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第二十二話 いよいよ盗賊退治も大詰めです!

手際よく盗賊を無力化していくラテル一行。

しかし塔の上部には、四人が想像もしない敵が存在していたのでした……。


どうぞお楽しみください。

 ラテル一行は盗賊を眠らせては縛り上げて、塔を上へと登って行きます。

 そうして最上階近い部屋に辿り着きました。


「構造からしてここが最後の部屋のようだ。この上は見張り台だからな」

「へっ、やっぱり楽勝だったじゃねーか」

「中には四人。流石親分とか肉とか言ってる」

「じゃあここを押さえたら、盗賊退治完了だね! 頑張ろう!」

「へへっ、じゃあこいつら捕まえて凱旋と行こーぜ」


 そしてこれまで通りにエトワルが睡眠魔法を放とうとしたその時です。


「はぶらっ!」

「!?」


 扉が勢い良く開き、部屋から何かが飛び出してきました。

 驚いてそれを見ると、盗賊の一味らしい男でした。


「馬鹿野郎! そんな事で高みを目指せるか! 俺達はどこまでも高く高く昇り詰めていくんだよ!」

「お、親分……!」


 殴り飛ばされたらしい男は、感動した顔で立ち上がり、親分と呼ばれた男に駆け寄って手を握ります。


「さぁ気合いが入ったところで続きを……、って、何だお前ら!」


 思いもよらない状況に固まっていたラテル一行は、盗賊達に見つかってしまいました。


「ちっ、仲間割れに出くわすなんて運が悪い! とっとと片付け、て……?」

「わっ……!」

「……むぅ」

「変態」


 エトワルが絶句し、ラテルが目を覆い、ソレイユがうめき声を漏らし、リュンヌが素直な感想を述べます。

 そこには下着一枚で見事な筋肉を惜しげもなくさらす、男の姿がありました。


「誰が変態だ! 俺達は筋肉の高みを目指す盗賊団! 赤き肉の宴団だ!」


 親分と呼ばれた男が高らかにそう宣言すると、むきぃっと音がしそうな勢いで筋肉を隆起させます。


「流石親分!」

「良い筋肉!」

「どうだ! お前らも男ならこの筋肉の良さが分かるだろう!」


 親分を讃える子分達の盛り上がりと対照的に、ラテル一行は静かな空気に満ちていました。


「……いや、僕はとりあえず服を着てほしいな……」

「鍛えているなとは思うが、剣は筋力だけで扱うものではないからな」

「……」

「変態」


 すると黙っていたエトワルが、震える手を前に突き出しました。


「……ばっかやろー! 気色わりーもん見せんじゃねー!」


 叫んだエトワルの手に魔法の光が輝きます。


「唸れ炎!」

「あちあちあち!」

「舞え吹雪!」

「さむさむさむ!」

「切り裂け風!」

「いてていてて!」

「とどめだ! 吹き飛べー!」

「のわあああ!」

「ぐわあああ!」

「ぎええええ!」

「ぎゃあああ!」


 四連魔法を全てを食らった親分と、最後の爆発魔法をまとめて食らった子分達は仲良く気を失いました。


「はーっ……! はーっ……! はーっ……! も、もう一発……!」

「おい落ち着けエトワル! やりすぎだ!」

「っ! ……」


 ソレイユの言葉に、肩で息をしていたエトワルは我に返り、帽子を目深に被り直すと、


「……悪い。ちょっと外の空気吸ってくる……」


 そう言って部屋の奥の階段から見張り台へと上がって行きました。


「親分! 何ですか今の音は!」

「るさいっ! 寝てろ!」

「むにゃり……。ぐう……」


 慌てて降りて来た見張りの男を眠らせて……。

読了ありがとうございます。


四連魔法にピンと来た方は僕と握手!


次話もよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 追いついてしまいました、楽しく拝読しています。 優しさがいっぱい根底に流れるお話、いいですね~ 更新楽しみです!
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