、火神龍はやっぱクロだったなぁぁぁっ!!

予想通りよぉ!!!


こうしてアタシと火神龍の戦いは始まった。




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