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第二十六話 王様のご褒美、楽しみです!

宿でエトワルと秘密を持っている事を打ち明け合い、仲間としての絆を深めたラテル。

翌朝お城に報告し、更に旅を続けようと意気込みますが……?


どうぞお楽しみください。

 一夜明けて朝。

 ラテル一行は元気よく宿を出立しました。


「いやー! いい部屋だったなー! 部屋に風呂もあるし、布団はふかふかで! ありゃまた泊まりに行きてーもんだ!」

「だよね! 魔王を退治したらまた来ようね!」

「そうだな。各国に戦勝報告をする際には是非ここに泊まろう」

「賛成」

「あ、リュンヌごめんね。リュンヌだけあの部屋に泊まれなくて……」

「大丈夫。次の楽しみ」


 そんな話をしながら、ラテル一行は城へと向かいます。

 昨日は全員が揃って戻って来るのが遅くなったので、王様への正式な報告は翌日となったのでした。


「おお! 勇者様! お待ちしておりました! ささ、国王陛下がお待ちです!」

「あ、ありがとうございます!」


 門番の兵士に丁寧に出迎えられ、ラテルは少し得意な気分になります。


「えへへ……」

「ラテルご機嫌」

「あ、うん、何か他の国の人にも『勇者』って認められたのが嬉しくて……」

「……そうか。確かにな。ラテルはこの国にとって名実ともに勇者だ」

「へへ、これで魔王を退治したら、俺様達世界的な英雄だぜ? こんなもんじゃすまねーだろうな」

「期待」


 自然とラテル一行を穏やかな空気が包みました。


「ははは。先の事はともかく、昨日の報告の際、国王陛下から盗賊退治の褒美をくださると聞いている。この謁見もそのためのものだそうだ」

「ご褒美かぁ……。何がもらえるかな。ご馳走とか?」

「ラテルは食い気が強いなー。俺様は何か強い武器とか魔法の道具とかじゃねーかと思うんだがな」

「金」

「ははは。まぁ期待しすぎない方がいいだろう。どこの国も魔物対策で厳しい生活を強いられているからな。他国への紹介文でも貰えたら有り難いと思うぞ』


 そんな事を話しているうちに、もう玉座の間は目の前です。


「勇者殿がお見えになりました!」

「通せ!」

「はっ!」


 扉が開き、ラテル一行は中へと進みました。

 昨日と同じ、にこにこ笑う王様が出迎えます。


「勇者ラテルよ! よくぞ盗賊を退治してくれた! この国を代表して礼を言うぞ!」

「ありがとうございます!」

「そなたには褒美をやらねばと思っておる。この国を救った功績に見合う褒美をな」


 その言葉に、ラテルの期待はいやが上にも高まりました。


(この国を救ったなんて……! 何をもらえるのかな……?)


 その表情を見て、王様が笑みを深めます。


「よし! そなたにはこの国をやろう! 王となりこの国を治めるがよい!」

「え、く、国……!?」

「今日からお主はラテル王じゃ! ふはは! めでたいめでたい!」

「えええぇぇぇ!?」


 ラテルの驚きの叫びが、玉座の間に響き渡りました。

読了ありがとうございます。


気さくにも程がある王様。

ラテルの旅はここで終わって、次回からは『ラテルの王国繁盛記』が始まってしまうのか?

ナメクジ魔王を思い出した人、僕と握手!


次話もよろしくお願いいたします。

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[一言] せめて世界の半分にして(笑)
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