希望に染まる1
アタシの名前は透。
金持ちだし、頭も良いし、運動神経も抜群。
だがこれらをかなぐり捨ててでも手に入れたいものがある。
それは色だ。
アタシは色盲を持っていて
視界の全てが黒、白、灰色にしか見えていない。
この影響で酷い目にも遭ってきた。
アタシの症状を知っているくせに
何がどう見えて何がどう見えないのかとおちょくられた。
クラスメイトが新作のジュースと言いながら
泥水の入ったペットボトルを渡してきた時、
アタシはそいつをタコ殴りにした。
おかげでアタシは人間不信になっちまっていたよ。
そんな時にハマったのは本だった。
小説なら色を気にせずに文字で楽しめるし、
漫画だったら本編が大抵モノクロなので楽しめた。
そんな日々を繰り返していたある日、
アタシはよくあるコンビニの漫画棚を漁っていた。
あとは買って帰るだけ、、、そう思って外側を見てみると
車がアタシに向かって突っ込んでいるのに気づいた。
でも気づいた時には遅かったんだ。
そのまま死んだなコレ、、、と思っていると、
急に体が光り始めて気がついたら真っ白な空間に居た。
目の前には何故か可愛らしい見た目の少女が立っている。
ぽかーっとしているアタシに向かって少女が言い放つ。
お主には色の世界に行ってもらうと。
アタシはこれからその異世界の状勢を変える事となるが、
その事はまだ誰も知らない。