希望に染まる3
アタシは草むらに放置されても気分は悪くなかった。
何故ならそこら中に緑が生えているから。
まあ青空とかがあればより景色が良かったとは思うが。
おいおい別の色が手に入るだろうから今は我慢だ。
ということでアタシはトコトコと歩いて行った。
すると街を見つけた。
置いてある看板に書いてある名前は「緑の街」だった。
まんまか!と思いながらも入り口から入ってみる。
しかし、町に入ってから妙なことに気づく。
何やら人が集まっているじゃないか。
アタシは人混みをかき分け、その正体を見ようとした。
すると、驚きの光景があった。
なんとさっきの女が悪そうな男に襲われていたんだ。
彼女は怯えながら言った。
お願いします、、、!
どうか弟の代わりに私を、、、!
どうやら彼女は弟を守るために身を挺したらしい。
だが彼女は緑属性。
相手の男には禍々しいオーラもあるから多分闇属性だ。
十中八九殺されるだろう。
アタシは彼女に借りもあるから助けようと間に入った。
すると男は言った。
光の一族の認めた罰なのにぃ、、、
何で間に入ってきてんだお前!
まさかお前ジャッジメント•クロのメンバーか!と。
アタシは思った。
光の一族、、、?確か警察みたいなものじゃないのか?
こんな奴ほっといて何してんだ?
てかジャッジメント•クロって何だ?
色々考えている間に男がアタシに闇のオーラを放つ!
危ないと思った、、、
でも何故かアタシには効かなかった。
男のみならず民衆全員が驚いていた。
何故効かねぇんだぁ!
男は大いに焦っていた。
そしてアタシは男に強烈なパンチカウンターをかます!
男は大の字に倒れた。
アタシが大丈夫かと言い、
緑属性の彼女に駆け寄ろうとした瞬間、
一斉に何かが飛びかかってきた。
キラキラしてるけど色がわからないから
緑属性の民衆じゃない。
まさか、、、光の一族!?
そう思っている内にアタシは奴らに組み伏せられた。
はなせっ!何が起こってんだあっ!?
アタシが叫んでも一向に状況が変わらない。
光の一族?の内の一人が誰かに連絡をとっている。
アタシはそれを冷静に盗み聞きしてみた。
どうやら私の処遇を決めているらしい。
会話が終わった後、アタシは地下牢にぶち込まれた。
何故こんなことに、、、
アタシがそう言って嘆いていると
1人の光属性の女看守が現れ、、、
お前みたいなやつは初めてだ。
開口一番そんなことを言われた。
女看守は続けて言う。
何故あんなことをした。
あれは闇属性から赤青緑の三属性を守る光の一族様に
粗相を働いた者に施される罰なのだ。
本来なら守られるはずなのに見捨てられ、
守られずに闇属性に殺される。
それこそ粗相を働いた奴らにできる罪滅ぼしなのだ。
それを邪魔したお前がここにいるのは当然だと思うが。
アタシはその話を聞いていてすごく気分が悪かった。
更に女看守は言う。
昔の話をしてやろう、光の一族にも変な女がいた。
緑属性の友と仲良く遊んでいたのだ。
それは二人だけで遊んでいたから成り立っていた。
ある日、
奴と光の一族数人と緑属性の友で遊んでいた。
しかし、緑属性の友は遊んでいる過程で
光の一族数人の内一人に
怪我を負わせてしまったのだ。
その時はどうにもならず終わったが、
数日経つと緑属性の友は光属性の罰を喰らっていた。
助けを求めていたのに殺された。
そしてその変な女も緑属性の友を見殺しにしたのだ。
負わせたのは
それほど大きな怪我でもなかったのにだ。
この世はどう転んでも光属性が正義なのだよ。
さて、長話はこれで終わりだ。
それにしても、、、
今回粗相を働いたのは緑属性の娘の弟らしい。
何故あの娘は弟を庇ったのだ?
自分が死ぬと分かっているのに、、、愚かだ。
長話も飽きたのでアタシは言ってやった。
そうだなぁ。でも友達見捨てた、、、
光属性の腰抜けよりは勇気あるなぁ!と。
すると牢の扉が開く。
そしていきなり女看守に激しく蹴られまくったんだ。
女看守はその間ものすごい顔をしていた。
お前にっ!気持ちがっ!
わかるのかぁっ!
そう言いながら。
時間が経って
看守は気が済んだのか外に戻ろうとしたが
アタシの煽りは止まらない。
アタシがバカにしたのは赤の他人だぞ、、、!
優しいなぁ!!
他人のためにそんなに怒ってやるなんてよぉ!!!
すると女看守は言った。
言っといてやるが、、、
明日お前はあの緑属性の娘と一緒に処刑される。
そして処刑役は私だ。
楽に死ねると思うなよ。
アタシにとってそれは一種の負け惜しみに聞こえた。
それを言った女看守は牢から去って行ったんだ。
しかし、それはそれで問題だとも思った。
まだ赤も青も黄色も紫も見てないんだぞ、、、
そうだ。
アタシはまだ緑色しか見れていない。
こんなところで死んでたまるか!
私は強く、そう思った。
何か方法はないかと探っていたら
アタシは緑属性の能力を持っていることに気づいた。
そうだ、女神様が言ってたじゃないか。
アタシは女神様に改めて感謝した。
そして翌日アタシは木の枷を手につけられ
処刑用の高台に連れて行かれた。
遠目にはあの緑属性の彼女が見える。
そして高らかにアタシの処刑宣言が言われた後、
あの女看守がアタシの上で斧を振り上げた。
アタシの命が終わる。
アタシ以外の誰もがそう思っていただろう。
だがいきなりバギィッと音が鳴った。
斧はまだ上げられたままだ。
その音はアタシの枷から鳴っていた。
女看守が驚き、アタシの枷を見る。
割れていた。無数の植物が生えており、
その生えるときの力で、木の枷を破壊していたんだ。
これがアタシが授かった緑属性の能力。
アタシは呆気に取られていた女看守を殴り飛ばした。
そして、こう言ってやった。
お返しだコノヤロォ!
これはお前の失態だ!
上から怒られて無職になっちまえバァァァカッ!
女看守が下に落下し、地面に叩きつけられた。
奴は一向に立ち上がる気配がなかった。
自分の不甲斐なさに呆れたのだろう。
言いたいことも言えたし、アタシは心を切り替えた。
女看守に構ってる暇はない。
緑属性の彼女を助けなければと急いで走る。
周りはパニックだった。
慌てふためく民衆。
アタシを捕まえようと向かってくる光の一族。
だが力が覚醒したアタシは一人二人じゃ止まらない。
でかい植物を出し、街の石を破壊しながら
ゴリ押ししてやった。
そしてあっという間に緑属性の彼女にたどり着いた。
アタシは言う。
お前この街にはもう居られないだろ、、、
アタシが枷をぶっ壊して連れ出してやる!
時間がないから来てくれ!
緑属性の彼女は即座に返事をし、
アタシの手を取った。
そして連れ出そうとした瞬間。
あの闇属性の男が現れる。
それだけではない。
他の光属性たちもだ。
これは絶体絶命というやつか。
こんなに多いと捌ききれないな。
多少怪我するのもやむなし。
そう思った。
しかし、予想外のことが起こる。
なんと敵がどんどん倒れていくではないか。
何者かが倒しているようで
その背中には黒と白が入り混じった
鋭い矢のようなものが刺さっていたんだ。
堕天使、、、!?
それを見たアタシは
その美しく黒と白が混ざった体と
白黒の翼が生えた状態に思わず見惚れてしまった。
そしてそいつは
よくもやってくれたなお前、、、
お前のせいで、、、
堕ちてしまったではないか、、、
恍惚か憤怒か絶妙な表情でアタシに話してきた。
そいつの状態に気づいたアタシはこう答えてやった。
それにしては気分良さそうじゃねーかお前ぇ!
正体はあの女看守だったのだ。
白一辺倒から変色しまくってたから気付かなかった。
そして、、、
どうやらアタシは女神様が言っていた1番難しいことを
かなり序盤で解決してしまったらしい。