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第二十四話 今日こそ一人で泊まりたいです!

盗賊を見事退治したラテル一行。

城下町に戻り、昨日の宿へと向かいます。

今日こそは一人部屋に泊まれると思っていたラテルですが……?


どうぞお楽しみください。

 盗賊達を捕らえた後、ラテル一行は二手に分かれました。

 ソレイユがエトワルの帰還魔法で城に報告。

 その間残党が戻って来る可能性を考え、ラテルとリュンヌが塔で待機。

 城に待機していた兵士の一団を塔に連れて来たところで、任務は無事終了。

 再びエトワルが帰還魔法を使い、ラテル一行が城下町に戻って来た頃には、日が傾いていました。


「あー、つっかれたー。早いところ風呂に浸かって、ゆっくり寝てーな」

「お疲れ様エトワル。今日は大活躍だったね!」

「おいおいラテル、それを言うなら『今日も』だろ?」

「あははっ、そうだね!」


 二人が楽しそうに話す様子を見たソレイユは、リュンヌと何やら話し始めます。

 何かを確認するように頷くと、話の合間を見計らってソレイユは二人に話しかけました。


「私も今日の一番の功労はエトワルにあると思う」

「な、何だよ旦那まで……。ま、まぁその通りなんだけどな?」

「なので今日豪華な部屋に泊まるのはエトワルが相応ふさわしいと思うのだ」

「は!?」


 驚くエトワルに、ソレイユは淡々と続けます。


「今日も市を終えた行商人達で宿が混むから、確保した昨日の三部屋しかないだろうからな」

「いや、そうだけど……」

「主人の言う通り、確かに良い寝心地だったぞ。なぁラテル」

「うん! お布団ふかふかだった……!」

「え、いや、でもよ、俺様昨日泊まった部屋に、何というか愛着が……」

「明日には旅立つのだから、未練は少ない方が良いだろう?」

「ぐっ……」

「だからエトワルとラテルが二人部屋。ソレイユと自分が一人部屋」

「!?」


 リュンヌの言葉に、今度はラテルが驚きました。

 順番的に今日は、エトワルとリュンヌで二人部屋を使うと思っていたのです。

 反論を試みるラテル。


「ちょ、ちょっと待ってよ! 僕は今回ほとんど何もしてないしさ! 疲れてないし!? 昨日あの部屋に泊まってなくて、敵を探るのに頑張ったリュンヌが……」

「駄目。ラテルが二人部屋は決定事項」

「昨日も言っただろう? 勇者であるラテルを一人部屋にして、我々が豪華な部屋に泊まるわけにはいかないと」

「そんなぁ……」


 今日こそ一人部屋で秘密を気にせずのびのび過ごせると思っていたラテルは、最後の望みをかけてエトワルに話を振ります。


「じゃ、じゃあエトワルに聞いてみよう! ねぇ、誰と泊まりたい!? ソレイユ!? リュンヌ!? ぼ、僕じゃないよねぇ……?」

「……」


 エトワルは少し黙った後、帽子のつばを少し下げて、


「……どうしても誰かと泊まらねーといけねーなら、その……、ラテルとが良い……」


 呟くようにそう答えました。


「……え……」

「決まりだな」

「決定」


 票は三対一。

 こうして今夜もラテルは相部屋で眠る事になってしまいました。


(い、今の、『ラテルとが良い』ってどういう事……!? ま、まさか女って事がバレてるのかな……!? え、でも、そんなはずは……)


「おいほら行くぞ。俺様疲れてんだからよ」

「あ、う、うん」


 ぐるぐると悩むラテルを、いつもの様子に戻ったエトワルが宿へと促します。


(衝立だけで大丈夫かな……?)


 ラテルは不安を胸に抱えたまま、先に進む三人を追いかけるのでした。

読了ありがとうございます。


着々とフラグを立てていくラテル。

エトワルとの一夜はどうなってしまうのか?


次話もよろしくお願いいたします。

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